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日銀の金融緩和、マネタリーベースは数字のマジックか?

2013年05月02日 19時45分 JST | 更新 2013年09月22日 17時38分 JST
足成

日銀が2日に発表した2013年4月のマネタリーベースが、149兆5975億円と過去最高となった。マネタリーベースは市中に出回る現金と、日銀の当座預金残高の合計を示す。

アベノミクスを受けて、日銀は4月4日に、2年間で前年比+2%の消費者物価上昇を目指す量的・質的緩和の実施を宣言。政策目標を、マネーの量に切り替え、マネタリーベースを2年間で倍増させるとしており、今回の発表では、前月末に比べ6.3%(9兆2393億円)増えている。

しかし、ここで注意しなくてはいけないのは、市中に出回る現金が増えたのか、それとも、日銀の当座預金の残高が増えたのかと言う点である。

世の中に出回るお金が増えるということは、「お金がたくさんあるのだから、使おう」という消費者マインドが働くが、日銀の当座預金残高が増えるというのは、日銀が銀行から国債を買い取り、その分を各銀行が日銀に開いている口座に入れておくというもの。口座に入れているお金を各銀行が引き出して、企業への貸し出しにまわせば市場が活性化するが、日銀が国債を高い金額で買ってくれるので、わざわざ貸出資金の焦げ付きというリスクをとって貸し出すより、国債を買うほうが銀行にとっては都合が良い。

今回の日銀発表データの内訳を見てみると、当座預金残高ばかりが増えて、市中のお金はほとんど増えていないということが分かる。また、日銀が国債を買うことで金利が上昇し、住宅ローン金利も上がった。時事通信によると、

「大手行によると、日銀の新量的緩和など政策が金融市場に与える影響が不透明で、日銀の思惑に反して、一段の金利上昇があり得るとの見方も根強い。」

時事通信 2013/04/30-19:37)

とも報じられている。

金利があがるのが分かっているとお金は借りにくい。これではなかなか財布の紐は緩まない。

お金を貸し出しに回すためには、やはり第3の矢である経済成長がしっかり行われなくてはいけない。マネタリーベースが増えたからといって、手放しに喜ぶのは時期尚早と言えよう。