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民進党新体制など

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石破茂です。

先週末から今週末にかけて、休日が多かったせいもあって全国各地や地元に往復が続く日々が続きました。新しい出会いや気づきの点も多くあり、とても有意義な日々ではありましたが、移動距離に比例して疲れも溜まってしまい、思考もいつにもまして散漫気味になっておりますので、週末は披露宴出席などの私的な日程を除いて少し纏まった時間を頂き、態勢を整えたいと思います。

25日日曜日には「時事放談」に出演致します(蓮舫民進党代表との対談・TBS系列・午前6時・収録)。国会での質疑を除いて、蓮舫女史との対談は初めてです。どのような展開となるのか予想もつきませんが、内容のあるやり取りとなることを期待しています。

野田佳彦元総理の幹事長就任について様々なご見解を頂いております。概して否定的なご意見が多いように見受けられますが、私は民進党の中では野田氏は極めて真っ当な保守政治家であると認識しています。

私が小泉内閣で防衛庁長官在任中、新年恒例の陸上自衛隊習志野駐屯地第一空挺団の「初降下」(パラシュート降下)行事に臨席したのですが、当時落選中であった野田氏がたった一人で出席していたことに深い感銘を受けました。

いかに自身の選挙区である船橋市にその多くが所在の部隊とはいえ、議席が無い立場で出席するのは随分と複雑な感情があったことだと思いました。その時以来、制服自衛官を父君に持つが故の、自衛官やそれを支えるご家族に対する深い愛情に基づく現実的な安全保障論を彼と戦わせることが出来る日が来ることを期待していました。

それだけに、野田内閣の防衛大臣に、全くの門外漢である一川保夫氏、続いて田中直紀氏が就任した時には心底驚愕したものです。当然のこととして両氏とも中途で更迭されましたが、野田氏の人を見る目に大きな疑問を持ったことでした。4年の雌伏の時を経た野田氏の手腕に敢えて期待したいと思います。

民進党はその成り立ちから言って二大政党の一翼を担い得ないのかも知れませんし、小選挙区制度がその理想とした「政権交代可能な二大政党の実現」「地域の利益ではなく、国家の利益を語る国会議員を作る」ことからは未だに遠いのが現状であることは否定しえない事実です。

しかしあの鳩山政権誕生が示すように、野党(当時の民主党)が素晴らしいからというよりも、自民党の立ち居振る舞いが国民の感情と乖離した時、これからも「政権交代」が実際に起こらないとは断言出来ないのです。

民進党がそのままでは蘇生し得ないのなら、主義信条や政策で分裂して政界再編の端緒を作った方が国のためなのかも知れませんが、他党のことにこれ以上言及する前に、自民党の一員としてより一層の研鑚に努めたいと思っております。

政府が「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を設置し、経団連の今井名誉会長など6人の方々が構成員となることが発表されました。そのこと自体を否定はしませんが、前回も記しましたようにこれは日本国の在り方そのものに関わる国家の最重要課題です。

この問題について我々国会議員、就中自民党議員として、有識者会議の意見の取り纏めを待つのではなく、徹底的に議論し、見解を明らかにすべきものです。

陛下のご地位は「主権の存する日本国民の総意に基づく」(日本国憲法第1条)となっていますが、国民投票に付すべき性格のものではないと考えられる以上、「全国民を代表する選挙された議員」(同第43条)がこれに解を示す責任を有しているものと考えます。

陛下が述べられたお気持ちに沿うべきであることは論を俟ちません。しかし、大日本帝国憲法ならびに日本国憲法の制定時、幾多の議論の結果としてご生前のご退位(譲位)は否定されていたという事実をどのように考えるべきなのか。「国政の総攬(総覧ではなく)者」として位置づけられていた旧憲法下の天皇陛下と、「日本国民統合の象徴」として位置づけられている現行憲法の下での陛下のお立場は全く異なるのではないか。

たとえ「天皇機関説」に立つとしても、建前として権力を一手に掌握されていたお立場と「権威」としてそのご存在がある今のお立場の相違を考えるとき、「権力の代行者」としての摂政はあり得ても、「権威の代行者」という概念はそもそもあり得るのか。

されば「日本国憲法に定められた国事行為のみを為して頂けばよい」という、一種極論的に突き詰めた考え方は妥当なのか...等々、誠に申し訳ありませんが迂闊にも今まで私が考えてこなかった難問に直面して、呻吟しているのが現状です。]

陛下はすべてをご承知の上でお気持ちを述べられました。その中に政治的なご意図は全くないものと畏れながら拝察しております。保守政党たる自民党は最優先でこれに取り組むべきです。

週末はこの問題についてもよく考えたいと思っています。

日本銀行が金融政策決定会合で長短期金利を誘導目標とする新しい金融緩和の枠組みの導入を決定しました。確かに世界でも稀な政策ですが、企業と金融機関の双方の思惑をバランスさせた厳しい選択であったように思います。

2%の物価上昇の達成、名目3%・実質2%の成長、そしてその後に展開する経済とは何か、日銀のメッセージをどのように我々政治が受け止め、官民多くが共にする多くの既得権益を打破して構造改革に取り組むのか、まさしく正念場が来ているように感じます。

「まんがでわかる田中角栄の人を動かす力」と題する本(画・葉月 編著・別冊宝島編集部 宝島社刊)が発売されています。田中先生の人間像を表現するのにこのような方法もあるのかと思わされました。巻末に「角栄のリーダーシップ」と題する元AKB総監督の高橋みなみさんと私との対談が収録されています。ご紹介まで。

都心は肌寒いような天候となっています。皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

(2016年9月23日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)