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オリンピックの東京招致が実現なら消費増税が可能との見方【争点:アベノミクス】

2013年08月27日 17時22分 JST | 更新 2013年09月04日 20時38分 JST
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来春に予定している消費税率引き上げをめぐる最終判断を前に、安倍政権の一部に、2020年の夏季五輪の東京招致が実現すれば、その景気浮揚効果で3%増税は可能との見方が浮上している。

同五輪開催の候補地としては、東京、マドリード、イスタンブールが最終選考に残っており、9月7日にブエノスアイレスで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で開催地が決定する。最終選考では3都市の接戦が伝えられる中、日本の政府関係者らによると、ここにきて東京がマドリードとイスタンブールを抑えて候補地に選ばれる可能性が相当程度高まってきたという。イスタンブールは政情不安で不利との見立てが強い。また最初の投票でイスタンブールを支持して落選した投票国がマドリードを支持する国々と団結するとは考えにくいとみられるため、決選投票では東京が有利、との読みだ。

消費増税については景気への打撃が懸念されており、民間予測によると、予定通りに来年3%増税となる場合、実質経済成長率が2013年度見通しの2.8%から14年度は0.6%程度と大幅に減速する見通し。「補正予算がなければ0.2%程度になる」(日本経済研究センターの岩田一政理事長、元日銀副総裁)との試算もある。

一方、東京五輪招致委員会などの試算によると、東京で五輪が開催された場合の経済波及効果は約3兆円。東京が開催候補地として選ばれれば、こうした経済効果への期待から株価上昇も見込まれる。実体経済、景気マインドの両面から、消費増税による一時的な景気悪化をかなり相殺できるとの思惑が安倍政権内の楽観論を後押ししているようだ。

しかし、東京については、福島第一原発事故の影響などへの懸念が根強くあり、落選する可能性はなお残っている。同原発から流出している放射能汚染水の影響がどこまで広がるかは断定できず、とくに海外では被害予想が過大にイメージされかねないためだ。

消費増税の実施をめぐり、政府は今週、60人の有識者から増税の是非と増税幅について意見聴取を続けており、1)予定通りの2段階増税、2)来春3%増税決行・15年度の2%増税は保留、3)増税延期、4)毎年1%ずつの小幅増税─など様々な実施案が提起されている。

今秋にも最終判断すると明言している安倍首相が、何を意思決定の基準とするかは不透明。意見聴取に出席予定の有識者の一人は「我々の意見はあくまで参考で、最終的には世論調査などを参考にするのでは」とみる。五輪招致の可否は一見増税と無関係なようだが、世論の盛り上がり次第では、首相にとって重要な決定要因となる可能性がありそうだ。

(ロイターニュース 竹本 能文 編集;北松 克朗)

[東京 27日 ロイター]

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