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「700の山を削って平地に」中国史上最大の山地開発計画に科学者が警鐘

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ずらりと並んだ建設機械。2012年10月26日、中国北西部の甘粛省蘭州市で行われた「蘭州新城」開発プロジェクト」起工式。 | The Huffington Post
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中国甘粛省の首都蘭州市の当局は、2012年に、土地不足を理由として、ある大規模プロジェクトに乗り出した。700以上の山々を、ブルドーザーで削って平らにするという「蘭州新城」開発プロジェクトだ。

35億ドル以上の費用を投じて、1280平方キロメートルを超える土地(日本の県で最も小さい香川県の面積は1862平方キロメートル)を平らにしようというこのプロジェクト。完成した暁には、山ばかりだった地域に、多くの高層建築物が建ち並ぶ、新たな市街地が展開するはずだ(以下の動画は、蘭州市当局が公開した同プロジェクトのプロモーション・ビデオ)。

だが、開始からほぼ2年が経過した現在、中国の科学者グループが、このプロジェクトに疑問を投げかけている。彼らは科学誌『Nature』に6月4日付け掲載された記事で、「中国史上最大の山地開発計画」を批判した。

長安大学環境理工学部の研究者であるPieyue Li氏、Hui Qian氏、Jianhua Wu氏は、この記事で、蘭州のプロジェクトに限らず中国中で行われている同様の取り組みは、いずれも「環境、技術、予算のすべての面で」入念な調査が行われていないと警告した。

さらに彼らは、予想外の悲惨な結果が生じる可能性についても警鐘を鳴らした。たとえば、山を削って平らにすることは露天掘りの鉱山でよく行われているが、「そのような造成地に都市が建設された例はない」と彼らは指摘している。

研究者たちによると、蘭州の工事は2013年3月にいったん中断された。ひどい大気汚染のため、環境アセスメントが必要と判断されたからだ。しかし、市当局と請負業者は待機コストを懸念し、環境アセスメントが未完であるにもかかわらず、4週間後には工事が再開されたという。

「経験不足と技術的難題がプロジェクトを遅らせ、コストを膨らませている。環境への影響も十分に検討されていない」と、研究者たちは指摘している。

蘭州プロジェクトの広報担当であるAngie Wong氏は、環境破壊に関する批判をやわらげようとして、2012年に「The Guardian」紙にこう語っている。「蘭州の自然環境は元々ひどいものであり、極端な水不足で荒れ果てた山ばかりです。われわれの保護的な開発によって、この地域にも水が導かれ、森林が再生されて、環境は以前よりも良くなるでしょう」

[Ryan Grenoble(English) 日本語版:水書健司/ガリレオ]

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