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オーガニック食品って本当に買う価値あるの? いい点と悪い点を比べてみた

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オーガニック食品は、普通の食品よりかなり高い。しかし本当に、高い金額を支払ってまで、買う価値があるのだろうか?

アメリカ農務省(USDA)が5月に発表した報告書には、オーガニック食品がどれだけ高いかまとめられている。一般的な食品に比べ、卵、牛乳、葉物野菜の値段は60%以上、リンゴやニンジン、グラノーラ、ホウレンソウは、7〜30%高い。オーガニック食品は、通常の食品に比べて手間がかかるため、消費者の手に届くまでに、値段が高くなってしまうのだ。


オーガニック食品と普通の食品の値段を比較した表。最も価格差が大きかったのは、卵の82%

これだけ高くても、本当に買う価値はあるのだろうか? 専門家に意見を聞きながら、オーガニック食品について現在わかっていることをまとめた。

オーガニック食品とは?

USDAによると、有機農産物とは「化学合成農薬、化学合成肥料、あるいは遺伝子組み換え生物を使用せずに育てられた農産物」だ。また肉類は、自然に近い環境の中で育てられ、抗生物質やホルモンを摂取せず、100%有機食材の飼料を食べて育った動物の肉でなければならない。

アメリカでは、食品に「100%オーガニック」と表記されていれば、有機食材のみで作られていることを意味する。「オーガニック」と表記されている場合は原料の95%がオーガニック、「有機食材を使って製造」の場合は70%が認定済みの有機食材を使っている。

しかし、この表示の信頼性に、疑念を持つ消費者もいるようだ。2015年に市場調査会社ミンテルが実施した調査によると、アメリカの消費者の大半が、「オーガニック表示は高い値段で売るための単なる口実に過ぎない」と考えていた。

実際、オーガニック表示が必ずしも信用できないことを示す証拠もある。専門家は、本当にオーガニックかどうかを確認できる監視システムがないことが、最大の問題だと考えている

とはいえ、オーガニック食品と一般の食品には、違いがあるようだ。2012年に医学学術誌「Annals of Internal Medicine」に掲載された分析によると、有機農産物に比べ、普通の農産物は残留農薬への暴露(化学物質、放射線、電磁波、紫外線などが体に取り込まれること)が5倍以上高かった。また、2014年に行われた別の研究では、オーガニック食品は有毒金属のレベルが著しく低く、抗酸化物質のレベルが非常に高いことがわかっている。

オーガニック食品は体にいい?

オーガニック食品が体にいいかどうかを、残留農薬、栄養価、抗生物質の面から考えてみたい。

アメリカのNPO「環境ワーキンググループ」によると、2014年にUSDAが検査した7000の農産物サンプルのうち、4分の3近くに残留農薬が含まれていた。中には、洗ったり皮を剥いたりしても、農薬が残っていた果物や野菜もあった。

こういった残留農薬の摂取は、パーキンソン病や、ガン、先天性異常など、様々な健康問題と関係があるのではないかと疑われている。しかし、食品から検出される農薬が、実際に人の健康に影響を与えるか量なのかどうかは、まだわかっていない。

2012年の分析では、一般の野菜や果物には、有機農産物よりはるかに多い量の残留農薬が含まれていたが、環境保護庁が定めた上限値は下回っていた。

栄養価に関しても、まだはっきりとしたことはわかっていない。

2012年の分析では、一般的な食品とオーガニック食品の間に目立った栄養価の違いはみつからなかった。一方で、2014年にイギリスの科学誌「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション」に掲載された分析は、有機農産物には、高い濃度の抗酸化物質や、有益な効果が期待できる化合物が含まれている可能性がある、としている。

また、2016年2月に発表された研究では、オーガニックの乳製品や肉には、オメガ3脂肪酸が約50%多く含まれていた。

「オメガ3脂肪酸は、循環器疾患の減少や、神経の発達、機能改善、免疫機能向上と関係があると考えられていますが、食事から十分な量を摂取するのが難しい栄養素です。オーガニック食品に切り替えることで、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やせる可能性があると、研究は示しています」と、研究者の一人、イギリス・ニューキャッスル大学のクリス・シール教授は綴っている

抗生物質については、残留農薬や栄養価より多くのことがわかっている。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のウェブサイトには「家畜への抗生物質の投与が、私たちの健康に悪影響を及ぼし得るということは、世界中の科学者によって確認されています」と書かれている。抗生物質の家畜に投与すると、バクテリアが進化して、抗生物質に耐性を持つようになってしまう。オーガニックミートや、抗生物質を使わずに育てられた肉を選ぶ方が、通常の肉を選ぶよりもよい選択と言えそうだ。

その他の利点

オーガニック食品を選ぶかどうかは、地球の健康にも影響する。ニューヨーク大学のマリオン・ネスル教授は、「有機農法が、土壌や持続可能性にとって良いということは、実証されています」と、ハフポストUS版の取材に答えた。

また、飢餓問題を扱う国連の食料農業機関(FAO)も、有機農法は長期的な持続可能性を実現させ、生物多様性を確保し、土壌を改善するなど、数多くの利点があるとしている。

とはいえ、有機農業の方が環境にいいとは言い切れない。ある分析によると、土地1エーカー(約4000㎡)あたりで考えると、有機農法は環境に与える影響が一般の農業より比較的少ない。しかし、生産単位あたりでは必ずしもそうならない。

一方で、農薬や化学物質は、農業地域に住んでいる人々の健康にリスクを与える危険性がある。カリフォルニア州では、イチゴ農園で使用されている農薬とこの地域に住む子供のガンリスク増加に関係があることを示す証拠確認された。オーガニック食品を選べば、こういったリスクの軽減につながるだろう。

また、オーガニック食品を選ぶことは、食品業界全体にもいい影響を与える可能性があるという。環境暴露の専門家、ハーバード大学のチェンシェン・リュー准教授は、「有機農業は、安全で安心な食品をつくりたいと思っている農家にとって魅力的です。有機農業を促進すれば、そういった農家が増えるでしょう。また、企業による独占の排除にもつながり、経済的にもいい影響があるでしょう」と、ハフポストUS版のメール取材に答えた。

消費者団体「フード・アンド・ウォーター・ウォッチ」は、農業や食品業界は大企業によって独占されている、と報告している。例えば、大豆加工市場の85%、牛肉加工市場の82%を、大手4社が占めている。経済的な面から考えて、こういった寡占状態は農家のためにも消費者のためにもならない。

「中小規模の農場の方が、企業経営の大規模農場より、高い所得や低い失業率、低い賃金格差を実現しています」と、フード・アンド・ウォーター・ウォッチは報告している。

予算内でオーガニック食品を買う方法

とはいえ、やはり値段がネックになって、オーガニック食品を買うのをためらってしまうかもしれない。そんな人にネスル氏がお勧めしているのが「可能な範囲で、可能な時に買う」だ。

その方法を幾つかご紹介しよう。

1. 購入する食品に優先順位を付ける

コロンビア大学の栄養士デボラ・ゲーツバーグ氏は「一番オーガニック食品を食べて欲しいのは、幼い子供や妊娠している女性、免疫系が弱っている人です」と、アドバイスしている。

自分や家族がたくさん食べる食品をオーガニックにするのも、お勧めだ。「食品から、農薬を繰り返し摂取することは、農薬に時々触れるよりも、健康に悪影響を与える可能性がある」とリュー氏は話している。

また、皮ごと食べる果物や野菜も、オーガニック食品がいいだろう。

加えてゲーツバーグ氏は、「化学物質の残留量が多い食品をオーガニックにし、少ないものは普通の食品にする」方法もお勧めしている。

環境ワーキンググループが残留物が残りやすい食物のリストと、残りにくいリストを公開しているが、それによれと、残留物が残りやすいのはイチゴ、リンゴ、モモ、グレープ、ホウレンソウなどで、残りにくい農産物は、アボカドやスイートコーン、パイナップル、キャベツ、カリフラワーだ。

2. 旬のもの(可能であれば、地元で獲れたもの)を買おう

旬のもの買うのは、有機農産物を安く手にする一つの方法だ。ファーマーズ・マーケットや、地域密着型の農家から買ってもいい。

地元でつくられた食べ物は、他のものよりも新鮮で美味しいことが多い。その理由を、バーモント大学のバーン・グラビンガー氏はこう述べている。

「作物は最も旬の時期に収穫されます。チーズなど農場で作られる製品は、美味しさを考えて手作業で作られています。畜産品は、農場の近くにある施設で加工されることが多く、加工業者と直接的な関係を築いている農家が、品質を管理しています。そのため、大規模な工場で加工される畜産品とは品質が違います」

3. まとめ買いで節約

大手スーパーマーケットの中には、プライベートブランドでオーガニック食品を扱っているお店もある。まとめ売りされているオーガニック食品を買って、節約するのも一つの手だ。

4. セールやクーポンをチェックしよう

オーガニック食品のセール情報を届けるサイトを探して、定期的にチェックしてみよう。お買い得情報がみつかるかもしれない。

5. 自分で育てる

自分で農作物を育てるのはそれほど難しいことではない。必要なのは少しの努力と我慢だ。有機菜園を始めたい人向けのウェブサイトや、ベランダ菜園の情報が掲載されているウェブサイトを参考にしよう。

まとめ

オーガニックを買うかどうかの判断は、「自分が何を優先したいか」次第なのかもしれない。多くの専門家は、バランスの取れた食事をしながら、自分の選択が、地球全体や農業地域にどんな影響を与えるのかを意識することが、オーガニックを選ぶ上での鍵だと考えている。

極上の有機リンゴは買えないかもしれない。だけど気を付けたいのは、残留物が怖くて、野菜や果物を食べなくなってしまうことだ。ネスル氏は、「オーガニックであってもなくても、果物や野菜を食べるのは、健康にいい」と話している。

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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