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「謙虚な経営者」アメリカで次々と頭角を現す理由とは?

2015年08月18日 17時14分 JST | 更新 2015年08月18日 17時16分 JST
ASSOCIATED PRESS
Sundar Pichai, senior vice president of Android, Chrome and Apps, speaks during the Google I/O 2015 keynote presentation in San Francisco, Thursday, May 28, 2015. (AP Photo/Jeff Chiu)

今、アメリカでは「謙虚な経営者」に注目が集まっている。

そのひとりが、Googleの新CEOに就任するサンダー・ピチャイ氏だ。ピチャイ氏は、ハイテク企業幹部として世間が想像するような猛烈タイプでもなければ、若くして大成功して注目を集める人物でもない。かつて彼ともに仕事をした人が、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に語ったところによると、ピチャイ氏は「控えめで頭が切れ、自分の考えをしっかり持っていてとても慎み深い人」だという。

謙虚な経営者がより高い評価を受けているということは、PR会社のウェーバー・シャンドウィックが世界中の1700人の経営者を対象に実施した調査からも明らかになっている。調査によれば、「CEOの謙虚さ」についてとりあげた記事が2014年に大幅に増加した。

「CEOの謙虚さ」にとりあげた記事数

著名なCEOやドナルド・トランプ氏などは今でも派手なパフォーマンスで人気を集めているが、それでも「謙虚なCEO」に注目が集まっている背景には、会社よりも自尊心を優先させた経営者たちのせいで、金融危機の時に企業が大打撃を受けたことへの反省があるのかもしれない。

また、ソーシャルメディアも理由の一つとして考えられる。ソーシャルメディアは、有名人の失言を見つけては攻撃するので、謙虚さを欠く人や、激しい批判に耐えられない人、素直に過ちを認められない人はTwitterやFacebookでの攻撃にうまく対応できないからだ。

ピチャイ氏自身は「人に共感し、感じがよい」人物だという評価を受けている。これは、謙虚なCEOたちによく見られる特徴だ。

長年Googleの幹部を務めてきたピチャイ氏は、8月10日に発表されたGoogleの大幅な組織再編にあわせてCEOに抜擢された。今後Googleは規模が縮小され、アルファベット社という持ち株会社の一部門となる。

新生Googleが手がけるのは、主力の検索事業のほか、YouTubeやAndroid、ブラウザのChromeなどだ。自動運転自動車やスマートサーモスタットなど、実験的で利益も比較的少ない事業は別会社で行われるようになる。

また、「人間が永遠に生きる方法をみつける」という壮大な野望をゴールにGoogleが立ち上げた会社「キャリコ(Calico)」もアルファベット社の子会社となった。言ってみれば、グーグルは控えめなCEOをトップにしただけでなく、会社自体も控えめになったことになる。

現在43歳のピチャイ氏はインド出身でアメリカのスタンフォード大学大学院とペンシルベニア大学ウォートン・スクールで学んだ。この、インド出身の経営者が次々に誕生しているということも、アメリカのビジネス界のもう一つのトレンドだ。

他には、飲料大手ペプシコのインドラ・ヌーイCEOや、「スミノフ」「ジョニー・ウォーカー」「ギネス」などのブランドを所有するイギリスの蒸留酒大手ディアジオアイバン・メネゼスCEOなどがいる。

また、マイクロソフトのサトヤ・ナデラCEOも謙虚なことで知られており、アドビシステムズのシャンタヌ・ナラヤンCEOは、穏やかで先見の明があり物静かだが、一方で野心家と評されている

サザン・ニューハンプシャー大学の研究によれば、そういったリーダーたちは「謙虚さと強烈なプロ意識という、相反する要素を持ち合わせている」という。

もちろん、インド人のリーダーすべてが、同じスタイルで企業を率いているわけではない。また、アメリカ人で謙虚さを持ち合わせているリーダーもたくさんいる。たとえばアップルのティム・クックCEOもこのタイプのリーダーだ。

リーダーシップ専門のコンサルティング会社KRWインターナショナルの経営者フレッド・キール氏は「クック氏は、自分が正しいと思うことのために立ち上がり、間違いを率直に認めるタイプだ」と語っている。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]

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