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骨太方針、内容策定はまだまだこれから

2013年06月06日 23時27分 JST | 更新 2013年06月06日 23時44分 JST

政府は6日、経済財政諮問会議を開き、「骨太方針」の素案を公表した。前回の会議では、目次案だけだったものを、肉付けした。

「骨太方針」とは、政府が毎年発表した経済財政に関する基本方針の通称のことで、小泉元首相が分かりやすく呼んだことから定着している。この骨太の方針が、日本国家としての予算編成の基本方針となるため、アベノミクスの異次元な金融政策と、課題となっている財政健全化について、どのようなバランスで予算をまとめるのかという方針になることもあり、注目されている。

2013年度の「骨太方針」は、この素案をもとに14日に閣議決定される。その際に正式名称も決める方針だ。ただし、14日に決定される内容については、方向性のみが示され、具体的な枠組み作りには2~3カ月は必要ともいわれている。

今回素案として発表された「骨太方針」は、長期化したデフレの脱却や経済再生への足掛かりを目指す最初の年として、“日本経済「再生の10年」のシナリオ”が描かれ、「経済再生」と「財政再建の両立」を目指すことが柱となった。

素案のポイントについて、会議後に記者会見した甘利内閣府特命担当大臣は、下記の5つを説明した。

1.デフレからの早期脱却をコミット

2.マクロ経済の目標を明らかにした(名目成長3%程度、実質成長率3%程度など)

3.成長戦略の基本設計を提示。復興、教育再生、行政改革等の公的部門改革などを政策体系として明確化

4.安倍政権の目指す経済社会の在り方を提示

5.財政健全化に取組むことを記した

この素案に関して安倍首相は、今後10年間の平均で、名目GDP成長率3%程度、実質2%程度の成長を実現し、10年後には1人当たり名目国民総所得(GNP)が150万円以上拡大する。アベノミクスの3つの矢が相互に補強しあって最大限の効果を発揮する鍵は、賃金と雇用の増加につながる持続的成長の実現、経済再生と財政再建の好循環に加え、景気回復をしっかりしたものとし、企業の決断や挑戦を促すことにあると述べた。

しかし、今回示されたことは、「方向性」というだけあってざっくりしており、詳細がどうなるのかは、まだ見えない。マクロ経済の目標値についても、国民にはわかりにくいのではないかとする民間議員の声が上がっている。

また、骨太方針の中には、先の成長戦略会議で出された「成長戦略」も盛り込まれる予定だが、既に市場では落胆の動きも見られ、日経平均株価が下落するという状態になっている。

特に甘利大臣が示した骨太方針のポイントの5つ目である、「財政健全化」については、今回は具体的な数値目標が盛り込まれていない。SANKEI EXPRESSが下記のように説明している。

財政の健全ぶりを示す目安である国と地方の基礎的財政収支を対国内総生産(GDP)比の赤字幅で2015年度に10年度から半減、20年度までに黒字化する。その後は債務残高の安定的な引き下げを目指す。裁量的経費、義務的経費は聖域なく見直す。

(SANKEI EXPRESS「「骨太の方針」素案 「聖域なき見直し」 社会保障にメス」 2013/06/07 06:47)

財務省は、日本の財政健全化は「国際的な信認の礎」として譲らない考えであり、さらに、この目標達成には15年度までの消費税率10%への引き上げが前提になると位置づけている。骨太方針に盛り込まれなかった歳費抑制のための具体的な数値目標については、参院選以降の「中期財政計画」で策定するという方針となり、うまく先送りされたという印象も強い。

産経ニュースが報じるところによると、安倍首相は骨太方針の策定が4年ぶりとなったことについて、「3年間は骨なしだった」と皮肉った。としている。(産経ニュース「民主政権下「骨なしだった」 諮問会議で首相皮肉」より。)

5月23日に1万5,942円60銭という年初来最高値をつけた日経平均株価と比べ、7日前引け段階では3千円以上、下がっている。安倍政権の骨太方針がスカスカの状態にならないよう、今後出てくる具体策や数値目標に期待したい。