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ビッグデータの監視に第三者機関、監視の範囲をどこまで踏み込むのか

2013年05月20日 00時27分 JST | 更新 2013年05月20日 16時59分 JST
Getty Images
many boxes with historic photographs in the Hulton Archive London

ビッグデータを企業が使う際、個人情報が保護されているかどうかを監視する第三者機関を、総務省が2017年にも作る方針を固めたと朝日新聞が報じている。

 第三者機関は、法律や情報技術の専門家らでつくることを想定している。企業などがビッグデータから得た個人情報を悪用したり、本人の同意を得ずに営業などに使ったりしていないかを監視し、問題があれば是正命令を出す。独立性が高い国家行政組織法3条に基づく「3条委員会」にする方針だ。

朝日新聞デジタル 2013/05/20 07:24)

海外には既に、他社のビッグデータを扱い、分析を行なっている企業が存在している。

エクイファクスという大手信用情報機関では、世界中の企業および消費者に関する8,000億件以上のデータを保有し、そのビッグデータから、新しい分析商品を開発している企業だ。CIOの記事ではエクイファクスの商品について下記のように書いている。

1つの商品では、開発者は、個人のクレジット・スコアと公共料金の支払い実績を組み合わせた銀行向けのモデルを構築している。このモデルにより、銀行が、顧客のクレジットカード支払いの滞納の督促に時間をかける価値があるのかどうかが分かるようになる。

(CIO 「すべての消費者は監視下にある(前編)」より。 2012/08/06)

ここで注目すべきなのは、ビッグデータのデータ解析をされることによって、リアルな人物像とは違う人物像が作られるのではないかという懸念である。

例えば、佐々木俊尚氏は自身のブログで、見込み外の客を足切するためにビックデータを利用する例として下記のように書いている。

 しかしもうひとりの消費者Dが年収300万円だとすれば、判断はもっと容易だ。「年収300万円の消費者が、1000万円の自動車を買う可能性はほぼゼロに近い」と容易に判断できてしまう。突然親族の遺産が転がり込んできたり、宝くじに当たったり、あるいはもの凄い脱税をしていて表面上の年収を10分の1に見せかけていたり、といった例外的なことでも無い限り、可能性はゼロだ。Dは潜在的顧客にはならない。


 だからDに豪華なカタログを送りつけたり、営業マンに電話をかけさせるのはコストの無駄でしかない。その無駄なコストを使わないための足きり材料としてeスコアを使おう、というのは非常に妥当な判断ということになる。

(佐々木俊尚氏ブログ 「ビッグデータが推し進めるのは監視社会じゃなく「黙殺社会」だ」より。 2012.10.01)

しかし、配偶者が高収入などの例外がある場合も考えられ、ひとつのデータだけでは見えてこない面があるとも佐々木氏は同記事で指摘している。

また、日本国内ではなく、海外で取得されたデータについてはどうなるんだという指摘もある。

この第三者機関はどこまで踏み込んで監視を行うのか。20日に研究会がまとめるとされる報告書案に注目したい。