「新宿セントラルクリニック」の院長逮捕 うその性病診断、数千人被害か【UPDATE】

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診断する医師 | Sergii Moskaliuk via Getty Images
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「性感染症」にかかっているとうその診断をし、患者から治療薬の代金をだまし取ったとして、警視庁は1月17日、詐欺容疑で診療所院長の60代の男を逮捕した。NHKなどが報じた。産経新聞によると、男は「同じ方法で数千人を診断した」と話す一方、「間違っている。後で説明する」と容疑を否認しているという。被害額は数千万円に上る可能性がある。

毎日新聞によると、逮捕されたのは、東京都新宿区にある「新宿セントラルクリニック」院長の林道也容疑者(69)。林容疑者は2012年9月から12月、クリニックを訪れた都内の男性(68)に「クラミジア感染症」の血液検査を実施。検査結果が陰性だったにも関わらず、感染しているとうその診断をして治療薬の代金数万円をだまし取った疑いが持たれている。

クラミジア感染症は通常、血液検査で基準値を上回る数値が出たら陽性となる。林容疑者は民間の検査機関で検査を行っていたが、患者に示す際に基準値を改ざんし、感染しているよう見せかけていた。クリニックをめぐっては、被害にあったとされる複数の患者が損害賠償を求めて提訴しており、「虚偽診断」と認定する判決が出たものもある。ハフィントポスト日本版はクリニックに電話取材を試みたが、取材には応じていない。

逮捕報道を受け、以前このクリニックを受診したとみられる人たちがtwitter上で、「当時自分もおかしいと思って自ら治療を切り上げた」「はじめて医者と口喧嘩した」とコメントしている。林容疑者が医師の立場を悪用し、同様の手口を繰り返していた可能性があるとうかがうことができ、「もう何も信用できないじゃないか!」との怒りの声も上がっている。



■「医師としての倫理を逸脱」

日本性感染症学会から認定を受けた泌尿器科の男性医師は、ハフィントンポスト日本版の電話取材に匿名で応じ、「信じられない。医師としての倫理を明らかに逸脱している」と林容疑者の行為を批判した。この事件によって医療への不安を感じている人たちに向けて、「多くの医師は真面目に努力している」と前置きした上で、「患者自身が病気や医療機関について調べ、適切な医師を選んでもらいたい」と呼びかけている。診断に疑問を感じた場合は、「信用できる別の医師に相談することも選択肢の一つだ」と、セカンドオピニンオンの必要性にも言及した。