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自民党 公約と政策集の2枚舌戦略に、手厳しい指摘【動向まとめ】

2013年06月20日 21時46分 JST | 更新 2013年06月20日 23時38分 JST

自民党は20日、参院選公約を発表した。一方、同じく発表された参院選公約のもとになる総合政策集「J-ファイル2013」に、公約には盛り込まれない「原発の地下立地の検討」や「尖閣諸島への公務員の常駐」、「日本国旗損壊を禁止する刑法改正への罰則」などが書かれており、議論を呼んでいる。

公約とJファイル(政策集)、何が違うのか。

安倍首相は、今年、2月28日の衆院予算委員会において、みんなの党の柿沢未途議員とのやり取りで下記のように答えている。

○柿沢委員

自民党の衆議院選挙の公約は、聖域なき関税撤廃を前提とする限り、交渉参加に反対。とすると、今回の日米首脳会談で守れると確認した衆議院選挙における聖域と、今回のTPPに関し守り抜くべき国益というのが、これは一体どのように重なっているんでしょうか。これらを守り抜く、少なくとも決意としてはそういうことだと理解してよろしいでしょうか。お伺いします。


○安倍内閣総理大臣

自由民主党として国民に対してお約束をしたのは、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上、交渉参加には反対する、これがまさに公約であります。そして、それプラスJ―ファイル。J―ファイルは、正確に言いますとこれは公約ではなくて、そこにさまざまな目指すべき政策が書いてあります。

(「2013年2月28日 衆議院予算委員会 議事録」より。)

公約は国民との約束。また、個々の政策を進めていく上で、目指すべき方向が、「Jファイル」に書かれているという位置づけだ。

同様のことを、20日に開かれた参院選公約2013 発表記者会見でも、高市早苗政調会長らが述べている。

公約とJファイル(政策集)の具体的違いを見てみよう。

例えば、原発に関しては、公約では下記のように書いている。

除染から廃炉までの道筋を明らかにし、国がより前面に立って具体的な事業展開を加速化します。

一方、Jファイル(政策集)では次のようにより具体的な内容が書かれている。

放射性廃棄物・使用済燃料等の世界最高水準の日本の技術(減容化・有害期間の短縮等)を中核とした世界中の英知を結集した国際協力体制の構築、大規模避難のリスクがない地下立地の検討等を幅広く行います。

また、日本の領土に関しては、公約では下記のようになっている。

国民の生命・財産、 領土・領海・領空等を守るため、自衛隊・海上保安庁の人員・装備を 強化するとともに、必要な防衛技術・生産基盤を確保します。

これが、Jファイル(政策集)では、

わが国の領土でありながら無人島政策を続ける尖閣諸島について政策を見直し、実効支配を強化します。島を守るための公務員の常駐や周辺漁業環境の整備や支援策を検討し、島及び海域の安定的な維持管理に努めます。

というように一歩踏み込んでいる。

国旗損壊への罰則についても、公約では特に触れていないが、Jファイルでは、

わが国国旗損壊への罰則を規定し、日本国に対して侮辱を加える目的で、国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2 年以下の懲役又は 20 万円以下の罰金に処するものとします。

と書かれている。

これらの違いについてインターネットユーザーからは手厳しい指摘が上がっている。

「尖閣諸島への公務員常駐」は公約にはなく総合政策集に記載。そういえばこれ去年の衆院選前にも言ってた話しだな。言うだけで実行される可能性は中長期的にもほぼ皆無だけど。

— 佐藤 徹 (@satow0209) June 20, 2013

また、政策集といっても具体的に何をやるかが書いていないという指摘もある。

なお、自民党では、衆院選と参院選で「公約」の名前が違う。衆院選においては「政権公約」であり、参院選では「選挙公約」という言葉を使う。これは、衆院選は政権を問う選挙であるため、政権を取った時の公約として「“政権”公約」を作り、3年で改選である参院ではその間できることという意味で「“選挙”公約」という言葉を使っているとのことだ。

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