元々の計画では初期投資に84億円、毎年の運用経費が15億円というはずだった。しかし、初期投資の予算から各府省のシステム移行経費42億円が漏れていたりして、結果的には143億円の初期投資と27億円のランニングコストがかかっている。
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人事給与関係業務情報システムというものがある。

人事院が管理する省庁の人事、給与、共済、統計などの業務のためのシステムだ。

もともとは分散型システムのはずだったのが、途中で方向転換して、集中型システムになった。

11府省が利用し(府省と言っても宮内庁、衆議院、会計検査院、公正取引委員会なども使っている)、平成28年度末までには最高裁判所や参議院を含め、すべての省庁が利用することになっている。

元々の計画では初期投資に84億円、毎年の運用経費が15億円というはずだった。

しかし、初期投資の予算から各府省のシステム移行経費42億円が漏れていたりして、結果的には143億円の初期投資と27億円のランニングコストがかかっている。

しかも平成22年度に導入されたシステムなのに、いまだにソフトウェアに大きな問題がある。

例えば、人事の発令に併任がかかっていたり、あるパターンの発令が出ると帳票の印刷がおかしくなる。

あるいは人事発令を入力すると、夜の間にバッチ処理が行われ、朝には人事が反映されているはずなのに処理スピードが遅くて間に合わなかったりということが起きている。

すでに1000件以上の改善要望が出され、利用している役所の不満を聞いて、導入をためらっている役所もあるようだ。

調べると、ソフトウェアは沖電気と富士通のJVが落札し、ハードウェアは第1期が沖電気の1社入札、第2期は富士通の1社入札だという。

無駄遣い撲滅プロジェクトチームでは、1社入札になった経緯などを調べると同時に、人事院に第三者の専門家による外部チェックを要請した。

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