BLOG

オーバーランドという選択肢――バックパッカーでもツアーでもない第三の旅のカタチ

2014年05月07日 19時27分 JST | 更新 2014年07月07日 18時12分 JST

日本ではまだ「オーバーランド」と聞いてピンとくる人はあまりいないと思います。「オーバーランド」とは、オーバーランドトラック(荷台を座席に改造したトラック)に乗って、陸路(オーバーランド)で旅をするというものです。トラックは通常20~30人乗りで、たき火による料理とテント泊のキャンプ生活が中心となります。

まだまだ日本ではメジャーではありませんが、ヨーロッパにはいくつも会社があり、アフリカや南米、中東をはじめヨーロッパや東アジアでもトラックが走っています。私は現在、イギリスのオアシス社のオーバーランドトラックでアフリカを一周しています。私たちのトラックでは、ドライバーとクルーの2名がオアシス社の所属で、私を含めて23人が参加者として乗車しています。旅の詳しい様子についてはブログ「アフリカさるく紀行」をご覧ください。

2014-05-07-ima02.JPG

サハラ砂漠にてー黄色の大型トラックが私の家です

今回はこれまで6ヶ月の旅を通して感じたオーバーランドの魅力と考慮点を紹介したいと思います。

オーバーランドの魅力

1. バックパッカーとして旅をするのが困難な地域まで訪れられる

世界中には個人でビザを取得するのが困難な国も多々あります。渡航国の連絡先や責任者、そして数十ページにも及ぶ書類の提出を求められる国もあります。しかしながら、オーバーランドの旅では、クルーたちは会社のコネや自身の交渉力を用いて全面的にビザ取得へ協力してくれます。また、普通だと何度もバスやタクシーを乗り換えていかなければならないような「名所」でも、オーバーランドトラックなら容易に訪れることができます。

2014-05-07-ima01.JPG

ギニアにてートラックごと川を渡る

2. 比較的安く旅行ができる

旅行代金は9ヶ月のアフリカ1周で100万円程度です。決して格安とは言えませんが、食事代と宿泊費(テント泊)も含まれて、この値段となると、ツアーはもちろんバックパッカーよりも安く旅ができると思います。

3. 現地の人々との交流ができる

先にも述べましたが、都市から都市へと移動する従来の旅とは異なり、小さな村や森の中にも滞在します。そのため、ときには村で大歓迎をしてもらったり、自分たちで作った料理を村の人に食べてもらったり、また思わぬお土産を頂いたりすることもあります。

4. 個人をリスペクトしてくれる環境

私たちのトラックではイギリス人が6割、オーストラリア人が2割、あとはドイツ、カナダ、スイス、そして日本人(私)の参加者がそれぞれ1名ずついます。クルーも参加者も個々の旅の愉しみ方を尊重してくれます。しばらくトラックを離れたかったら自己責任の下で違うルートで旅をして再びトラックに戻ることもできます。自分なりの愉しみ方をみつけるのがトラック生活をエンジョイする最重要ポイントのようにも思います。

5. 英会話力の向上

トラックの公用語はもちろん英語です。それも学校では教わらないようなスラングや言い回しが飛び交います。最初は面食らってしまいますが、スラングがわからないのは英語圏外参加者もみな同じです。質問したら8割は英語母語話者なので、あーでもない、こーでもないとみんなで説明してくれます。私自身この旅を通して、実践的な英会話力がかなり向上したように感じます。

2014-05-07-ima03.jpg

ナミビアにてー南回帰線を北上中

オーバーランドの考慮点

1. ひとつの場所に長期滞在ができない

都市滞在型の旅とは異なり、ノマド(遊牧民)のように常に移動するのがオーバーランド。ビザの発行待ち以外のときは一カ所に長期滞在することはあまりありません。そのため、私たちは駆け足でしか旅することが出来ず、現地に住む人々の暮らしについてどれほど理解できているかはいつも胸に手を当てて考えなければなりません。その国を、その場所を「通った」だけでは何も得たことになりません。のっぴきならない日常を生きる人々の生活に踏み込ませてもらっている感謝と申し訳なさを忘れては、よい旅ができないと思います。オーバーランダーはそのことをなおさら心する必要があると思います(自戒をこめて··)。

2. トラック以外の旅人とあまり出会わない

良くも悪くも四六時中参加者たちと共同生活をすることになります。宿泊もキャンプ中心なので、ユースホステルに滞在しているバックパッカーの方に会う機会もなかなかありません。あまり他の旅人と出会いがない反面、参加者との中は深まります。カップルができることも多々あり、3組ほどのカップルがいます。

2014-05-07-ima04.JPG

ナミビアの草原にてーテントを貼ってキャンプ

3. ある程度の体力が必要

一週間シャワーを浴びれない(川で水浴びできない)こともあるオーバーランド生活。蚊だらけの薮でキャンプしたり、スコールでテントが浸水したり··。体力というよりは、虫に刺されても、泥だらけになっても気にせず眠れる、という気にしない力が必要だと思います。とくに西アフリカから中部アフリカにかけては、過酷な環境でした。ですが、環境は場所によって異なり南部アフリカの旅は比較的容易にできます。体力的に不安という方はオーバーランド会社と相談して旅する地域を決めてもいいかもしれません。

さて、ここまでオーバーランドの長短について書いてきましたが、少しはオーバーランドとはなにか、がイメージしていただけたでしょうか。まだまだマイナーなオーバーランドの旅ですが、新たな選択肢としてオーバーランドを選ぶ日本人が増えたら、と思います。参加者との価値観、現地の人々との価値観を学び、成長できる旅をしたい方、ぜひオススメです!

13 Great Adventures

Kruger's Locals