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安倍首相、南スーダンの武力衝突は「戦闘行為ではない」 厳戒視察した稲田防衛相は...

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SHINZO
参院予算委員会で答弁する安倍晋三首相。左後方は稲田朋美防衛相=10月11日午前、東京・国会内 | 時事通信社
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自衛隊がPKO(国連平和維持活動)に参加する南スーダンで7月に発生した、政府軍と反政府側の大規模な武力衝突について、安倍晋三首相は10月11日の参院予算委員会で「戦闘行為ではなかった」との認識を示した。

南スーダンの首都ジュバでは7月、270人以上が死亡する武力衝突が発生し、自衛隊宿営地の隣にあるビルでも銃撃戦が起きた。これについて、民進党の大野元裕氏は「(政府軍と反政府側の)戦闘ではなかったのか」と稲田防衛相に質問した。

PKO協力法に盛り込まれている「PKO参加5原則」では、自衛隊のPKO派遣には「(1)紛争当事者間の停戦合意が成立」「(2)受け入れ国を含む紛争当事者の同意」「(3)中立的立場の厳守」「(4) (1)〜(3)の条件が満たされなくなった場合に撤収が可能」「(5)武器使用は要員防護のための必要最小限に限る」と定められている。民進党や共産党などの野党は臨時国会の議論を通じ、南スーダンの治安の悪化を指摘。自衛隊の撤収を求めている。

質問に立った大野氏も「戦闘であれば、内戦ということになる」と指摘した。

稲田氏は「戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為」とした上で、南スーダンの事例は「こういった意味における戦闘行為ではない。衝突であると認識している」と回答。これに対し、大野氏は「戦闘ではなかったのか」と再三にわたって質問。途中、審議が中断する場面もあった。

稲田氏に代わって答弁に立った安倍首相は、「武器をつかって殺傷、あるいは物を破壊する行為はあった」とした上で、「戦闘をどう定義づけるかということについては、国会などにおいても定義がない。大野さんの定義では"戦闘"となるかもしれないが、我々は一般的な意味として衝突、いわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている」と発言。あくまで、戦闘行為ではなかったという認識を示した。

■南スーダン、首都につながる幹線道路で襲撃事件も

NHKニュースによると、首都ジュバから100キロほど離れた幹線道路で8日、武装グループが市民を乗せたトラック4台を襲撃。21人が死亡、約20人が負傷した。南スーダン政府関係者は反政府勢力によるものと非難。これに対し、反政府勢力側は「市民を標的にした攻撃は行っていない」と否定している。

稲田氏は8日にジュバを訪問し、自衛隊のPKOを視察した際に「市内は落ち着いていると目で見ることができた」と語っていたが、首都へとつながる幹線道路でも政府軍と反政府側の武力衝突が発生したことで、不安定な治安情勢が続いていることが明らかとなった

稲田氏は、11日の参院予算委員会での答弁の中で、「南スーダン政府の閣僚をはじめ、国連特別代表とも意見交換し、部隊視察やジュバのさまざまな所を視察した。ジュバの中の状況は落ち着いているという認識をした」と発言。安保関連法に基づく「駆け付け警護」など、新任務を自衛隊に付与した場合も、「リスクは高まることはない」という認識を示した。