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韓国旅客船沈没、5年前の日本の類似事故は死者ゼロ その違いは?

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横波を受けて船体が傾き、座礁して横倒しになったマルエーフェリーのフェリー「ありあけ」(7910トン)(2009年11月13日午後、三重県御浜町の七里御浜沖約200メートル) | 時事通信社
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韓国船沈没、5年前に日本で類似事故 乗客避難対応に差

多数の死者・安否不明者を出した韓国の旅客船セウォル号の沈没事故をめぐり、5年前に日本で起きた横転事故との比較が韓国で注目されている。乗客数は大きく異なるが、共通点も多いからだ。日本での死者はゼロ。二つの事故からくむべき教訓は何か。

フェリーありあけ号の事故は2009年11月、三重県沖の熊野灘で発生。運輸安全委員会の報告書によると、航行中に高波を受けて船体が傾き、コンテナを固定していたチェーンが破断するなどして荷崩れした。最終的に横倒しになった。座礁したため沈没は免れた。

ただ、乗客7人と乗員21人は全員無事だった。閑散期で乗客が少なかったことに加え、船が大きく傾いた約35分後、船長が乗客を船内最上部に誘導するよう指示したことが奏功した。船長らは船に残り、最後は海に飛び込んで救助された。運輸安全委は「積み荷を効果的に固定していなかった」と指摘しつつ、「船長が指揮する態勢ができており、非常時の対応が組織的に行われた」と事故後の対応は評価した。

セウォル号とありあけ号は同じ日本の造船所で建造され、2隻はかつて同じ運航会社に所属するフェリーだった。韓国紙は船の規模や傾き方が似た事例として取り上げ、死者が出なかったことを強調した。

セウォル号の事故原因ははっきりしていないが、急旋回による荷崩れが転覆を招いたとの見方が有力だ。一部の現地メディアは、規定以上の積み荷を載せた「過積載」の疑いも指摘する。

事故後、船長らが乗客に船内にとどまるよう指示を続けたことが被害を広げたという批判も強い。明らかになった管制センターとのやりとりによると、セウォル号は通報から約25分後、乗客を脱出させるよう求められたが、できなかった。

■荷物固定、規制のきっかけに

ありあけ号の事故を受けた国土交通省の調査では、船が大きく傾く事例は10年5月までの10年間で25件。うち16件で荷崩れが疑われた。同省は11年4月、業界に対し、コンテナ固定装置の設置を通達で義務づけ、固定方法の改善や荒天時の積み込み制限を求めた。

ありあけ号の事故調査に関わった海上技術安全研究所(東京)の田村兼吉・海難事故解析センター長は「ありあけ号も乗客が多ければ、被害が大きくなった可能性があった。船がバランスを崩さないよう、過積載を防ぎ、積み荷をしっかり固定することが大事だ。45度程度傾くと、元に戻せなくなる。今回もその時点で乗客を脱出させていれば、被害を減らせたかもしれない」と指摘する。(工藤隆治、高久潤、鬼原民幸)

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(朝日新聞社提供) 

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韓国・セウォル号沈没事故(2014/04/16~)
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