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宇都宮健児氏「今回の都知事選は異常。AKB総選挙と同じ」 【会見速報】

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KENJI UTSUNOMIYA
中野渉
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2月9日投開票の東京都知事選に立候補を予定している元日弁連会長の宇都宮健児氏(67)が1月22日、東京の日本記者クラブで記者会見を開いた。発言内容は以下の通り。

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【冒頭発言】

私は東京都民一人一人が、未来に希望を持って生きられる、暮らしやすいまち・東京をつくるということを考えて、都知事選に立候補することを決意しました。

私はこれまで40年以上にわたって、様々な社会問題に取り組んできた弁護士です。まずはサラ金・クレジット・商工ローン・ヤミ金融問題、これらの高利の被害者の救済活動を行いまして、一方でこれらの被害者を無くす立法活動を行いまして、2006年にグレーゾーン金利を撤廃させる貸金業法の成立をさせました。

それから、ちょうど今から19年前の3月20日に発生した地下鉄サリン事件では、被害者を救済するために被害対策弁護団を立ち上げまして、団長として被害者の支援・救済活動を行いました。オウム真理教と対決しまして、オウム真理教の破産申立をして、被害者の救済を行うとともに、国に働きかけて、オウム被害救済法を成立させて被害者の救済を行いました。

2010年4月から2012年5月まで、日本弁護士連合会の会長を努めましたが、ちょうど在任中に東日本大震災と原発事故が発生しましたので、全国の弁護士さんと一緒になって、東日本大震災の被災者、原発事故の被災者の支援活動や、支援になるような法律を作りました。

私はこのような42年の弁護士経験を、都政に活かしたい。そして、お年寄りも若者も、女性も、男性も、障害のある人もない人も、希望を持って生きられる、暮らしやすいまち・東京をつくろうと、立候補した次第であります。

基本政策は5つの基本政策と、2つの特別政策を掲げています。
 
基本政策の1つは「世界一、働きやすく、くらしやすい希望のまち東京をつくる」というものです。石原都政、猪瀬都政14年間に、福祉が大幅に切り捨てられてきました。特別養護老人ホームに入れない高齢者が4万3000人を超えています。また、保育園の待機児童が2万人近くになっています。5年間で2.6倍に増えた。これらの問題を解決するために、福祉の予算を充実させたい。

若い人を使い捨てにされるブラック企業問題が大きな社会問題になっています。3人に1人が非正規労働者で、年収200万円未満のワーキングプアも6年連続で1000万人を超えています。この問題を解決するため、ブラック企業規制条例や、過労死防止条例などをつくり、若い人が希望を持って働けるような環境を、都としてつくっていきたい。

近く予想される首都圏直下型地震の対策を急ぎます。防災・減災対策を重視して、都民の皆さん一人一人の命が守られるような震災対策をすすめる。

更に、原発の再稼働や原発輸出を認めず、原発のない社会を東京から発信したい。私は東京電力の大株主として進められようとしている柏崎刈羽原発の再稼働に反対します。株主総会で福島第1、第2原発、柏崎刈羽原発の廃炉を提案したいと思う。一方で、自然再生エネルギーの推進を東京都をあげてやっていきたい。

子供たちがいきいきと学べる、いじめのない学校を作りたい。そのために、教育現場に対する押し付け、管理統制をやめさせる。

5番目は、安倍政権の政策にストップをかけて、憲法を守り、東京からアジアに平和を発信します。安倍政権が強行採決した特定秘密保護法の廃案を求めていきます。集団的自衛権は明らかに憲法9条違反であり、アメリカとともに戦争を行う体制を作らせないために、東京こそが憲法を守ると、アジアに向けて平和を発信したいと思う。

特別政策の1つ目は、環境に配慮したシンプルな東京オリンピック・パラリンピックを実現するというものです。オリンピックは日本国民すべての人に歓迎されるべきだと考えます。東日本大震災の被災者や、原発事故の被災者も歓迎できるオリンピックにするために、被災者の支援を急ぎたい。オリンピックは平和で友好的な祭典であるので、都知事として自治体外交を通じて、アジアとの平和的な関係を作りたい。

特別政策の2つ目、猪瀬知事のカネの問題。議会のみなさんに百条委員会の設立をお願いして、徹底的に真相を解明し、カネや利権と決別した東京をクリーンな都政をつくりたい。

このような政策以外にも、都民の皆さんの声を反映させる都政が重要だと思っています。私が都知事になったら、都庁の知事室に閉じこもるのではなく、対話集会などを開いて、積極的に都民の皆さんの声を都政にとりあげていきたい。

【代表質問】

Q なぜ宇都宮健児でなければいけないのか。

A 石原都政・猪瀬都政の14年間で福祉が切り捨てられてきた。都営住宅が1軒もつくられておらず、その結果、脱法ハウスのようなところに住まなくてはいけない環境になっている。福祉をたてなおして、一人一人が「東京に住んでよかった」という街にしないとだめだとおもう。そのために、私の弁護士経験、特に社会的・経済的弱者、高利で困っている人たちを救済しながら法律を作ってきたという経験が、都政に役に立つと考えた。

Q 東京オリンピックの成功とは何か。

A オリンピックを日本の国民みんなが歓迎できるものにしなくてはいけない。東日本大震災の被災者や原発被害者が忘れ去られたオリンピックではいけない。

また、世界の人々から、平和と友好的なものになったと歓迎されなくてはいけない。安倍首相になって1年経ったが、まだ中国・韓国との関係は良くなっていない。靖国参拝も強行して関係が悪化した。このような状況で平和的なオリンピックが開かれるのか。1940年には戦争が広がり幻の東京オリンピックになってしまった。1940年の二の舞いにしてはいけない。

Q 首都直下地震の備えやインフラ整備については。

A 石原さんが都知事になった時には1兆円の予算が組まれていた。現在は6000億円と減らされている。

石原さん、猪瀬さんの政策では、個人が所有している建物の対策は都は一銭も出さない、自己責任でやりなさいというものだった。メインストリートや道路のなどのインフラは都がやるというもの。自己責任で自分の命を守りなさいというのなら、東京都という行政がある意味が無い。

私は、個人が所有する建物への耐震化工事、不燃化工事などの対策に都が補助金を出すということをやります。これらは既に他の自治体ではやっており、東京都が最も遅れている。東京都の老朽化した施設補修改修工事も大事だ。

また、東京湾のコンビナートの対策も重要だと考える。東日本大震災では仙台港、気仙沼港などで火災が発生した。東京湾には石油タンクやガスタンクなどが5000基以上ある。タンクが爆発したら大災害になる。12の火力発電所もある。火力発電所に燃料が供給されなくなれば、首都圏の経済や暮らしが大打撃をうける。これらの対策が急務です。神奈川県や千葉県、場合によっては国も入ってもらって安全対策を促進する必要がある。

Q 安倍政権の安全保障政策と、経済政策に対する評価は。

A 安倍政権の特定秘密保護法を始めとする政策には断固として反対です。特定秘密保護法は市民の知る権利や報道の自由を奪ってしまう。これは憲法21条を侵害する可能性があり、民主主義社会を窒息させる法律だ。修正で解決できる問題では無いので、廃案にすべきだと思います。

集団的自衛権の行使を認めることは、アメリカとともに戦争できる体制を作る一環の、軍事立法だと考えています。集団的自衛権を認めるという法案が出される可能性や、憲法解釈で集団的自衛権を認める方向をめざしていますので、憲法9条の改憲である。本来ならば国民投票にかけなければいけないものを、閣議決定だけでやろうとしているのは邪道であり、これを続けるならば安倍政権は解散すべきだと思う。

また、これを続ければ続けるほど、アジア諸国との関係が悪化して、下手をすると尖閣諸島で軍事衝突が起こりかねない。このような状況で平和と友好の祭典であるオリンピックは開催できないと考えています。

アベノミクスは、このままでは必ず破綻すると思う。これまでの自民党政権等を通じて、貧困と格差が広がっている。GDPは少しづつ上がったが、労働分配率が減って、1997年の総賃金額と比較すると2012年は25兆円少なくなった。これはどこに行ったのか。株主や経営者への配当、内部留保になった。こういうことをやっていたら内需は先細る。需要がなくなりデフレが進行する。

安倍さんが生活保護基準額を670億円削減した。前代未聞の削減だ。生活保護法の改悪をやり、浮いたお金で、防衛費を増額した。社会保障を絞っていって、分配率を減らしていくと内需は広がらない。日本経済は6割から7割が内需で持っているといわれている。アベノミクスでは具体的な政策が打ち出されていない。消費増税もある。低所得者や中小企業に厳しい政策だ。今は景気が良さそうに見えるが、原因は円安と株高だ。実質的な問題は賃金が増えるのか社会保障が充実するのかにかかっている。

Q 細川氏も脱原発だが、宇都宮さんは一本化を拒否されたと聞く。なぜ一本化に応じなかったのか。

A 脱原発市民グループから一本化をする、私にも降りてくれとの要請がずっとありました。実は昨日の深夜にも、私の自宅にもいらしてそんな話をされたかたがいた。

私はこれまで、細川さんとの公開討論をやろうと呼びかけてきた。市民グループの一部は、細川さんの政策がわからない状態から、そのような動きをしていた。脱原発以外の政策も討論して、一人一人に判断する材料を与えたいと呼びかけてきたが、それには応じないんです。

脱原発は一つの基本政策であるが、重要な課題だ。細川さんや小泉さんが争点にしていくことは良いことだと思う。原発がこれまで重要な争点にならないこともあった。それを呼びかけるのは良いことだと思う。

しかし都政はそれだけではない。防災も福祉も重要だ。

私は脱原発と同じぐらい重きをおくべきなのは、安倍政権の憲法改悪の動きに対してどういう態度を取るかだと思っている。特に特定秘密保護法。これについて細川さんは何ら見解を発表していない。そういうのを抜きにして、原発だけで一本化というのは、はなからありえない。

細川さんだけでなく、今回の都知事選は異常だ。いまだに公開の政策討論が行われていない。公開討論で、都民のみなさんに判断する材料を与えることは立候補者の使命だとおもう。それ抜きに人気投票になってしまうというのは、AKBの選挙と全く同じではないですか。そんな選挙をやっていいんですか。

【会場からの質問】

Q 東京都は警視庁、警視総監に対する管理責任を負っている。賠償責任は東京都が追う。都知事になったら、可視化の問題など、警察に対して何か変えようと思っているか。

A 警察や捜査のあり方に関する考え方はこれまでと変わっていない。知事がどの程度の権限を行使できるかということは、これから考えていかなければいけない問題だ。

新大久保などではヘイトスピーチに対するデモがあり、一部では衝突が起こっている。日本は人種差別撤廃条約に入っており、条例などを制定するように決められている。

デモのコースに、あえて在日外国人が商売をしている、住んでいる場所を通ることを認めなければいけないのかという点は疑問だ。一弁護士として、適切な警察活動をしてほしいと申し入れたことがある。(都知事として)警察にどの程度指揮できるかは問題があるが、衝突が起きないように、可能な限り要請ができたらするつもりだ。

Q 何が一番重要な政策か

A 東京を働きやすく暮らしやすい街にすることが重要。石原さん、猪瀬さんは世界一の金融都市にする、世界一の経済都市にするといっていたが、一市民の生活、お年寄りになっても暮らしやすいか、この点がかけていたと思う。だから福祉予算が切り捨てられてきた。

これから日本は高齢化社会になる。群馬県渋川市の「たまゆら荘事件」では高齢者施設で発生した火事によって人がなくなっている。亡くなった10人のうち9人が東京都民で、6人は墨田区の生活保護利用者だった。東京都民なのに東京都で利用できる施設がない。しかも、2009年以降、都内で生活保護を受けながら都外で住んでいる人は2.6倍に増えているという調査もある。

保育園の不足問題も深刻だ。現在、2万人ぐらい待機児童が存在すると言われている。これは早急に対応し安心して子供を預けて働ける環境を作らなくてはならず、予算の組み替えによって実現できると思っている。

住まいの問題も重要。石原都政・猪瀬都政では都営住宅が経てられず、抽選でもなかなか当たらない状態。一方、脱法ハウス問題も起きた。国も調査して、消防法違反、建築基準法違反で人に貸せなくなった。人に貸せなくなるのは良いが、出て行った人が住むところがない。私は、低家賃の都営住宅の建設を始める。また、都内には空き家が多い。東日本大震災のときのように、空き家を借りあげて、公営住宅として貸し出すこともあっていいと思う。

もう一つ、家賃補助制度を検討するべきだと思う。2、3万円ぐらい払える人に、都が3万円ぐらい補助したら、5万円ぐらいのアパートに住める。住まいが確保できれば、いきなり生活保護にいかなくても住む。大家さんも喜ぶ。ハウジングプアの問題を解決すべき。

若い人が希望が持てない状態になっている。ブラック企業問題などをなくすために、ブラック企業規制条例を作る。

今、東京都の一般会計が6兆円、特別会計を合わせると12兆円、スウェーデンの国家予算並みの予算を持っている。これまでの公共事業は1円でも安ければ、その企業が受注するという制度だが、これを是正する必要がある。1円でも安くできても、それは、企業にしわ寄せが行く。労働者の賃金を下げて、企業の利益を確保しようとする。私は、東京都が発注する事業を受注する企業には、労働者の最低賃金を保証させたり、労働者の男女差別を行った企業は受注資格を無くするなどの、公契約条例を制定したいと考えます。

Q 柏崎刈羽原発の再稼働について国にはどのように関与するつもりか

A 再稼働には反対していきたい。東京都として具体的に反対できる、東京電力の株主として、柏崎刈羽の再稼働の反対と、廃炉を提案していきたいと思う。

柏崎刈羽は新潟なので、新潟知事と連携し、国に対して反対していきたい。東京が1歩を踏み出すことは大きな影響をあたえると思う。

Q 尖閣諸島購入で集まった14億円はどうするつもりか

A 寄付してくださった方に返すのが筋だと思う。尖閣の防波堤を作ったらどうかという意見もあるようですが、返すべきだと思っています。寄付した人がわからないという点は、呼びかけをするなど工夫しなくてはいけない。

Q カジノ誘致については。

断固反対します。長年サラ金、クレジット、商工ローン、などの救済を通じてわかったことは、日本はカジノ大国だということです。日本はパチンコ大国なんです。パチンコをする人が1200万人を超えている。パチンコ産業は19兆円の売上がある。マカオの売上は3兆円でその6倍の売上がある。

多重債務者の中にパチンコ依存症の方が多かった。借金を解決しても、またパチンコに行く。依存症はきちんと病気認定をして、家族と精神科医、GAという自助努力の会と連携を取りながら解決しなければならない。

国は依存症の人数について調査を行ったが、対策は行っていない。韓国ではパチンコが全面禁止になった。パチンコ依存症になった主婦が、夏に車の中に子供をおいてパチンコをして、亡くなるということが毎年続いているが、パチンコ業界は何も対策を取っていない。そういう状況があるにも関わらず、経済成長につながるということで招致をするのはとんでもない。

カジノはバクチ。暴力団が暗躍するかもしれない。治安が悪くなる。赤字のカジノもある。

カジノに頼る政治家が多いことは、日本の憂うべき状態だと思う。二宮尊徳は「道徳のない経済は罪悪である」と言っている。儲かればいい、税収が増えればいいというが、人間が堕落した状態でも良いのか。

アメリカのコロラド州では麻薬を売店で売れるようになった。その結果、健康ではなくなる、勤労精神が亡くなる、そして人間社会そのものが崩壊する。それでもいいのかということを国会議員は考えてほしい。

Q 猪瀬前知事を追及する百条委員会の設置は共産社民以外の議員にも要請するのか。細川護煕氏の借入金についてはどう考えるか。

A 百条委員会の設置は、当然、多数派の都議会議員である自民・公明にも求める。民主党にも要請する。

徳洲会は医療法人だが、東京都での許認可権限は、東京都が持っており、過去に9億円ぐらいの補助金を拠出している。9億円は一人一人の税金だ。そんなところから5000万円を、東京都のトップが無担保、無利子でもらうというのはとんでもない。贈収賄に近い事件性に近い問題だと思う。そういうことに襟を正さない行政を行われてきたことはとんでもない。

今回の都知事選は、猪瀬さんが十分説明ができなかったことが発端になった。細川さんは猪瀬さんを追及する立場に立たれると思う。そういう立場であれば、当然自分のことも、説明されると思う。しかも金額は倍だ。きちんと説明されるべきだ。それをやらないで、猪瀬さんを追及する立場はとれないだろう。

Q 財政政策は。

東京都は一般会計と特別会計を合わせて12兆円ある。これは変えられないとおもう。

一番予算を使っているのは大規模開発だ。大規模開発は、2013年のプランでは8000億円が使われる。その予算を組み替えて福祉に回せば特別養護老人ホームや保育園の問題は改善する。

【訂正】文中で「日本弁護士連盟」となっていた箇所がありましたが、正しくは「日本弁護士連合会」です。また、「東京都の一般会計が6万円」となっていましたが、正確には「東京都の一般会計が6兆円」です。お詫びするとともに訂正いたします。(2014/1/23 3:17)

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