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LINEの出澤剛社長が会見 「アジアのシェアを取り、世界に挑戦」

2015年05月27日 22時40分 JST | 更新 2015年05月28日 15時19分 JST
Wataru Nakano

スマートフォン向け無料対話アプリを提供するLINE(東京)の出澤剛社長(41)は5月27日、都内の日本外国特派員協会で講演し、今後の拡大戦略について説明した。新規株式公開(IPO)については「具体的に決まっていることはない」として、上場時期など詳細は明らかにしなかった。ただ、企業の成長にとって資本調達は非常に重要な要素だとし、「IPOを含めた選択肢は常に検討・議論している」と述べた。

出澤氏は早大政経学部を卒業後、1996年朝日生命保険に入り、2007年4月ライブドア社長。2014年1月からLINE最高執行責任者(COO)、4月1日付で社長。長野県出身。

出澤社長の講演の要旨は次の通り。

■今後の方向性は「グローバル」と「プラットフォーム」

LINEはスマホの大変革期のチャンスに乗るかたちで、スマホの「入り口」としてうまく成長することができました。ただ、これからが我々にとってとても重要な挑戦になると考えています。

今後の方向性は、「グローバル」と「プラットフォーム」の成功、この二つになります。グローバルでは「ローカライズ」(現地化)を徹底してやっています。いままで数十カ国でテレビCMを含むキャンペーンを展開していますが、各国の流行りやテイストに合わせた形で細かく現地化をしているところです。

あとは、1年前に「クリエイターズマーケット」を始めました。誰もがスタンプを作ってLINE上で販売できるという取り組みです。世界中のクリエイターがスタンプ作りに参加し、我々も収益を配分するコミュニティをつくることができています。また現地企業とのコラボレーションも強力に進めています。一例を挙げますと、エアアジアさんとLINEのラッピング飛行機をご一緒するなどの取り組みです。

機能的に深い部分でのローカライズも進めています。例えば、「LINE Alumni」という同級生を探す機能です。今、東南アジアを中心に提供していますが、特にインドネシアで人気があり、これをきっかけにユーザーの伸びの角度が上がってきました。

■Webとメール減り、スマホアプリがネット利用の「入口」に

もうひとつの軸が「プラットフォーム展開」になります。前提として、インターネットがパソコンからスマホで見る時代になり、人々のインターネットでの動き方や情報の探し方、情報の流れ方がとても大きく変わっていると感じています。

Webとアプリの使用時間でいうと、アプリにユーザーが時間を使うことが圧倒的に多くなってきています。また、メールの使用率がどんどん下がっていると聞いています。パソコンでは当たり前だった「ポータルサイトから何かを探す」「検索サイトから何かを探す」というこれまでの流れが大きく変わりつつあるという認識があります。

その中で、スマホのインターネットのユーザーの「起点」「入り口」になるものは何かというと、スマホのアプリがその位置を占めるのではないかと考えています。そこで、このプラットフォーム展開は我々にとって重要な取り組みになります。

プラットフォームの中で二つ切り口があり、ひとつは「ライフ」、もうひとつは「エンターテイメント」という領域です。エンターテイメントに関しては、特にゲームをはじめとしてここ2、3年力を入れており、一定の成果を出していると思っております。また、マンガをLINE上で読める、あるいは音楽がLINE上で聴けるなどの展開をしています。

もうひとつ、これから特に力を入れていくのが「ライフ」です。先ほどのエンターテイメントのようなオンラインのコンテンツではなく、オフラインのサービスとLINEのユーザーを積極的につなぎ合わせていこうという試みです。

例えば「LINE Pay」という、LINE上で決済をしたり送金をしたりするサービスをコアに、様々な展開を考えています。既にUberのようなタクシー配車のサービスや、アルバイトを探す「LINEバイト」のサービス、あるいは短時間での出前や配達をする「LINE WOW」など、様々な分野に進出しています。

こういったプラットフォームのサービスは、日本やタイなどトップシェアを取っている国で展開をしています。トップシェアを取れていない国でやっても全く機能しないので、まず、より多くの国でトップシェアを取っていくという最初のグローバル展開の軸と、トップシェアを取れた国でプラットフォーム展開をしてサービスの多様性を広げ、ユーザーとの接触ポイント・時間を増やしていくということを今の戦略としています。

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講演・会見するLINEの出澤剛社長=東京・有楽町の日本外国特派員協会

■我々は世界にチャレンジするチケットを手に入れた

我々は、スマホが普及するタイミングの中、今のところ大きな成長をできていると思います。ただ、世界に目を向けたときに、この領域は非常に強いプレーヤーが多い領域です。我々が今いる状況というのは、世界にチャレンジするチケットを手に入れた状況だと自己認識をしています。

今までインターネットの世界は、基本的にはシリコンバレー中心の世界でした。スマホの世界になってアジアが活発になってきていて、我々も日本から出たサービスで、これからアジアのシェアを取り、さらに世界に挑戦していきたい、というのが今の我々が考えているところです。

    ◇

■手続きを外れていなければ情報開示も

講演に続いて質疑応答があった。

Q 日本やアメリカの証券取引所に株式を上場する計画があるとの話があります。IPO(新規株式公開)の予定は?

A 企業の成長にとって、資本の調達は非常に重要な要素なので、IPOを含めた選択肢は、常に検討したり議論したりしています。ただ、具体的に決まっていることはありません。

Q LINEから個人情報が漏れていることはないのでしょうか?

A 我々がユーザーさまからお預かりしている情報は、電話番号と、電話帳に入っている友達関係で、我々が見えない形で暗号化してお預かりしています。当然ながら、ユーザー間の通信に関しても完全に暗号化されており、我々も見ません。

Q 政府や捜査当局から情報開示を求められたら、どうするのですか?

A 法律にのっとった手続きの場合は開示することがあります。基本的には、それがすべてなので、何かイレギュラーなものだったり、手続きを外れた形で開示するということはあり得ません。

Q 子供のLINE利用について、問題を起こしていると批判もされています。どう考えますか?

A いじめにつながることは、事業者として真摯に向き合わないといけないと考えています。日本で多くのユーザーに使っていただいており、我々の責任は大きいです。各学校や教育関係者と一緒に勉強し、啓蒙していくことが大事だと考えています。そのため去年1年間で、300くらいの学校やPTAを周り、ワークショップ形式や講演をしました。今年はすでに前年の回数を超えており、1000以上の学校やPTAでこういった取り組みをする予定です。

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