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元・超多忙会社員が「リモート英語講師」に転身。目指すは日本人の"英語アレルギー"ゼロ!

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小柄でかわいらしい雰囲気ながら、芯がピシッと通った強さを感じさせるタナカミカさん。現在はフリーランスのリモートワーカーとして、英語の翻訳や講師をしています。でも、ただの英語講師ではありません。その名も、"英語アレルギー克服アドバイザー"。いったい、どのような仕事をしているのでしょうか?

タナカさん

タナカミカ(Mika Tanaka)/英語アレルギー克服アドバイザー
1988年青森県八戸市生まれ。幼いころより英語学習をはじめる。早稲田大学国際教養学部在学中に渡米し、ペンシルバニア州ラファイエット大学で教育学や哲学などを1年間学ぶ。
卒業後はスタートアップ企業に就職。25歳で出産して復職するも、子育てとの両立のために退職。現在は入門者や初心者を対象に、英語への苦手意識を払拭する英語アレルギー克服アドバイザーとして活躍中。

ブログ:http://pla-pi.com/
Facebook:http://facebook.com/mikatanaka217

自宅にいながらオンラインで英語講座を開講


‐"英語アレルギー克服アドバイザー"とは、ユニークな肩書きですね。

タナカさん(以下敬称略):日本では、英語が話せると"神扱い"ですよね。実はそんなに難しいことじゃないのに、最初から拒否反応を持つのは本当にもったいない。でも色々な人に英語を教えるうちに、苦手意識を持つ人が共通してぶつかる壁があることに気づきました。それを克服して新しい世界への第一歩を踏み出すお手伝いをしたいという気持ちが、この肩書きには込められています。

‐オンライン英語講座が好評とうかがっています。

タナカ:最初は対面でのマンツーマンレッスンだったのですが、レンタルスペースは高額で、カフェだと周囲の視線が気になります。それに、生徒さんが複数いたほうが刺激し合って早く上達できると思うようになりました。これらの問題をすべて解決できるのが、オンラインだったんです。生徒さんの数は、ライティング講座は4人前後、リーディング講座は10人前後です。

‐よくあるネイティブの方とのオンライン英会話とはどう違いますか?

タナカ:英語アレルギーの人にとって、オンラインでネイティブと話すのはハードルが高すぎますよね。私は発音や表現力はネイティブにかないませんが、日本人がつまずきやすいポイントを熟知しています。そのポイントをひとつずつ解決し、英語への抵抗感をなくすことを目的にしています。

‐どんな内容なのか興味があります!

タナカ:たとえば「オンラインベーシックライティング」は全10回、約3ヵ月間です。英語は続けないと身につかないけれど、長すぎても飽きてしまう。このくらいの期間がベストなんです。開講期間中は英語の豆知識やクイズなどをメルマガで毎日配信したり、授業のたびに宿題を出したりと、とにかく継続的に楽しく英語に触れてもらうように心がけています。
プログラムは完全オリジナルで、すべて中学レベル。生徒さんからは「こんなに簡単に英文が書けるなんて!」という感想が多数寄せられ、英語アレルギー克服アドバイザー冥利に尽きます!

‐オンラインならではのエピソードはありますか?

タナカ:夜のクラスなので、パジャマ姿ですっぴんの生徒さんもいますね。リラックスして勉強できるのは、大きなメリットだと思います。

オンライン講座

‐対面での講座は行っていますか?

タナカ:小売店やサービス業を対象に、「英語接客研修」を行っています。訪日外国人の増加に対応して立ち上げました。クライアントに合わせた接客マニュアルを作成し、店舗まで出向いて従業員に研修をしています。たとえば「在庫を確認してきます」「ここで食券を購入してください」などのフレーズがスムーズに言えるだけで、お店の印象が良くなりますよね。あとはセブ島の語学学校と提携し、留学先を紹介するサービスも行っています。
外出もありますが、講座の準備や事務作業などは自宅で行うので、仕事の7割くらいはリモートです。

接客研修の様子1

‐多方面で活躍されていますね! 仕事で大切にしているのはどんなことですか?

タナカ:人とのつながりです。接客英語もセブ島の語学学校との提携も、実は異業種交流会で知り合った方からいただいたお話です。「仕事につながりそうか」という損得勘定で相手を選ぶのではなく、私に少しでも興味を持ってくださった方には最大級の敬意を払って接するようにしています。

‐今の働き方にデメリットはありますか?

タナカ:今はブログや口コミで集客ができていますが、仕事が途絶えるかもしれないという不安はありますね。そんな気持ちもあり、近所のキッズカフェに親子向け英語教室を提案したら、さっそく実現しました。乳幼児に教えるのは初めてでしたが、英語で歌って踊ってと、普段とはまったく違う楽しさがありましたね。気負わず少しずつ、英語の楽しさを伝えていきたいと思います。

娘は0歳、労働時間は15時間!


ずっと英語を教える仕事をしていたのですか?

タナカ:教える機会は何度もありましたが、本業にしてからは2年目です。以前は、創業間もない企業で5年ほど働いていました。業務の幅は広く、海外とのやりとりから雑務までさまざま。目が回るほど忙しかったですが、仕事は本当に楽しく充実していました。そんな中、24歳のときに思いがけず妊娠したんです。

‐仕事が波に乗ってきた時期ではないでしょうか。不安はありませんでしたか?

タナカ:もちろんありました。母親になるのは憧れだったけど、仕事だってずっと続けたい。会社の近くにマンションを購入したりと、少しでも両立しやすくする準備を始めました。でも、つわりがひどいときの仕事はきつかったですね。人によっては妊娠初期にある特定の食べ物が無性に食べたくなるのですが、私はミカンが手放せなくて。会社のゴミ箱をミカンの皮だらけにしながら働いていました。

‐出産後も仕事は忙しかったですか?

タナカ:入院中から看護師さんの目を盗んで仕事の電話をかけ、娘が1ヶ月半のときに復帰しました。夜泣きで何度も起こされて満足に眠れないし、胸が母乳でパンパンに張って仕事中に痛むような状態です。そんな体調でも、おかまいなしに勤務時間は連日15時間。しかも夫の協力が思うように得られず、毎日フラフラでした。

‐それは大変ですね......。お子さんはどこに預けていたのですか?

タナカ:会社から許可が出たので子連れ出勤をしていましたが、一部から「公私混同」「プロ意識が足りない」などの声が上がるようになってしまいました。25歳でそれなりの役職についていたので、やっかみもあったと思います。次第に連れて行きづらくなり、ベビーシッターや認可外保育所を利用するようになりました。
でも勤務時間が長く、ときにはベビーシッター代だけで月30万円を超えてしまうことも。なによりも、娘との時間がほとんどとれませんでした。だんだん「何のために働いているんだろう?」と思うようになり、ある日糸がプツッと......。復帰後、約1年で退職しました。

‐次の仕事については何か考えていたのですか?

タナカ:いいえ、まったく。辞めてから1ヵ月は、やりきった感、開放感、喪失感が入り混じった複雑な気持ちでひたすらぼーっと過ごしました。でも働くことが好きなので、心身が充電されてくると早く仕事をしたくなるんですよね。
そんなとき友人から、英語を教えてほしいという依頼が入るようになったんです。そのうちに友人の紹介で生徒さんがどんどん増え、15人前後にまでなりました。講師業でやっていけると手ごたえを感じましたし、なにより楽しい。「これを本業にしよう」と決めました。

仕事風景

食事を作る、子どもと遊ぶ......。当たり前のことができる幸せ


‐超多忙な会社員からリモートで働くようになり、生活はどう変わりましたか?

タナカ:とにかく、心身共にゆとりがあります。会社員時代は髪を洗う余力すらなく、2~3日に一度でした。今は、毎日シャンプーができる幸せをかみしめています!
あとは、家事がきちんとできるようになりましたね。以前はまったく手が回らず、帰宅して右手でスーパーのお惣菜を食べながら左手で娘を支えて授乳するような生活でしたから。娘に手作りのごはんをあげられるのが嬉しいです。

‐2歳の娘さんとの時間も楽しんでいそうですね。

タナカ:実は私、子育てを大変だと思ったことがほとんどないんです。お母さんがイライラしてしまうのは、長い時間子どもにしっかりと向き合っているからこそ。私は復職してから退職するまでの約1年間、シッターさんや保育士さんに任せきりで、かかわれた時間は本当にわずかでした。子育てができない寂しさをいやというほど経験しているから、ワガママに手を焼くことはあっても一緒にいられるだけで幸せです。

‐ご主人との関係に変化はありましたか?

タナカ:普通の会話が成り立つようになりましたね(笑)。時間と心に余裕ができたからだと思います。以前は「○時に帰る」などの"業務連絡"のみでしたから。以前は家事や育児の分担について話し合う気力すらなく、どんどん不満をため込んでいました。
とはいえ今でも理想には程遠いので、もっと家のことにかかわってもらえるとありがたいのですが......。

地球の裏側でも、好きな仕事をしていたい


‐今後の目標を教えてください。

タナカ:目標は2つあります。1つは海外出張をすること。今年の秋に留学希望者をセブ島に引率する予定なので、もうすぐ達成できそうです。出張中も、オンライン講座やメルマガ配信などはリモートでやるつもりです。

‐気になるもう1つは何でしょうか?

タナカ:地元、青森県への移住です。実母の助けを借りながら、のびのびとした環境で娘を育てたいという気持ちがあります。好きな場所で暮らしながら働けるのは、リモートワーカーの特権ですよね。英語接客などのニーズは少ないかもしれませんが、地元に合わせたサービスを考えればいいし、場合によっては英語じゃなくてもいい。もっと言えば、勤めに出るという選択もありだと思います。

‐とても柔軟な考えをお持ちですね。

タナカ:リモートワークを始めてから、仕事への考え方が変わりました。仕事に人生を合わせるのではなく、人生に仕事を合わせる。ハードワーカーとリモートワーカーを両方経験して、人生を豊かにするヒントがたくさん得られました。ゆくゆくは青森も飛び出して、海外でも暮らせたらいいなと思っています。住みたい場所でやりたい仕事ができたら、こんないいことはないですよね。
でも、問題なのは夫。東京で仕事を続けたいと言っているので、もしかしたらリモートファミリーになるかもしれません!

‐リモートファミリー! リモートワークの究極スタイルでしょうか。
前職はかなりハードだったものの、やりがいを感じて全力で臨んでいたことがひしひしと伝わってきました。それを辞めざるを得なかった悔しさは、相当なものだったはずです。しかしそんな経験を乗り越え成長の糧にし、しっかりと将来を見据える姿が印象的でした。タナカさんのポジティブさと英語力があれば、世界中どこでも仕事ができると思います。今後の活躍を応援しています!

 
この記事の著者:平田 志帆(Shiho Hirata)
コールセンター勤務や専業主婦を経て、33歳のときに医療系メーカーの専属ライターに転職。産休・育休を経て復職するも、家庭の事情により両立が困難になりフリーに。現在は仕事と育児をほどよく楽しんでいる。この経験からワークライフバランスや女性の働き方に関心を持ち、それをメインテーマに活動中。


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