結婚できないのは経営者一族の"宿命"? 社長令嬢の恋愛・結婚事情

「代々が経営者一族」とは、その経営者の方自身が財産を受け継いでおり、子供達にも受け継がせる前提で教育されている一族とします。こうした経営者一族のご令嬢には独身の方が多い。社長令嬢たちが恋愛する難しさを本人たちに直接取材した。
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代々の経営者一族の宿命?社長令嬢の難しい恋愛・結婚事情

今まで、様々な経営者やその家族の方々にお教えしましたし、通常の取材はこの「生徒さん」にすることが多いのですが、今回は生徒さんではなく、生徒さんを通じて知り合った方々に取材いたしました。

■「代々が経営者一族」とは

「代々が経営者一族」とは、その経営者の方自身が財産を受け継いでおり、子供達にも受け継がせる前提で教育されている一族とします。そして、今回、私が取材対象とした「代々が経営者一族」は、同じ地域で少なくとも3代は経営され、土地の活性化を担う方々でした。

● 御子息ではなく、ご令嬢に焦点をおいた理由

私が取材をした限り、「代々が経営者一族」の中の、35歳以上のご子息は全員結婚されています。 その一方で、35歳以上のご令嬢は独身でおられるケースが多々あり、この理由は憶測やネットの情報ではなく、本人様達から直接知る必要があると考えました。

また、結婚生活、離婚、別居等には焦点は置かず、結婚されているかどうか、にのみ焦点を置くことにしました。

● 何歳くらいが「結婚できない年齢」というべきか?

本当は「結婚できない年齢」などありません。 女性はよく「30歳までには結婚したい」といいます。 しかし、近年の晩婚化を鑑みると、30歳程度では、結婚が遅れている、とはいえません。 妊娠のことを指摘される方もいらっしゃいますが、生物学的にいえば、50歳でも妊娠が可能な方もいらっしゃいます。

今回の取材では、平均して35歳くらいになると、「『感情的・感覚的に』結婚に焦りを感じ始めている」とのことでした。 よって、取材対象は11名様のうち、「『感情的・感覚的に』結婚に焦りを感じる」35歳以上となる9名様(このうち8名様が独身)について書くことにしました。

■社長令嬢の恋愛事情

●10代…自由

10代は、割と奔放に育てられる方々が多く、好きな高校や大学に通われ、また恋愛に関する干渉の度合いも、「平均的」といえます。

「高校生のとき、成績が良くなくても、彼氏がいても、『どんな奴だ?』で訊かれただけで、うるさく言われたことはありませんでした。 でも、お兄ちゃんと弟は、2人ともいつも成績が良かったのに、勉強や彼女のことでいつも叱られてました。」(スーパーマーケット社長令嬢)

「大学生のとき、彼氏をお母さんにだけは紹介しました。 もちろん、お父さんにも筒抜けだったとはおもいますが、何も言われませんでした。」(不動産会社社長令嬢)

●20代…両親の希望

20代になると、ご両親の希望があらわになってきています。 結婚できるような年齢だからです。

「銀行に就職した後、母からよく電話がかかってくるようになりました。 彼氏ができたあとは、もっと酷かったです。 高校生のころなんて、全くかまってくれなかったのに、始めは不思議でしたが、父が彼に『履歴書を書け!』といったときに、『両親のほうが結婚を意識してるんだな』って気づきました。」(スーパーマーケット社長令嬢)

「27歳のとき、彼氏と香港に旅行に行きました。 両親には『女友達と行く』って言ってたんですが、バレてたら、とんでもないことになっていたと思います。」(ケーキ店社長令嬢)

「20代後半のとき、両親が、彼氏を自宅の夕食に招いたときです。 父は、『ウチの全財産は、会社のものだから、財産はないも同然だ。』という趣旨のことを繰り返していました。 3年くらいして別れた時、父は『俺が財産がない、っていったからだよ。 その程度の男だ。』といったのです。 こんな父が情けなくって、泣いてしまいました。」(本屋チェーン社長令嬢)

「私は29歳で結婚しました。 親の許可を待ってたら、絶対に結婚できない、とおもい、自分達で勝手に籍を入れることにしました。 あれから8年たちますが、ウチの両親は未だに夫と口を利こうとしません。 もっとも、彼も私の両親と話すことに興味はないみたいですが。」(食品製造販売会社社長令嬢)

20代という適齢期になったご令嬢。 そのご令嬢が交際されるとなれば、当然結婚も視野に入ります。結婚となれば、経営者一族にしてみれば、この婿は「会社の幹部なったも同然」です。 得体の知れない若い男が、下手するとウチの会社の社長になるかもしれない… そうおもえば、多少警戒するのも仕方のない事かもしれません。

●30代…自分が慎重に

30代になると、今度はご令嬢のほうが、結婚に慎重になるケースが増えるようです。

「20代のときの彼氏は、とても強烈な性格をもった人でした。 彼以上の人に会ったら結婚したい、とおもっているうちにいつの間にか15年位たってしまいました。 別れてから1年後、彼が別の女性と結婚した、と知ったときには、ショックで彼の母の元にいき、泣いてしまいました。 私は未だに結婚する予兆すらなく、あいかわらず、役所に勤めています。」(スーパーマーケット社長令嬢)

「とにかく、親のお眼鏡にかなうことが優先、というのがありましたね。 正直、何度もチャンスを逃した、と感じています。 結婚はまだですが、私も40過ぎで、もううるさく言われないと思います。 ケーキ屋さんですか? 最近、弟が継ぎ、私はその手伝いをしてます。」(ケーキ店社長令嬢)

社長令嬢に限らず、男女を問わず晩婚化が進む中で、「誰が原因」を決めるのには問題があります。

しかし、代々続く経営者一族のご令嬢の場合、20代でうけたご親族からのご心配が、はからずもそれ以後の結婚の可否に影響しているのではないか、という印象を強く受けました。

今回は非常にデリケートな問題であるにもかかわらず、殆どの方々がとてもフランクに答えてくださりました。 お答えいただいた方々、またその方々を紹介してくださった方々に深く感謝いたします。

by 飯川慶:日本とアメリカで育ち、メキシコを放浪し、その後、日本に帰国。 その後、香港の航空会社の客室乗務員になる。 27歳で英会話教室を始め、現在に至る。

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