【トイレ法案】NBA、LGBT差別法があるノースカロライナ州でオールスターゲームを開催せず

「HB2が作り上げた反LGBT的な風潮の中で、オールスターゲームをシャーロットで開催し、成功させることはできない」

NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏

アメリカのプロバスケットボール協会(NBA)は7月21日、2017年にノースカロライナ州シャーロットで予定されていたオールスターゲームをとりやめ、開催地を変更すると発表した。ノースカロライナ州で3月に成立した、通称「トイレ法案」と呼ばれるLGBT差別法(HB2)に抗議するためだ。

「NBAが事業をしている全ての街、州、国で法律を選べないことは認識しています。その一方、HB2が作り上げた反LGBT的な風潮の中で、オールスターゲームをシャーロットで開催し、成功させることはできないと信じています」と、NBAは声明で述べた。

3月に決議され、物議を醸しているこのトイレ法案は、トランスジェンダーの人々が今認識している性別ではなく、出生証明書と同じ性別のトイレを使用するよう強制するものだ。また、「あらゆる差別をしない」ポリシーを徹底するため、地方自治体がLGBTコミュニティを守ることを禁じている。

NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は4月に、HB2が改正されないなら、リーグはシャーロットで開催が予定されるオールスターゲームを取りやめる、と警告していた。しかし、期限は設定していなかった。今回の決断に至るまで、NBAが納得できるような法案改正をするよう、NBAと地元チームのシャーロット・ホーネッツが政治家に働きかけていた

NBAは代替地を最終決定していないが、数週間のうちに決断すると述べている。スポーツ専門サイト「ザ・バーティカル」によると、NBAはニューオーリンズを代替候補地として検討している。

アメリカ最大のLGBT公民権団体「ザ・ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」と、ノースカロライナ州に拠点のあるLGBT擁護団体「イクオリティNC」は、共同声明で差別に反対の立場を示したNBAを称賛した。

「NBAおよびコミッショナーのシルバーは、LGBTの従業員、選手、ファンへの差別に反対するという明確なメッセージを本日発表しました」と、HRCのチャド・グリフィン代表は声明で述べた。「HB2が法案として残っている間はずっと、ノースカロライナ州の人々は実害を被る危機にあります。平等に賛成し、再度政治家に、非道徳的なHB2法案を廃止するよう求めているNBAのリーダーシップに感謝しています」

オールスターゲームがキャンセルされることで、シャーロットが最大の被害者となるかもしれない。シャーロットはHB2法案が成立する前に、トランスジェンダーの人々を守ろうと努力していた街だ。トランスジェンダーコミュニティを差別から守るため、1カ月前にシャーロットでは決議案を可決したばかりだ。ノースカロライナ州で反LGBT州法が成立したため街は対抗案を成立させられなかった。

NBAの声明によると、ノースカロライナ州が問題を解決した場合は、シャーロットで2019年オールスターゲームを開催する可能性を残した。NBAはこの決断について、ノースカロライナ州のファンに謝罪した。

「この決断がもたらすノースカロライナ州のファンへの影響について私たちは特に留意しています。ノースカロライナ州のファンはリーグの中で最も情熱的です」と、NBAは述べた。「またシャーロットとホーネッツが、LGBTの人たちを受け入れる環境を提供しようと努めていること、そしてホーネッツが全てのファン(LGBTコミュニティのメンバー含む)が歓迎されていることも付け加えておきます」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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