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「LGBTって何だろう? 今、私たちにできること」 ハフポスト日本版がトークイベント開催

2015年09月29日 23時26分 JST | 更新 2016年01月22日 02時19分 JST

ハフポスト日本版が主催するトークイベント「LGBTって何だろう? 今、私たちにできること」が9月29日、東京・渋谷のマウントレーニアホール渋谷で開かれた。「LGBT」(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティー)への理解を深め、多様性(ダイバーシティー)のある社会を実現していくか、当事者や自治体の首長、議員らが語った。

LGBTの基礎知識「枠に当てはめずにその人のあり方を見ていく」

ishikawa

ニュースでよく耳にするようになった「LGBT」だが、実際どんな悩みを抱え、社会でどんなことに困っているのか、身近にいないと分からないことは多い。同性愛を公言している東京都豊島区議の石川大我さんが、そんな質問に答えた。フリー編集者の波多野公美さんと、ハフポスト日本版副編集長の伊藤大地が「そもそもLGBTって何ですか?」「何て呼べばいいんですか?」といった質問をぶつけ、石川さんがそれぞれのカテゴリーを説明しながら「LGBTだけでなく、枠に当てはめずにその人のあり方を丁寧に見ていく必要がある」「『ホモ』『レズ』は侮蔑的に響くこともある。でも、信頼関係があれば恐れることなく話していけばいい」と答えていった。

職場のLGBT「取り組みが求められている」

muraki

職場にLGBTがいるとき、どんな点に配慮すべきなのだろうか。特別な体制は必要なのだろうか。特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティの村木真紀さんは「LGBTの働きやすい職場――どんなことができますか?」と題して講演。「職場でもLGBTであることで困っている人、結構いるんです。何げない差別的言動に傷ついたり、不当解雇や昇進差別に遭う事例も出てきている。働きやすい職場をつくることは会社にも接客マナーにもいいこと。企業は今、取り組みが求められている」と訴えた。

■「『ウェルカミングアウト』はいかが?」

matsunaka

認定NPO法人グッド・エイジング・エールズの松中権さんは「見えないマイノリティLGBTを、ポジティブに可視化しよう」というテーマで、LGBTの権利拡大の歴史や置かれた現状などについて解説。「LGBTは目に見えにくい、語りにくいので、過去にはいろんな差別が存在した。それに対して、世界が動き始めている。最もパワフルな可視化は身近な人のカミングアウト。当事者にはすごく勇気が要ることなので、あなたたちが『ウェルカムだよ』とカミングアウトする、『ウェルカミングアウト』はいかがでしょうか」と提案した。

パートナーシップ制度「議論されて広がることが大事」

discussion

そして、日本で初めて同性カップルを結婚に準じる関係と認め「パートナーシップ証明」を発行することを議決した東京都渋谷区の長谷部健区長と、「パートナーシップ宣誓書の受領証」の発行を決めた東京都世田谷区の保坂展人区長を交え、パネルディスカッションを開催。LGBT支援法律家ネットワーク・メンバーの山下敏雅弁護士をモデレーターに、NPO法人・東京レインボープライド共同代表の杉山文野さん、LGBTアクティビストで元タカラジェンヌの東小雪さんが「LGBTの暮らしやすい社会へ――これからのダイバーシティを考えよう」というテーマで語り合った。

両区とも10月から11月をめどに公的証書の発行を開始する予定。法的根拠がなかったり、渋谷区は手続きに多額の費用がかかったりするなどの問題も残っているが、参加者は「とにかく制度がスタートすることで認知度が上がり、議論されていろんな自治体に広がることが大事」「遠くない時期に法律や制度をどうするかという国政の議論に必ずなっていく」と展望を述べた。

※講演やパネルディスカッションの内容は、順次詳報します。

■登壇者プロフィール(敬称略)

石川大我(豊島区議会議員)

taiga 1974年豊島区生まれ。明治学院大学法学部卒業。若者支援NPO法人代表理事、衣料ショップ経営、福島みずほ参議秘書を経て2011年初当選。日本で初めてゲイであることをオープンにして当選した議員。英字紙「Japan Times」社説に「社会的弱者の声を国政/地方自治に反映させる政治家」と紹介される。その活動は、ハフィントンポスト、朝日新聞「ひと」欄ほかTV・新聞・ラジオで報道多数。


松中権(認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表)

matsunaka 1976年、石川県金沢市生まれ。一橋大学法学部卒業後、株式会社電通に就職。2001年~2008年はストラテジック・プランニングセクションにて、国内外企業のコミュニケーション戦略に従事。2008年、海外研修制度にて米国NYのNPO関連事業に携わった経験をもとに、2010年、グッド・エイジング・エールズを仲間たちと設立し、以降、二足のわらじ人生を続ける。「LGBTと、いろんな人と、いっしょに」を合言葉に、セクシュアリティを越えてすべての人が自分らしく素敵に歳を重ねていける社会づくりを応援し、主な活動内容は企業やNPO・NGOとの積極的なコラボレーションを通したLGBTフレンドリーな「場づくり」。ワークショプ、シンポジウム、ランニングイベントから、カフェ、シェアハウス、コミュニティスペースまで多岐に渡る。2013年、米国国務省が主催する「International Visitor Leadership Program」の研修生に選出され、3週間かけて全米各所でのLGBT関連の活動団体や政府系機関を訪問しリサーチを実施。2014年10月1日、同法人が東京都より認定NPO法人としての資格を取得。2014年10月に渋谷区多様性推進条例の検討委員会に招聘され、LGBTが抱える課題と渋谷区として望まれる施策に関してのアドバイスを実施。2015年2月からはChange.orgを通して同条例案に対する11,000人超からの賛成署名を集め、同区内にて「LGBTと同性パートナーシップ証明書に関する勉強会」を開催。3月には渋谷区議会に対して陳情書を提出し、3月末の同条例案可決に向けた積極的な活動を行った。現在も同会社に勤務しながら、一般社団法人mudefの理事も務める。

村木真紀(特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ代表)

muraki 1974年茨城県生まれ。京都大学卒業。日系大手製造業、外資系コンサルティング会社等を経て現職。LGBT当事者としての実感とコンサルタントとしての経験を活かして、LGBTと職場に関する調査、講演活動を行っている。大手企業、行政等で講演実績多数。関西学院大学非常勤講師、大阪市人権施策推進審議会委員。第46回社会保険労務士試験合格。2015年「Googleインパクトチャレンジ賞」受賞。著書『職場のLGBT読本〜「ありのままの自分」で働ける環境を目指して〜』。

杉山文野(NPO法人東京レインボープライド共同代表)

fumino 1981年東京都新宿区生まれ。フェンシング元女子日本代表。早稲田大学大学院にてセクシュアリティを中心に研究した後、その研究内容と性同一性障害である自身の体験を織り交ぜた『ダブルハッピネス』を講談社より出版。韓国語翻訳やコミック化されるなど話題を呼んだ。卒業後、2年間のバックパッカー生活で世界約50カ国+南極を巡り、現地で様々な社会問題と向き合う。帰国後、一般企業に3年ほど勤め、現在は自ら飲食店を経営するかたわら、日本最大のプライドパレードであるNPO法人東京レインボープライド代表、セクシュアル・マイノリティの子供たちをサポートするNPO法人ハートをつなごう学校代表、各地での講演会やNHKの番組でMCを務めるなど活動は多義にわたる。日本初となる渋谷区・同性パートナーシップ条例制定に関わり、現在は渋谷区男女平等・多様性社会推進会議委員も務める。


長谷部健(渋谷区長)

shibuya 1972年(昭和47年)3月渋谷区神宮前生まれ。専修大学商学部卒業後、(株)博報堂を経て、2002年に特定非営利活動法人NPOグリーンバード(greenbird)を設立。原宿・表参道を中心に、まちをきれいにする活動・参加型おそうじボランティアプロジェクトに取り組み、現在、国内外70ヶ所以上で展開している。

2003年4月に渋谷区議に初当選、3期(12年)務め、その間に、はるのおがわプレーパークの設置やNPO法人シブヤ大学の設立、アースデーマーケットの企画、超福祉展の開催、同性パートナーシップ証明書を発行する全国初の条例成立などに取り組む。2015年4月27日から渋谷区長就任。


東小雪(LGBTアクティビスト)

higashi 株式会社トロワ・クルール取締役。1985年、石川県金沢市生まれ。元タカラジェンヌ/LGBTアクティビスト。東京ディズニーシーにて初の同性結婚式を挙げ話題に。テレビ・ラジオ出演、講演、執筆など幅広く活動中。TBS系列『私の何がイケないの?』、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』、NHK Eテレ『ハートネットTV』、TOKYO MX『モーニングCROSS』などメディア出演多数。著書に『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』(講談社)、『ふたりのママから、きみたちへ』『レズビアン的結婚生活』(共にイースト・プレス)がある。LGBT初のオンラインサロン「こゆひろサロン」運営。


保坂展人(世田谷区長)

hosaka 世田谷区長。ジャーナリスト。1955年、宮城県仙台市生まれ。高校進学時の「内申書」をめぐって「内申書裁判」をたたかう。1980年代から学校、教育問題をテーマにジャーナリストへ。1996年総選挙で衆議院議員となり、2009年まで、3期11年間をつとめ、国会質問546回を重ね「質問王」の異名をとる。2011年4月から世田谷区長。近著に『88万人のコミュニティデザイン』(2014年・ほんの木)、『闘う区長』(2012年集英社新書)


山下敏雅(弁護士)

yamashita 2003年東京弁護士会に弁護士登録。労災事件、子どもの事件、セクシュアルマイノリティ支援、HIV陽性者支援等に取り組む。LGBT支援法律家ネットワークメンバー。



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