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【党首討論・発言詳報】安倍総裁、岡田代表ら9党首、「アベノミクス」「経済」で参院選前に激しい舌戦

2016年06月19日 18時48分 JST | 更新 2016年06月19日 20時02分 JST

参院選(6月22日公示、7月10日投開票)を前に、6月19日午後8時から、ネット企業10社による「ネット党首討論」が開催された。自由民主党・安倍晋三総裁、 民進党・岡田克也代表らは何を語るのか、党首たちの発言を速報する。

また、ハフポスト日本版では、会場となる東京・六本木のニコファーレ前の様子をFacebook Liveで生中継。さらに後日、ハフポストブロガー陣による党首討論観戦記をお届けする。

▼テキスト中継

▼テーマ1:安倍政権の経済政策について

【自由民主党・安倍晋三総裁】

3年半前に我々は政権を奪還し、失われた国民総所得50兆円を取り戻すと約束しました。すでに40兆円を取り戻しました。今年中には50兆円(全てを)取り戻せる予定です。雇用は110万人増やしました。有効求人倍率は24年ぶりの高い水準になっています。有効求人倍率が1倍以上というのを史上初めて全国で実現しました。

給料も上がっています。過去最高の賃上げ率が3年連続で続いています。パートの皆さんの時給も過去最高です。でも、まだ(景気回復の)実感がないという人もいるため、アベノミクスは道半ばであります。アベノミクスはギアを2段、3段上げてエンジンをフル回転していきます。我々はこの3年間、税収を21兆円増やしました。この成長の果実を子育て支援や介護の充実のために使っていきます。安定した社会基盤の上にさらに成長し、社会保障を充実させていく。成長と分配の再循環をうまく回しながら、皆さんに景気がよくなったと実感していただく日本を作ってまいります。

【民進党・岡田克也代表】

安倍総理は自分に都合のいい数字をいろいろお話になっていますが、実質所得が減っていることは間違いない。そもそも消費が低迷している。だからこそ消費税を上げることも先送りした。国民の8割は景気回復を実感していない。ここで答えが出ていると私は思います。

アベノミクスで最も大事なのは、「構造改革」という3本目の矢。成長戦略で生産性を高めている。しかし、経済成長率は目に見えて上がってはいない。実際には金融でエンジンをふかしてきただけ。その金融も特に効果があったのは金利を下げて円安にして株が上がった。ここは一時的には効果あったけど、それも様変わりして、円高が定着してしまった。完全に行き詰まってしまった。成長と分配の両立が必要。子供の6人に1人が貧困という状態で、こういうことに真剣に向き合う政治でなければいけない。誰もが将来に不安を持っている中で道筋が必要。

【公明党・山口那津男代表】

安倍総理のおっしゃったことに加えて、この3年余りで雇用が改善して参りました。高校生の就職率は24年ぶりの高水準。大学生の就職率も過去最高。これは正規雇用についてる人が増えてきている。

団塊世代がリタイアしていますから、正規雇用者そのものは50万人以上減ってますが、新たな雇用者が増えている。こうした雇用環境のもとで、賃金が上がっています。ベースアップが3年以上続き、税収の増加に繋がっている。消費増税を8%に上げて税収は8兆円増えましたが、税収全体では国と地方を合わせて21兆円増えている。これは所得税・住民税・法人税なども増えているということです。このアベノミクスの成果を分配にも生かしていきます。成長と分配の好循環を作っていかなければなりません。消費税の10%へのアップは延期しますので、アベノミクスの成果を分配に生かしていき、2年間繋いでアベノミクスの行き届かないていかないところにも及ぼしていく。

【日本共産党・志位和夫委員長】

アベノミクスの失敗は、はっきりしたと思っています。安倍さんは「世界で一番、企業が活躍しやすい国を作る」と宣言し、大企業を応援してきました。しかし待てども待てども一般には回ってこない。大企業は3年連続で過去最高の利益をあげたが、庶民の生活はどうか。働く人の実質賃金は、5年連続マイナス。5%目減りし、1990年以降最低に落ち込みました。日本経済の6割を締める個人消費は2年連続マイナス。

格差を正す3つのチェンジを提案する。第一には、税金の集め方をチェンジ。消費税引き上げは、きっぱり中止して別の道で財源をつくる。第二は、税金の使い方を変える。社会保障や若者・子育てに優先して使う。保育園に落ちない日本にする。大学の学費を10年間で半減し、給付制の奨学金を。第三に働き方のチェンジ。ブラックな働き方をなくし、残業時間を規制し過労死をなくしていく。非正規から正社員へと変えられるような雇用ルール強化を目指す。最低賃金は今すぐどこでも時給1000円にし、1500円を目指す。

【おおさか維新の会・松井一郎代表】

今の経済状況は、民主党政権のころよりはマシになってきています。金融緩和は正解でした。ただ財政出動については消費増税したことで効果が薄くなった。自民党のできないところは、規制緩和はさまざまな団体の支援を受ける関係で非常に弱い。我々も特区で申請していますが、3年間スピード感持って進んでいない。新しい産業が芽生えていないのが問題です。消費増税が延期されました。我々は凍結すべきだと言っています。

社会保障の状況は待ったなしです。僕は今、大阪府の知事ですけど、東京都知事との比較しました。4年間勤めましても給与は東京都知事の半分です。トップ自らが身を切る改革で、役所の雰囲気は変わります。平成19年と比べて職員を2700人を減らしました。こうやって財源を生み出し、それを社会保障に充てていくというのが、イシノミクス。維新の主張です。

【社会民主党・吉田忠智党首】

社民党の経済政策はボトムアップです。アベノミクスは大企業や富裕層を応援すれば、国民に滴り落ちると言いましたが、結果として景気回復の実感はない。安部総理は消費増税の環境をつくるといって、衆院を解散したが、結局は先送りにした。社民党は消費税増税には反対。

アベノミクスではなくボトムアップを提案する。一律1000円、1500円の最低賃金に。中小企業への支援を増やす。大企業との中小企業との格差、正規雇用と非正規雇用の格差をなくす。ブラック企業の長時間労働の削減。地方と中央の格差をなくす。パナマ文書のような大企業や富裕層への税金逃れを許さない。大企業への法人税率引き下げは効果が出ていない。所得税の累進課税の強化など不公平税率を是正し、社会保障費を増やすべきです。

【生活の党と山本太郎となかまたち・小沢一郎代表】

アベノミクスによって景気は回復し、国民の生活が豊かになるという触れ込みでしたが、現実は国民の実質所得は5年間減少していますし、最新の報告では家庭のエンゲル係数も急上昇しています。このようにアベノミクスの元で国民の生活は苦しくなる一方です。

さらには年金基金の株の運用ミスで何兆円もの損失が出ていると言われています。私どもは、自由競争や市場原理最優先の政治の基本的な考え方を改めなくてはいけない。政治は生活であるということを、しっかりと基本に据えて政策の実行をするべき。特に景気を回復するためには、GDPの6割以上を占める個人消費の拡大が絶対に必要。今のままでは無理。国民の生活を安定させることができるような社会にすることが大事。そのためには雇用、年金、医療などの問題など、国民生活に密着する政策を第一にに考えて行くべき。

【日本のこころを大切にする党・中山恭子代表】

消費税の引き上げは、所得が倍増するくらいまで凍結すべきだと考えています。日本経済は暗くて長いデフレからやっと脱却できそうな状況です。もうひと頑張りです。財政政策が非常に不十分だと考えています。

民間需要が十分でないときには、政府が公共事業を実施して需要喚起が必要です。公共事業は決して悪ではありません。先人たちが橋やトンネルを作り、上下水道を全国津々浦々に整備したおかげで今の生活がある。こうしたインフラが老朽化しているため、インフラ整備が喫緊の課題。

私どもは共同溝の設置を提案している。道路の下に大きなトンネルを作り水道から情報、ガス管などのインフラを設置する。災害時にも使える設備が急務。この公共事業によって景気が回復することは間違いありません。経済成長すれば個人所得も増加する。

【新党改革・荒井広幸代表】

脱原発するただ一つの政党、新党改革の荒井です。たとえば失業保険・雇用保険の積立金は6兆円で、この20年間で最高に積み上がっている。これはアベノミクスの成功で失業者が減ったからです。この6兆円を活用させてもらって、消費増税をしなかった部分を合わせて介護と保育で使わせていただけないかと提案している。アベノミクスは鶏でたとえれば、鶏を太らせて良い卵を産んでいくという税収から雇用という段取りだったが、今度は格差対策をしていくし、そこを我々も提案したい。もし民主党だったらこんなにうまく行くでしょうか。「(アベノミクスは)失敗だ」というのではなく、提案して成功させた方が得です。政策提案で競い合うべきだと思っています。みんなで力を合わせて景気のみならず、我が国を良くしていく。どうぞ皆さん我々「改革」の問いかけに答えてください。

▼テーマ2:憲法のあり方、改正の是非について

【民進党・岡田克也代表】

大変大きな危機感を持っています。このままで間違った方向に日本が行くのではと。自民党の憲法改正草案は集団的自衛権の行使を限定なくできるようにするという趣旨だと思います。日本国憲法の平和主義そのものが大きく変えられてしまう。私は、(安倍総理が改正派が)3分の2を取れば憲法改正の発議を手がけると確信しています。我々は憲法について議論するのはやぶさかではないですが、立憲主義を理解した総理でないと危ない。力で最後は押し切るという姿勢である限り、憲法問題の議論は慎重でなくてはいけないと思っています。

【公明党・山口那津男代表「憲法について」】

憲法は各党いろんな考え方がある。例えば自民は草案を作って全体を変えようという党是。公明は今の憲法は基本的に良いものだということを前提に、新たに価値を加えていく、加憲の立場を取っている。連立政権を作った時に合意した。与党の立場で行政権をどう運営するか、を決めるのが与党であり、そのための合意。国会の立場で、憲法は衆参で発議するという場なので、それぞれ政党として憲法についても国会で理解を深めようと。憲法改正は、与党として合意を作って発言するとは違う枠組み。違う枠組みで議論する話。その後、議論の深まりや合意形成には必ずしも進んでいない。憲法改正に国民の皆さんに問いかけるほど成熟していない。国会の中で議論を深め、国民の理解も伴うようにする努力がなされるべきだ。憲法9条をめぐっては、平和安全法制を作る中で、これまでの政府の考え方の基本を守る中でギリギリの見解を定めた。集団的自衛権は他国を防衛するような自衛権の使い方は認めないというのが9条の考え方と明記している。

【日本共産党・志位和夫委員長】

安保法制は数の横暴で決まりましたが、集団的自衛権は日本が攻撃を受けてなくてもアメリカの戦争相手に日本の若者を駆り立てることになります。憲法違反の安保法制は廃止するしかありません。戦後ずっと来た憲法9条のもとでは集団的自衛権を行使できないという憲法解釈を覆すという立憲主義を破壊する禁じ手を使いました。自民党改憲案の内容は、憲法9条2項を全面削除し、国防軍を明記し、海外での武力行使を無条件で認めるもの。憲法が憲法でなくなる。憲法によって国民を縛るものへと変質させる、自民党の憲法改正案を許していいかどうかは今度の選挙の争点。

【おおさか維新の会・松井一郎代表】

憲法を変えるかどうかを決定するのは国民。国民投票だ。国会議員の選挙が憲法改正につながるわけではない。どの部分を発議するかは、責任ある政党は案を出さねばならない。憲法は9条だけではない、戦後一度も変わらなかった憲法。時代に合わない部分もある。国と地方自治体の統治機構改革が必要だ。まずは統治機構の改革をせねばならない。道州制テーマに各種選挙行われた。道州制賛成国会議員は過半数だが全く手付かず。東京一極集中を是正し、分散する日本のために統治機構改革は必要。このために憲法改正の発議をしたい。決めるのは国民。教育無償化も同様。

【社会民主党・吉田忠智党首】

安倍首相は自分の任期中に憲法改正したいと言いました。今回の参院選にとって憲法改正は大きな争点です。今年で憲法公布から70年ですが、一字一句変わっていません。国民がそれを望まなかったからです。今大事なことは変えることではなく、生かされていない。貧困格差が広がっている。東日本や熊本の被災地の現状では憲法の条文が生かされていません。現実を憲法に近づける方が重要です。占領下で押しつけられた?

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