ミニブタは小さくて可愛らしい。しかし中国の科学者たちは、今のサイズでは満足できないようだ。
中国・深川にあるゲノム研究所ビー・ジー・アイ(BGI) は、遺伝子技術を使って、一匹1600ドル(約20万円)のペット用ミニブタを作っていると9月下旬に発表した。
BGIが作っているミニブタは、ティーカップブタ (写真右) とは別の種類だ。動物保護サイト「ザ・ドド」によれば、ティーカップブタは実際には小柄のポットベリーピッグだという。
BGIは、バマ・ピッグという小型のブタの遺伝子を操作して、更に小さなミニブタを作る計画だ。
まず、TALENsという酵素を使ってバマ・ピッグの胎児細胞中に2つある成長ホルモン受容体遺伝子の1つを無効にする。
その後、胎児細胞から小さな雄のバマ・ピッグのクローンを作る。この雄を普通の雌バマ・ビッグと交配させると、生まれる子ブタの半分がミニブタになる。
ネイチャー誌によれば、ミニブタは元々実験動物として作られた品種で、病気の研究に使われてきた。
その中でも小型の品種は「生体構造、生理機能、遺伝的特徴が人間に似ているため、生物医学の研究によく使われている」と全米バイオテクノロジー情報センターは伝えている。
2005年、ジョージア大学とプロリニア社は、豚の皮膚細胞から健康なクローン子豚を作り出すことに成功した。
BGIの動物科学プラットフォームでテクニカル・ディレクターを務めるヨング・リー氏 は、遺伝子操作で作り出したミニブタに、クローンに関連する健康上の問題はみつかっていないと言う。
今後更なる遺伝子操作をすすめて、様々な毛色や模様のミニブタを作る、同研究所は自信をのぞかせる。
これに対して懐疑的な見方をする専門家もいる。
ニューヨーク大学医学部の研究者、ユースフ・アブドゥー氏はメディアサイト「インバース」に「遺伝子操作された動物には、規制を設ける必要があります」と語っている。「実験室で作られた動物は実験室に留めなければいけません。遺伝子操作された動物が優性遺伝子をもっていた場合、生態系を破壊するという可能性は十分にあります。実験用のラットやネズミをペットショップには置かないのには、理由があるのです」と説明する。
一方のBGI 側は、ミニブタをペットとして販売して得た利益は、ペットや医学研究の遺伝子操作をどう規制するかに関する研究に投資すると話している。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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