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事業所内保育施設の助成を大幅に要件緩和、利用者1人でも助成へ=厚生省

2013年06月01日 19時00分 JST | 更新 2013年09月22日 16時56分 JST
Getty Images
Kanagawa Prefecture, Honshu, Japan

事業所内保育施設への助成金について、厚生労働省が支給要件を大幅に緩和すると報じられている。時事通信によると、「1人でも利用する社員がいれば助成対象とする。年度内のなるべく早い時期の実施を目指す。」とのことだ。

現在、問題になっている待機児童の数は、全国では2万4000人とも言われている。なかでも、東京都杉並区は待機児童の数が多く、今年2月には、認可保育園に入園できなかったことを不服として、約70人の母親らが区に異議を申し立てた

杉並区長は、待機児童解消のため、大規模なマンション開発などの際には、事業者に保育園建設を強く働きかける方針を明らかにしている。朝日新聞デジタルによると、同区にある国家公務員宿舎跡地(方南2丁目)の開発の業者入札条件について、保育所を設置することが事業者選定のための条件となるという。民間企業にも待機児童解消のために参加してほしい、そういう思いから出たアイディアだろう。

安倍首相は成長戦略の中に、女性の活用を盛り込み、その政策として「待機児童の解消」を入れた。なかでも、緊急集中取組期間(平成25・26年度)に行う取組みとして、次の5つを上げている。

1.賃貸方式や国有地も活用した保育所整備

2.保育の量拡大を支える保育士確保

3.小規模保育事業など新制度の先取り

4.認可を目指す認可外保育施設への支援

5.事業所内保育施設への支援

(総理官邸ホームページ「女性が輝く日本へ」より)

この、5つ目の「事業所内保育施設への支援」のなかに、助成要件を緩和するということが盛り込まれており、この具体的な内容として、厚生労働省がまとめた「待機児童解消加速化プランの支援パッケージ」のなかで、下記のように説明されている。

[緩和の概要]

・事業所内保育施設設置・運営等支援助成金の「自社労働者の子が半数以上いること」とする現行の助成要件を緩和する。

[緩和の内容]

・事業所内保育施設設置・運営等支援助成金について、事業主等からの強い要望を踏まえ、「自社労働者の子どもが1人以上いること(雇用保険の被保険者の子が半数以上)」に緩和することにより、地域の待機児童受け入れに活用することを容易にする。

(厚生労働省「待機児童解消加速化プランの支援パッケージについて」より。2013年5月10日)

事業内保育施設の設置については、既に国から企業への助成が行われている。保育施設の設置費用だけでなく運用費用についても、保育施設設置から5年目までは、半分(中小企業の場合は3分の2)が補助される。また、助成の条件として中小企業にとっては厳しいと言われいた「自社の従業員が半数は利用しなければならない」という条件は、今回の緩和によって大幅に緩められることになる。

ただし、他の条件についても、まだまだ見直しをする必要があると、東京財団上席研究員の石川和男氏は述べている。

例えば、第一生命保険は、保有物件を活用した保育所誘致に取り組み、同社1社で全国の「認可保育所の待機児童数」の1割、約2500人規模の収容が見込まれる。ただ、これを進めるに当たっては、設備基準(2階以上に設置の場合の避難用屋外階段の設置義務など)が隘路(あいろ)になっているようだ。

(SankeiBiz「【論風】東京財団上席研究員・石川和男 待機児童解消加速化プラン」より。2013/5/9 05:00)

助成金があっても設立や運用が難しいとなると、なかなか企業は腰を上げたがらないとも考えられる。また、石川氏が指摘する、財源の問題も出てくるだろう。

女性の活用と、少子高齢化対策、これからの日本の成長には欠かせない条件であるだけに、子育てを考えるものばかりではなく、企業側も注目する政策になりそうだ。

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