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悪いニュースを毎日見続けていると、心にどのような影響を及ぼすか

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AFP
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世界で起こる最新の悲劇的なニュースの数々を目にしないまま、テレビを見て、ネットの情報に触れ、Twitterのツイートをスクロールすることは、ほぼ不可能に近いと言える。ニュースは24時間体制で提供される。銃撃事件や航空機の墜落事故、ダーイシュ(イスラム国)の残酷な殺害動画……犯罪、戦争、人権侵害といった、暴力的で破壊的なニュースが絶え間なく私たちの心をかき乱す。

こうしたニュースを目にしたからといって世界が崩壊するという訳ではないが、そのように感じるのは事実だ。ニュースは時に人を傷つけ、落ち込ませ、感情を掻き立てる

「テロ行為はもともと劇的な場面と恐怖心を植え付けられるものなので、ニュースに取り上げられやすいのです」。政治学者シャナ・ガダリアン氏は10月、ワシントン・ポストにこう寄稿している。「報道合戦とは、報道関係者や編集者が、これまでにないほど減少している視聴者の興味を惹きつけておくため、感情に大きな影響を与える映像やトピックを刺激的に使用することなのです」。

これは、危険や脅威に対してより注意を払うという、私たちの生まれつきのネガティブな性質にも一因はあるのかもしれない。

心理学者によると、ネガティブで暴力的な報道は深刻で長期的な心理的影響を与えるといい、それは単に悲観的になる、あるいは非難するといった感情をもたらすだけにとどまらない。メディアの暴力と心理的影響を専門とするイギリス人心理学者デイヴィ・グラハム(Graham Davey)博士によると、メディアの暴力はストレスや不安、抑うつ症状を増大させ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こす要因にすらなるとしている。

「ネガティブなニュースは、人の感情に大きな影響を及ぼします。特に、被害を強調して放送したり、感情的な内容を多く含む傾向がある場合、その影響は顕著です」とグラハム博士はハフポストUS版に語った。「特に、ネガティブなニュースは個人的な不安に影響を及ぼします。ネガティブなニュースを見ると、自身の不安を、より脅威的で深刻に感じてしまう傾向があります。そして一度心配し始めると、不安をコントロールするのが難しいと感じ、平常時よりも大きなストレスを感じてしまうのです」。

グラハム博士によると、ネガティブなニュースが精神面に影響を及ぼすことで、自身をとりまく世界をどのように捉え、どのように関わっていくかにといった考えにも大きな影響を与えるとしている。ネガティブなニュースを目にして、より大きな不安や悲しみを感じると、ネガティブで脅威を感じる出来事に無意識的に慣れていき、良くも悪くもとれる出来事をネガティブなものだと認識する傾向が高まる可能性があるという。

神経学的なレベルで言うと、私たちが暴力的なイメージを目にした場合、その画像や映像は実際の暴力とは違うのだと認識し、その情報は脅威をもたらす刺激としてはインプットされない。しかし、内面的にネガティブな刺激を受け止めてしまい、心に影響を及ぼし周囲に対してより悲観的な感情を持ってしまう。

「そういったイメージは私たちの気分を一層ネガティブなものにし、悲しみや不安を増大させます。またその反応が周囲に対する心理的な変化に繋がっていきます。例えば、私たちはネガティブで脅威をもたらす可能性がある周囲の出来事に関して、より気にかける傾向にあります」とグラハム博士は説明する。「それにより一定の間、精神的に悪循環に陥る可能性があるのです」

ある研究によると、メディアからトラウマになるような映像を見ることで、PTSDに似た症状が引き起こされるという結果が出ている。2001年の研究では、アメリカ同時多発テロ事件の映像をテレビで見た視聴者の中には、今後のテロ攻撃の可能性への恐怖心や、自信喪失といったPTSDの症状を訴えた人々がいたと報告している。症状の程度は、興味深いことにテレビの視聴時間に直接的に関係していたという。

また最近の研究で、未処理の暴力的な画像や映像を頻繁に扱うジャーナリストたちは、報道室で働きながら感情的な苦痛を感じていることが分かった。定期的に暴力的なイメージを扱うジャーナリストたちは、いわゆるフラッシュバック、不安の回避といった症状を含む重度のPTSDを発症している。またアルコール摂取量の増加、抑うつ症状、身体的な苦痛(ストレスによる身体的症状)も見られた。

研究者の間では長年知られてきたことだが、暴力的なイメージは、人を敏感にさせる。すなわちイメージを見ることで、より心的ストレスを感じるか、または目にするものに慣れてしまい、一種の麻痺状態になり鈍感化するか、いずれかの状態にさせるという。麻痺状態になると、不快な刺激に対して脳が感情的な反応を示すことが減少する。こういった症状は暴力的なビデオゲームを長年続けてきた場合多く見られるという。

PTSDの診断基準は、DSM-5(精神疾患の統計・判断マニュアル)によると、トラウマを感じる出来事を本人が体験した場合だけではなく、生命を脅かすような悲惨な場面に立ち会っただけでも、発症する可能性があるという。しかしグラハム博士は、トラウマを感じるのは、現場で直接立ち会った場合に限るとはDSM-5では言及されていないと言う。

とはいえ、ネガティブなニュースは、抑うつ症状や不安、PTSDを感じにくい個人に対しては、必ずしもそういった症状を引き起こす訳ではないと知る必要がある。しかし、ネガティブなニュースが人々を悲観的にさせたり、世界に対してうんざりさせたりすることは確かにあり、それにより世界を過剰に暗く、悲観的に捉えてしまい、多くの明るくて良い一面を無視してしまう傾向がある。

この研究によって明らかになったことがある。私たちには、毎日のように目にする暴力や破壊に満ちたニュースを上回る、より多くの良いニュースが必要だということだ。心理学者のスティーブン・ピンカー(Steven Pinker)氏と、国際学教授アンドリュー・マック(Andrew Mack)が Slate誌に次のように書いている。

「世界は新聞の見出しが伝えるように、地獄に落ちていっている訳ではない。暴力事件は実際には減少しており、人々の生活の質は向上している。ジャーナリストたちはその事実を伝えるべきだ」。

ニュースサイト「ポジティブニュース」の創設者ショーン・ダガン・ウッド(Sean Dagan Wood)氏はTEDの講演会で次のように語った。

「より多くの良いニュースを報道することは、私たちを幸せな気持ちにする効果があるだけではなく、社会に関わり、日々直面する問題への解決策を探る大きな変化を引き起こす可能性を広げるのです」

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この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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