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Googleとハフィントンポストが語る クラウド時代に必要な情報の整理、発信、透明性

2013年10月09日 16時30分 JST | 更新 2013年10月09日 16時35分 JST

幕張で開催されたCEATEC 2013において、米国大使館商務部によるセッション「クラウドが変える未来」が行われた。内容はAmazonやVMware、Googleといった大手のクラウド関連事業者による、技術トレンドや業界動向などを解説するものであった。

google huff

さらに同セッションの最後には、ハフィントンポスト日本版編集長の松浦茂樹がホスト役を努めて、グーグル株式会社エンタープライズ部門の日本代表マネージングディレクターである阿部伸一氏との対談が行われた。

対談では松浦編集長から阿部氏に対して、Googleによる様々な取り組みについて質問が飛んだ。まず、対談前のセッションで阿部氏がプレゼンテーションした、Google検索の新しい機能「ナレッジグラフ」に触れながら「クラウドは情報の置き場となることで、ユーザーが触れる情報量がものすごい勢いで広がっている。その中からユーザーは欲しい情報に辿り着くにはどうしたらよいのか?」と疑問を投げかけた。

それに対して阿部氏は「ユーザー何を欲しているかのコンテクストを推測し、検索結果を出すようにする。例えば、レストラン名で検索したら、食事場所を探していると推測して、周辺のレストランを表示する。それがイタリアンのお店なら、次からはイタリアンを中心に紹介するようにする」と、検索の高度化による解決という方向性を示した。

さらに「莫大なメールの処理を以前はフォルダによる階層構造で分類していた。今は数ギガバイトにもなるので検索無しには過去のメールを探し出すこともできない。さらにメールが増えると普通の検索だけでは追いつかない。昔のアクションを参考にして、検索したい言葉を推測して提供する必要があるかもしれない」(阿部氏)と、推測技術による情報量の増大への対抗の可能性を示した。

また、日本でのユーザーレビューの難しさについては、松浦氏もハフィントンポスト日本版での例を挙げつつ触れた。「日本では記事に付くコメントに誹謗中傷が多い。これは他の国と比較して明確に差があり、コメントフィルターも日本では厳しくする必要があった。同時に、1記事あたりのコメント数も世界で少ないほう」(松浦氏)

これに答えて阿部氏は「サポートセンターでも、対応に係った時間や解決件数で見ると日本チームは世界の中でも優秀だが、追跡調査でユーザーにヒアリングすると、他の国より評価が厳しいこともある 」と、日本のユーザーのサービスに対する評価基準が、世界の中でも飛び抜けて高いことを強調した。

このようにグローバルサービスであっても、国ごとに異なる状況に陥ることがある一方で、共通した部分も見えてくるという。「特定の国でしか受けない記事がある一方で、睡眠前のケアなどのライフスタイル系の記事は、どの国でも受ける」という松浦氏の発言を受け、阿部氏も「Google Appsへの要望もローカルとグローバルで異なる。ローカル向けにカスタマイズしすぎるとグローバルで不満が出るので、最大公約数をグローバルの仕様に落とし込む必要がある」と、グローバルなサービス提供の難しさを述べ、さらにサービスを日本向け、アメリカ向けと国ごとに作り込むことで、ビジネス展開のスピードが遅くなり、かえってユーザー離れを招く危険性も指摘した。

そして、そのバランスを取るために必要な手段として「お客さんの声を聞くしかない。Gmailなら世界で4億人が使っており、そのフィードバックを活用しながら、改善していく」と強調。

さらに、人のセンスによる判断の重要性にも触れ「新機能はユーザーテストの前に、必ず自分たちでも使ってみて、自分たちが納得しないものは出さない。開発部隊のトップの人間も、自分で使って気になるところはすべて遠慮なしに開発担当者に伝えている。Googleの中ではエンドユーザーの反応がすべてということが、カルチャーとして浸透している」(阿部氏)と述べた。

終盤には再び、個人と情報との関係についての話題となった。個人的なニュースの閲覧方法について松浦氏が阿部氏に尋ねると「情報の整理の方法として、階層化するツリー方式が成り立たなくなってきている。つまり、検索で情報を探すときの軸が多様化している。それに対応できるシステムを作らないといけない」(阿部氏)

それに答えて松浦氏が、人々のニュースの読み方が変わってきていることを紹介。「読者はニュースを読む際にカテゴリ単位で読まなくなってきた。代わりに、TPPや消費税増税といった特定のキーワード単位で読んでいて、それができないと離れていく」と、メディアの立場から読者の行動変化について示した。

最後に阿部氏が「情報は自由に手に入るが故に、透明性が重要。クラウドはどこにあるかわからず、逆にローカルの方が安全に感じる。だからこそクラウド上でのデータの扱いについて透明性を持たないといけない。それこそがクラウドで重要なこと」と、まとめて対談は終了した。

(Yusuke Aoyama)