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『はだしのゲン』を図書館で自由に閲覧できる状態にすべきか、松江市教育委員会が小中学校に"閉架"を要請

2013年08月16日 19時56分 JST | 更新 2013年08月17日 23時49分 JST
時事通信社

『はだしのゲン』を図書館で自由に閲覧できる状態にしておくべきかーー。

松江市教育委員会が、市内の全市立小中学校に対し、中沢啓治さんの被爆体験をもとにしたマンガ『はだしのゲン』を、自由に閲覧できない“閉架図書”にするよう求めていたことが8月16日に分かった。47ニュースによると、「首をはねたり、女性を乱暴したりする場面があること」から、2012年12月に学校側に口頭で要請したという。

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はだしのゲンは、1945年8月6日に広島に投下された原爆で家族をなくした主人公・ゲンの姿を描いたものである。

同作品については、『松江市の小中学校の図書室から「はだしのゲン」の撤去を求めることについて』という内容の陳情書が松江市にでていた。松江市議会はこの陳情について複数回の議論を行った結果、図書館から撤去するかどうかを市議会が判断すべきではないとし、教育委員会に判断を委ねるとしている。

陳情第46号「松江市の小中学校の図書室から「はだしのゲン」の撤去を求めることについて」では、執行部から、追加の見解を聞いた後、質疑では、全10巻の漫画の中でいろいろ問題があるとも言われているがどのような問題かとの質疑に対しては、執行部より、1巻から4巻または5巻までが第1部というふうに言われているが、暴力的なシーンなど、やや過激と言われるものは後半部分が多いと感じている。陳情に添付された資料も10巻の部分であるとの答弁がありました。


討論では、一委員から、当初の教育委員会の見解では、映画が文部省や全国PTA協議会の推薦を受けていたり、漫画が中四国の県庁所在市の小中学校の図書室に置いてあることから優良図書と考えているということであった。しかし、1巻から10巻までを見ると、時代ごとにだんだんとエスカレートして大変過激な文章や絵がこの漫画を占めている状況であり、第1部までとそれ以降のものが違うものということではなく、「はだしのゲン」という漫画そのものが、言い方は悪いが不良図書と捉えられると思う。当初の優良図書としての根本が崩れたということであれば、やはり教育委員会みずからが判断をし、適切な処置をするべきであろうと思うとの意見がありました。


また、不採択とすべきものとして、一委員から、表現に若干過激な面もあるが、全体としては戦争の悲惨さ、あるいは平和のとうとさを訴えているものと思っている。1980年代から多くの図書館に置かれている状況であり、平和教育の参考書として捉えられている側面が非常に強いようである。そういう面から考えると、小中学校の図書室に置いてあってもおかしい話ではないし、図書室に置くことの是非について議会が判断することには疑問があるので不採択とすべきと考えるとの意見がありました。


採決の結果、陳情第46号は挙手する者はなく不採択とすべきものと決しました。


(松江市議会「平成24年第4回松江市議会定例会 議事録」より。2012/12/5)

この内容を受けて、同市教育委員会は議論を開始。その結果、市の小中学校図書館の中では、『はだしのゲン』を自由に閲覧できる状態にしておくべきではなく、利用者が読みたい本や資料を請求して書庫から取り出してもらう“閉架”方式が望ましいという結果に至ったという。

同市教育委員会の担当者によると、「学校の平和学習の授業などで『はだしのゲン』を取り扱っていただくことは自由ですし、好ましいことと考えられます。しかし、成長途中の子どもたちが自由に閲覧できる開架図書として置いておくのはどうかということになりました」とのこと。暴力的な描写が含まれることや、性的な描写が含まれていることが問題視されたという。歴史的な認識に関する議論はなかったとのことだった。

この報道を受けて、インターネットでは様々な意見が出ている。はだしのゲンに関するこれまでの感想も含めて、一部のツイートを紹介する。

松江市教育委員会の判断は妥当だろうか。あなたの考えをお寄せください。

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