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千夏綱紀 Headshot

ウィーンの街に突如現れた謎の物体とは

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先日春一番が吹いたようですね。私のいるウィーンもやっと少し暖かくなってきました。オーストリアでは春一番とは言わないのかもしれませんが、春らしい風が強くなり、温度も15度くらいまであがりました。

しかし、先月はものすごく寒かった!一部ヨーロッパに寒波が襲ったのです。実際、東京育ちの私は天気予報を見て最初目を疑いましたね。最高気温がマイナスの日が続いていたのですから。

地球温暖化の副効果なのかわかりませんが、とにかくオーストリアは30年ぶりの寒さだったそうです

1月の全国平均気温はなんとマイナス6.1度。ドナウ川が凍りつき、その上を歩く人もいたとか。ちなみに私のヒートテックも毎日のように活躍しました。

さて、東京の正月を終えてウィーンに戻った時のことですが、そこで突如謎の物体に出くわしました。それもかなりの数です。

これはだいたい2メートル弱の棒で、色はほとんどが赤と白です。先端は尖っています。

しばらくの間は、想像力も働かず、なんか変なものがあるなくらいの感想でした。しかし、その後知り合いのイギリス人のWhatsUpの写真投稿をみてやっと正体を知ったのでした。

「では、ここで問題です。今冬ウィーンの街中どこに行っても見かけたこの棒。いったい何のためにあるのでしょうか?」

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雪化粧のシュテファン大聖堂

Photo by Tsunanori Chinatsu Creative Commons License
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クイズ番組ではないので、答えを言いますと、これは注意標識です。知っている人にとっては、なんでもないかもしれませんが、ドイツ語では、Dachlawineと言います。

つまり、雪が屋根から落ちてくる雪崩に注意してくださいという標識なのです。「上級」の棒にもなると、棒の隣に車の標識のようなものが立てかけれて、きちんと注意勧告がなされています。

実際この棒をよく観察すると、棒にもそう書いてありました。

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棒が乱立する通り

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文字標識もある「上級」の棒

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なるほどなと思いましたね。ウィーン市街は3、4階立ての巨大なブロック建築が連なっています。そのため、狭い通りを歩くと、建物に左右を囲まれ、空は長方形にしか見えません。

建物も実際よりも高く感じられ、見上げるような形になります。ですから、屋根の雪が崩れると、雪の塊が空高くから直角に落ちてくるような感覚になるのです。

ウィーンでは今年何度か積雪を記録し、この棒の出番となったわけです。特に危険なのは積雪後、数日間の昼下がり。日中温度が上がり、「雪崩」が起こる可能性が高くなります。

紅白の棒は、赤、白、赤というオーストリアの国旗を思い出させる色使い。多いところでは数メートルおきに何本も立てかけられて、少しおかしな風景を作り出します。

そんなのに偶然当たるわけないでしょ!と思っていた矢先ズトンと直撃しました。最初は誰かが雪解けの仕事でもしていたんだろうと思って文句を言おうと思ったのですが、見上げても見えるのは青空だけでした。

実際、市内の歩道は建物から1mもないほど狭く、ヒットする確率も意外に高いのかもしれません。

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コートに残った小さな雪の塊(すでにかなり溶けている)

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では最後に、簡単な予防方法を紹介しましょう。

  1. 棒のある当たりには近づかない
  2. 歩道では建物から離れて歩く
  3. 雪のないところに突然雪の固まりがあれば避ける
  4. 車がいなければ車道を歩く
  5. 冬にはウィーンに行かない

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棒がなくてもこういう残雪には頭上注意!

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よく観察すると、棒と言っても多種多様です。ウィーンにお寄りの際は、一つお土産にどうでしょうか?

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十字架つきお洒落な棒や、青の棒もあった

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