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なぜ韓国は日本と同じ標準時を利用するようになったのか?

2013年11月22日 16時46分 JST | 更新 2013年11月22日 18時39分 JST
JIJI

韓国の標準時を日本とは別にしたい--。

韓国与党セヌリ党の国会議員、趙明哲(チョ・ミョンチョル)氏は11月21日、現在日本の標準時と同じになっている韓国の標準時を30分遅らせ、韓国本来の標準時に変更する法律改正案を発議した。韓国標準時の子午線が韓国の領土を通っていないためとされる。MSN産経ニュースが報じている。

現在、韓国の標準時は日本の標準子午線の東経135度を基準とするが、改正法案では、これを韓国の国土の中心を通る東経127.5度に変えるとしている。

趙氏は「日本帝国主義の残りかす(である現在の標準時)から抜け出す機会だ」と主張。「領土主義と歴史を再度、確立して失った時間を取り戻し、国家のアイデンティティーと国民の自尊心を取り戻さなければならない」と訴えた。



(MSN産経ニュース『日本と同じはイヤ? 韓国標準時の変更を 与党議員が発議「日本帝国主義時代の残りかす」』より 2013/11/22 08:16)

韓国の標準時はこれまで2度、東経127.5度を標準時子午線に採用している。最初は1908年の標準時制定時だが、日本統治下にあった1912年に東経135度に変更した。戦後1954年に東経127.5度に戻されたが、1961年には再び東経135度に変更されている。

1961年の東経135度への変更の原因は、日韓とアメリカとの共同軍事演習が行われることで、現場が混乱しないためであったという見方もある。

標準時の変更は、各国では戦略的に行われている。日本においても標準時見直しの動きがあり、猪瀬直樹東京都知事は今年5月、政府の産業競争力会議で、日本の標準時を2時間前倒しすることを提言している。標準時をずらすことで、経済的な効果が見込めるとの理由からだ。

(猪瀬知事)「標準時間を2時間早めることで、世界の1日のお金の流れが日本から始まり、アジアの金融センターとしての地位が確立する。(中略)シンガポールは、既に1時間ずらして日本に近づけている。標準時間を2時間早くすることによって、海外に流出した金融の拠点機能を呼び戻すことができるのではないか。」

(「第9回産業競争力会議議事要旨」より。 2013/05/22)

tokyo city

シンガポールは1982年、それまでの標準時を協定世界時(UTC)+7.5時間から、UTC+8時間に変更している。そのため、香港や中国とのやりとりは、時差を気にする必要がない。

慶応大学の竹中平蔵教授は猪瀬知事の案について、インドのジャカルタやシンガポールの標準時の例をあげ、「本気でやっている」と指摘した。

(竹中平蔵慶応大教授)「地図を見てジャカルタとシンガポールを比べると、ジャカルタの方が東にあるが、時差は、東京とジャカルタは2時間で、東京とシンガポールは1時間しかない。つまり、シンガポールはそれだけ意識して、本気になって、やれることはなんでもやって、金融のメリットを高めるということを本気でやっている。日本は、やはりそういうことを今これで示すチャンスなのではないかと思う。」

(「第9回産業競争力会議議事要旨」より。 2013/05/22)

また、サモアは2011年、日付変更線をまたいで標準時を変更している。かつては欧米諸国との貿易が活発であったが、最近ではオーストラリアなどが主要貿易相手国になったためだ。

韓国の標準時変更案は、シンガポールや中国の標準時と、日本の標準時とのちょうど中間となる。この改正案には、趙明哲議員が指摘する韓国国民の愛国心向上以外のメリットがあるのだろうか。

安部首相は15日に都内で開催された日韓・韓日協力委員会の合同総会で、「日韓両国は、最も重要な隣国」と述べ、日韓関係の改善に意欲を示している。標準時の変更案は、両国の関係をますます、冷えきったものにしないだろうか。

韓国の標準時変更案にあなたはどう考えますか。ご意見をお寄せ下さい。