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インドネシア初! ブラックタイガー(エビ)の「ASC認証」が誕生

2017年09月17日 12時41分 JST | 更新 2017年09月17日 12時41分 JST
Tatomm via Getty Images
2017年8月18日、インドネシアで初となるブラックタイガー(エビ)のASC(水産養殖管理協議会)認証が誕生しました。ASC認証は、自然環境、労働環境や地域社会に配慮した養殖業だけが取得できる国際的な認証制度。WWFは、ランドスケープ(景観)の保全を目的として推進する「北カリマンタン 海と森の保全プロジェクト」の海を守る活動として、ASC認証取得を目指しブラックタイガー(エビ)の養殖業改善プロジェクトに取り組んできました。

ボルネオ島の自然環境の保全に向けて

豊かな生態系を育み、ボルネオゾウやテングザルをはじめ、多様な野生生物が生息するボルネオ島・北カリマンタン。

しかし、この北カリマンタンでは、エビの養殖池やパーム油を生産するためのアブラヤシ農園などの無計画な開発の拡大により、マングローブ(ヒルギ科の樹種の森)や熱帯林が大規模に破壊され、野生生物の生存が危ぶまれてきました。

その産品であるエビやパーム油は、主要な消費国である日本にも多く輸入され、使われています。

そこでWWFジャパンは、日本とも深いかかわりを持つこの地域の、森と海の双方を含めたランドスケープ(景観)の保全を目的とした、「北カリマンタン 海と森の保全プロジェクト」を推進。

その一環として、現地の海でのエビ(ブラックタイガー)の養殖が、「ASC認証」を取得するよう支援する、養殖業改善プロジェクト(AIP: Aquaculture Improvement Project)を、現在実施しています。

「ASC認証」はその地域の自然環境や社会、労働環境などに配慮した養殖に与えられる、国際的な認証。

その取得をめざす今回のプロジェクトは、現地のエビ加工会社であるPT. Mustika Minanusa Aurora(PT. MMA)社、およびPT. MMA社の最大の取引先(供給先)である株式会社ニチレイフレッシュと共に、持続可能なブラックタイガーの生産を実現するための取り組みでもあります。

フィールドとなるエビの養殖池が広がる北カリマンタン沿岸部は、マングローブや泥炭湿地からなる独自の生態系もつ生物多様性が豊かな場所。

ここは、絶滅が危惧されるテングザルやコツメカワウソなどの哺乳類、コハゲコウをはじめとする鳥類といった絶滅危機種の生息地でもあります。

そして、エビ養殖でASC認証を取得する際の基準には、養殖池の開発によって伐採されたマングローブの再生や、定期的な水質調査が要件に含まれているほか、養殖池に時折姿を見せる、野生生物への配慮も求めています。

つまり、持続可能な養殖業の証であるASC認証の取得は、この場所の貴重な自然環境や野生生物を保全する手立てとなるのです。

実現したASC認証の取得! 持続可能な生産拡大に向けた大きな一歩

養殖業改善プロジェクトでは、地域の小規模養殖業者たちがASC認証の基準にそった持続可能な養殖が行なえるように、マングローブ再生のサポートや労働者たちへの水質調査等のトレーニング、労働環境の整備や地域社会とのコミュニケーションの促進を実施。

厳しい基準をクリアできる下地を整え、2017年3月に認証審査を受け、5カ月にわたる評価と手続きが行なわれました。

そして、2017年8月18日、ブラックタイガーの養殖としてはインドネシア初となるASC認証を、PT. MMA社が取得しました。

ブラックタイガーは、日本にも非常に多く輸出されていることから、生産地であるインドネシアの関係者と消費地である日本の関係者が、協力して養殖業の改善に取り組み、ASC認証取得を達成したことは、北カリマンタンさらにはインドネシア全体で、エビのASC認証を広げる大きな一歩です。

今回のASC認証取得にあたり、株式会社ニチレイフレッシュ代表取締役社長の金子義史氏は、次のように述べています。「弊社が2006年からインドネシアのタラカン市や地元パートナー企業のMMA社と共に取り組んできた活動を通じ、ブラックタイガーでASC認証を取得できたことは大変光栄な事です。WWFインドネシアやWWFジャパン様のお力添えをいただき、新たなステップへ進むことが出来ました。今後も、北カリマンタンの豊かな生態系や持続可能な水産物の保全について取り組んでまいります」

また、WWFジャパン、事務局長の筒井隆司は、「今回のASC認証取得は、サプライチェーンのパートナーの協働によりもたらされた非常に意義のあるのです。ボルネオ島の豊かな自然環境を守る上でも大きな一歩となりました。今後も、(株)ニチレイフレッシュをはじめとする日本の水産関係者やインドネシアオフィスと協力しながら、持続可能な水産物の推進を通じて、現地の自然環境、野生生物の保全に向けて取り組んでいきます」と述べています。

さらに、WWFインドネシア、現地プロジェクト担当のモハマッド・ブディ・サントサも、「今回のASC認証取得は、養殖業者、養殖池で働く労働者、PT. MMA社、そしてバイヤーである(株)ニチレイフレッシュの協働により実現し、サプライチェーンの関係者の連携を示した素晴らしい事例となりました。さらに、小規模養殖業でもASC認証を目指し、養殖業の改善を行なえることを証明しました」と述べています

WWFは引き続き、「北カリマンタン 海と森の保全プロジェクト」を推進し、インドネシアの自然環境と野生生物の保全に取り組んでいきます。

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