元U-19サッカー日本代表 木暮郁哉に学ぶ「新・限界説」

「ヒントって意外と自分の周りに転がっていると思うんですが、普段から考えるクセをつけてないと、ただただ見過ごしちゃうんですよね」
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先日、我々の会社で、シンガポールにて、元U-19サッカー日本代表であり、今季はシンガポールリーグでプレーしていた木暮郁哉(こぐれふみや)選手にインタビューする機会があった。木暮選手は高校卒業後にすぐにJリーグのアルビレックス新潟に入団し、ルーキーながらにすぐスタメン定着というシンデレラストーリーを地で行っていた。

ところが怪我をきっかけに、出場機会を失い、J2のクラブへレンタル移籍、その後はJFL(J1から数えて4部相当)のクラブにも移籍をして、最終的には活躍の場を求めて海を渡り、シンガポールにやってきたという経緯を持つ。

強いハングリー精神を持ってやってきたシンガポールでは、1年目にはリーグMVPを獲得し、翌年には希望していたクラブへ移籍することを勝ち取った。そんな木暮選手が私に語ってくれた話の中で非常に感銘を受けたトピックがある。

「プロサッカー選手って、サッカーばかりやっていて、それでチヤホヤされていることが多く、あまり居心地の悪い世界、自分の知らない種類の人がいるような場所に行こうとしないんですよね。自分もそうだったのですが、シンガポールに来たら、同じ日本人という共通点があるだけに、いろんなバックグラウンドの人たちと知り合うことができて、色んなコミュニティに顔出すことになりました。それが人間の幅を広げてると思うんです。」

これは、サッカー選手に限らず、一般のビジネスパーソンや学生などにも当てはまる話だと思っている。

巷でも知られている「限界説」という言葉がある。

興味関心の限界は、知識・情報量の限界。

情報の限界は、思考の限界。

思考の限界は、行動の限界。

行動の限界は、成果の限界。

我々は、学生向けの海外研修プログラムを運営しているが、上記のメッセージは研修生にもよく伝えている話だ。

また、当社のキャッチコピーとして「Passion makes the world go around(情熱が世界を動かす!)」を社是としており、情熱を持って周囲を巻き込み、成果を出すことの大切さを説いてきた。

そこで木暮選手に、「どうやって情熱を持つことってできるのか?」についても聞いてみた。

「とにかく行動することじゃないですかね。何ごとにも好奇心を持ち、疑問に思ったことなどについてアクションをしてみる。それをたくさん繰り返していると自分が情熱を注げるものに出会えると思うんです。そうすると成功する確率ってあがるんじゃないですかね。」

なるほど、上述の限界説の中の、「行動」と「成果」の間には、「情熱」というターボエンジンがあるということだ。そのエンジンに出くわすまでは、とにかく行動することが大事だという。確かにその通りかと思う。

木暮選手は続けた。ヒントって意外と自分の周りに転がっていると思うんですが、普段から考えるクセをつけてないと、ただただ見過ごしちゃうんですよね。

とは言え、どうやって「最初の一歩」という初めの行動に踏み出すか。ここには一定のハードルがあると感じています。

手前味噌ながら、それが私達がやっている「ミッション型」の研修なのかもしれない。やらざるを得ない、自発的に行動せざるを得ない環境を作り出し、やってみたら意外と成果が出ちゃった、みたいな成功体験を得て、また次の行動へつなげていくスパイラルをどう作るか。木暮選手にはこのプログラムの趣旨に共感してもらっていて、アンバサダーになってもらっている。

木暮選手との対談をきっかけに、自分のなかで腑に落ちる「新・限界説」が作れたと感じている。

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