NEWS

エアアジア 業界大手へと成長するも、不明機によりかつてない困難に

2014年12月29日 16時23分 JST | 更新 2014年12月29日 16時24分 JST
Reuters

インドネシア・スラバヤ発シンガポール行きの格安航空エアアジアのQZ8501便が28日、消息を絶った。2001年には保有機数が2機のみだったエアアジアだが、現在では180機以上を展開する業界大手にまで成長。しかしフライトの消息途絶を受け、かつてないほどの困難に直面している。

インドネシアの当局者によると、管制との交信が途絶えたのは28日午前6時17分(日本時間午前8時17分)。スラバヤとシンガポールのほぼ中間地点だった。遭難信号は出ていなかったという。

行方不明機はエアバス320─200で、162人が搭乗していた。

トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)はツイッターで「これは私にとって最悪の悪夢だ。しかし止まることはできない」とコメント。「グループCEOとして、この困難な時期に皆さんの側にいる。私たちはこのつらい出来事を一緒に乗り切る」と書き込んだ。

インドネシア・エアアジアは、マレーシアのエアアジアが49%を、インドネシアの投資家らが51%を出資している。

エアアジアは東南アジアでも、突出して高評価を得てきた企業の一つ。マレーシア航空やライオン・エアー、ガルーダ航空などの競合他社と比べ、エアアジア・グループの安全性をめぐるトラブルはこれまでほぼ皆無だった。JLSコンサルティング(ロンドン)のディレクター、ジョン・ストリックランド氏は「フェルナンデス氏とエアアジアは航空業界で高く評価されている。同社は成功を収めており、安全性の面で非常に優秀だった」と指摘する。

<多数の航空機発注>

タイ、フィリピン、インドの関連会社を含めたエアアジア・グループは、マレーシア航空やシンガポール航空、豪カンタス航空の主要競合相手となっている。

今後米国を抜いて世界最大の航空市場になると予想される東南アジアでは、ライオン・エアーやエアアジアなどが数百億ドル以上を投じて米ボーイングや欧州のエアバスに多数の発注を行い、航空機の取得を加速している。

エアバスはエアアジアから475機に上る航空機の発注または納入を受けており、同社にとってアジア最大の顧客。欧州にとっても最大の輸出先企業の一つとなり数千人の雇用創出にもつながったことから、欧州の政治家らからも称賛を受けている。

英国で会計学を学び、過去にワーナー・ミュージック幹部を務めたフェルナンデス氏だが、エアアジアが大きく成長した現在でもジーンズとトレードマークでもある同社の赤い野球帽を着用することを好む。サッカーのイングランド・プレミアリーグ、クイーンズパークレンジャーズ(QPR)の会長も務め、ファンらとは笑顔で写真撮影に応じる。

マレーシアの航空会社をめぐっては、3月にマレーシア航空機(クアラルンプール発北京行き、乗員乗客239人)が消息を絶ったほか、7月には同じくマレーシア航空のMH17便がウクライナ上空で撃墜され、乗員乗客298人全員が死亡した。

エアアジアの利益は、激しい価格競争などを背景に、過去数カ月間は大きく落ち込んだ。また東南アジア市場で供給過剰の兆候があることから、一部の航空機発注を延期していた。

関連記事

エアアジア機、墜落