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トランプ氏、いつもと違う? チャリティ晩餐会で自虐スピーチ(全文)

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TRUMP SPEECH DINNER
Jonathan Ernst / Reuters
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共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏が10月20日夜、ジョークに満ちたスピーチで、いつも通りのトランプ節をさく裂させた。

トランプ氏はマンハッタンで行われた年次行事「アル・スミス記念財団晩餐会」に白の蝶ネクタイを着用して出席し、次から次へとジョークを飛ばした。中には素晴らしいものもあったが、15分間のスピーチ後半では、上流社会の聴衆はあからさまにブーイングした。彼が民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏を品のない言動で揶揄したからだ。

毎年開催されているこの晩餐会は、カトリック・ニューヨーク大司教区のチャリティ・イベントだ。大統領選挙期間中は、伝統的に両方の候補者がスピーチする。大統領選挙の年には、候補者が自虐的なジョークを交えたスピーチをするのが恒例となっている。しかし、今回は緊張感が漂っていた。トランプ氏が発言すると、すぐそばに座っていたクリントン氏は、何とも言えない笑い声をあげた。

このアル・スミス記念財団晩餐会があったのは、10月19日にラスベガスで2人が激論を交わした後のことだ。大統領選挙日前に両者が同じ部屋で顔を合わせるのは、おそらくこれが最後だろう。

全文を紹介しよう。

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アル、ありがとう。わぉ。美味しかったよ。うむ。素晴らしい晩餐会だ。枢機卿に感謝したいと思います。またお目にかかれて光栄です。クオモ知事、そして偉大な議員の皆さん、ありがとうございます。やあ、チャック。私が共和党員だった頃、彼は私のことが大好きだったんだけどね。

デブラシオ市長。どこにいるかな。デブラシオ市長はどこですか?(発言内容不明)昔は彼のことをよく知っていたのですが。不動産業をあまりしてない頃はね。アル・スミスとアン・スミスに感謝します。素敵な晩餐会をありがとう。記録達成おめでとうございます。600万ドルでしょう? 記録を作りましたね。

そして、この場にいる皆さんにご挨拶申し上げます。とても長い間、私と知り合いで、私のことを愛してくれています。本当です。

政治家の皆さん、自宅に招待してくれましたね。子供たちに私を紹介してくれました。たいていは友達になれました。子供たちは私のサポートを求めていたのです。そしていつもお金を欲しがりました。親しげに私を呼びました。「やぁ、元気?」ってな具合でね。ですが、私が共和党から大統領選に出馬すると、突然「ダメ人間」「腐ってる」「嫌気がする」「ろくでなし」となったのです。彼らは私のことなどまったく覚えていません。

まあ、それはいいです。こうしたイベントでは、いつも自虐的ジョークからスタートするのですが、私の場合、それは辛いだろうと思っている人もいるでしょう。でも、実際は ...

その通りですね。実際は、私は謙虚な人間です。とても謙虚です。本当です。大勢の人が、謙虚こそ私の最高の資質だと言っています。

気質よりもずっといいですね。

ドラン枢機卿と私には、いくつか共通点があります。例えば、五番街に素晴らしい物件を所有しています。枢機卿の物件の方が私のものよりずっと素敵ですけどね。というのも、私の場合、自分の美的センスで建てたからです。

枢機卿の場合は、神のセンスで建てられました。誰も神と競い合うことはできません。ですよね? 誰一人として。でしょ?

そうです。できません。

今日は1000人の素敵な人たちに囲まれて嬉しいです。または、ごく親しい友人とのささやかな晩餐会というべきでしょうか。ヒラリーはこれを今シーズン最大の観衆というでしょう。

あぁ、そうですね。これはあまりクールなジョークではありませんね。この晩餐会では、私はすこし有利な立場にいます。大司教区の皆さんは、すでにお分かりかと思いますが、父親を手伝って大工をしていた男を受け入れてくれています。私は大工でした。

本当です。短い間でしたが、大工でした。3週間くらいですかね。アル・スミス晩餐会のどこが素晴らしいかというと、過酷で苦しい激戦の選挙戦で、ヒラリーはどうだか分かりませんが、昨日の夜は「政治史上最も悪質な大統領候補討論会」と言われました。「最もたちが悪い」と。

どうですかね。それでよかったと思うべきでしょうか。2人ともどうあるべきでしょうか。ですが、世間は、私がかつてのリンカーンを思い出そうとしているとも言っているのです。太刀打ちできませんがね。大統領候補者は共に気軽なコメントも言い合っています。本当です。ヒラリーは今夜、絶対に大笑いするでしょう。適切な場面でね。

いろいろと交戦がありましたが、昨夜の討論で、私と敵対する人たちとの間で火花が散りました。しかし、今夜は、確実にお互いを尊重し合えるようになっています。演壇に上がる前、偶然、ヒラリーと鉢合わせになりましたが、彼女は礼儀正しくこう言ったのです。「ごめんなさい」って。

私も丁寧に返事をしました。「私が大統領になったら、そのことについてゆっくり話しましょう」

冗談ですよ。冗談。ヒラリーはとても気品があります。もし彼女が当選したら、間違いなく、私をイラク大使か、アフガニスタンへ送り込んでくれるでしょう。そう希望します。

今夜、気付いたことがあります。私はヒラリーを長い間知っていますが、初めてのことです。それは、ヒラリーがこの晩餐会の席に座って、大企業のリーダーたちと話しているのですが、お金をもらっていないんです。

そうでしょ。そうですよね。

昨日の夜は、ヒラリーを「嫌な女」と呼びましたが、それは相対的なものです。彼女がだらだらと喋るのを聞いたら、ロージー・オドネル(注・トランプ氏が「なんてつまらない人間なんだ」と罵倒したテレビ司会者)はそれほど悪くないと思うんです。

事実、私は本当にロージーを好きになりそうです。

こうした社交的な場は、両方の候補者が一緒にいられる唯一のイベントです。お互いに相手側のチームと対面できます。よいチームです。

ヒラリーは私の選挙マネージャーと会いました。私は彼女を当選させようと必死になっている人たちと会うことができました。例えば、NBC、CNN、CBS、ABCのトップたちです。ニューヨーク・タイムズもです。すぐそこに本社がありますよね。それとワシントン・ポストも。

みんな残業中です。本当に。

やっかいなことになるな。

ヒラリーにではなく、オバマ大統領は「泣き言を言うな」と私に言いました。しかし、私はこう言わなければなりません。今年のメディアは以前よりも偏っている。かなりね。証拠はって? ミシェル・オバマが演説すると、みんな大喜びだ。素晴らしいと口々に言う。本当に最高だと褒める。私の妻のメラニアがまったく同じ演説をすると ...

... 非難の嵐だ。

納得いかないね。なぜだろう。

彼女のせいじゃない。メラニア、立って。頑張れ。彼女はたくさん嫌がらせを受けた。

この後、家に帰ったら大変なことになるな。彼女は知らなかったんだ。私は大丈夫? 大丈夫だよね?

枢機卿、彼女に話してあげてください。

宗教的に大切なことを言おうと思います。告解についてです。ヒラリーが言っています。独立記念日の頃、コミーFBI長官が決めたのです。

ヒラリーがこの晩餐会の前に告解したと聞きました。ですが、神父は大変だったそうです。彼女に犯した罪を尋ねると、思い出せないと39回も言ったそうです。

ヒラリーは堕落しています。ウォーター・ゲート委員会から追い出されたのです。

ウォーター・ゲート委員会から追放されるなんてどれだけ堕落しているんだろう? かなりの堕落です。ヒラリーは過去にも、そして現在も政界にいます。70年代からずっとです。彼女の売り文句は何でしょうか? 経済破綻? 政府の腐敗? ワシントンが揺らいでいる? 彼女はこう言うのです。「私に投票してください。私はこうした問題に30年間取り組んでいます。解決できます」

ヒラリーが今夜、ここに来るかどうか分かりませんでした。まさか、招待状をメールで送ってないだろうね。送ったかもしれないけれど、ウィキリークスが教えてくれたのでしょう。

ウィキリークスからいろいろ学びました。例えば、ヒラリーは、人々を欺くには公の政策をひとつ持つことが大切だと思っています。プライベートではまったく違う政策なのに。

まぁ、いいでしょう。誰がヒラリーに腹を立てているか分からない。あなたか、私か。彼女は今夜、こうして公の場に姿を見せているが、カトリックが嫌いじゃないと偽っています。

お分かりになった人もいると思いますが、ヒラリーは他の人と比べ、あまり笑っていません。なぜなら、彼女は事前にジョークを知っていたからです。晩餐会の前に、すべてのジョークが彼女に伝えられました。ドナ・ブラジル(民主党全国委員会の副委員長)によってね。これは、もちろん、誰もが知っていることです。ヒラリーは、子育てや社会の形成は『コミュニティみんなで』しなければならないと言いますが、ハイチのような場所でのみ意味をもつのでしょう。彼女はそこで数々のコミュニティを回って活動してますから。

ありがとう。どうかな。今夜は、対戦相手について気の利いたことを言っておきたいです。ヒラリーは長い間、政治の世界にいます。政府の仕組みをよく理解しています。彼女の宣誓証言によると、かなりの情報を忘れているそうです。これは確実に言えることですね。

今夜は楽しいです。素晴らしいですね。

個人的なことですが、みんさんとご一緒できてとても光栄です。ヒラリーが候補者となって嬉しいです。私たちは戦っていますが、19日後には結果が出ます。どうなるでしょう。私は何度もこの晩餐会に父と一緒に来たのを覚えています。若いときにです。素晴らしい経験でした。

お互いにとって特別な経験でした。ひとつ言えるのは、晩餐会の目的をサポートする必要があるという点で私たちは全員意見が一致します。数百万ドルの寄付が集まり、恵まれない子供たちに贈られます。私は、子供たちにとって重要なライフラインを提供するために活動している皆さんを称賛します。

それに、今夜、これまでの記録を破りました。とても特別です。正味、600万ドルを超えました。「ドナルド、いいかい、これはすべての経費を除いた分だ」と、枢機卿は教えてくれました。私たちはまた、反カトリックの偏見に対し立ち上がることに合意しました。宗教の自由を守り、生命を尊重する文化を作るためです。アメリカはさまざまな形で分裂しています。

ありがとう。アメリカはひとつではありません。これまでもひとつになったことはありません。偉大な宗教指導者は今夜、進むべき道を示してくれました。私たちは、以前には不可能だと思われていた時代を生きています。ひどく野蛮な行為を歴史の本で読んだことがありますが、現代世界でそうした行為を見るとは思ってもみませんでした。今、私たちが目撃している世界を、誰が想像できたでしょう。

私たちはとても強くなりました。頭も良くなりました。私たちは国家としても、そして世界のコミュニティとしても、一緒にならなければなりません。ありがとうございます。皆さんに神の祝福がありますように。アメリカに神の祝福がありますように。以上です。

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ハフポストUS版編注:ドナルド・トランプ氏は世界に16億人いるイスラム教徒をアメリカから締め出すと繰り返し発言してきた嘘ばかりつき極度に外国人を嫌い人種差別主義者ミソジニスト(女性蔑視の人たち)、バーサー(オバマ大統領の出生地はアメリカではないと主張する人たち)として知られる人物である。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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