ワシントンD.C.がピンクの海に染まった。トランプ大統領就任に反対するために

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women march washington

アメリカのトランプ大統領就任から一夜明けた1月21日、首都ワシントンD.C.をはじめ全米各地で反トランプデモが行われ、数百万人規模に膨れ上がった。

ワシントンD.Cがピンクの海に染まった。トランプ氏が第45代大統領に就任した翌日、反対の声をあげるために多くの人が国中から首都へ流れ込んだ。

デモ参加者の多くはピンク色の「プッシーハット」をかぶり、何十万人もの人々がデモ行進に参加した。トランプ氏が大統領選の期間中、かつてテレビ番組の収録の合間に「俺は金持ちで有名人だから、プッシー (女性器を表す俗語)をさわることなんて簡単にできる」「股ぐらをつかむんだ」などと発言したのが女性蔑視として批判されたことになぞらえている。

デモは女性の権利を訴え、女性蔑視のトランプ大統領に抗議する「ウィメンズ・マーチ」の呼びかけで始まった。デモはニューヨークやボストン、シカゴ、ロサンゼルスなど全米各地で行われたほか、ロンドン、パリなど世界各国でも多くの人が集まり、全世界で数百万人がさんかしたとみられる。

ワシントンD.C.のデモ主催者は、当初の予想から2倍以上となる50万人の参加が見込まれると21日朝に述べた。


JOSHUA TERKEL

「多くの人が『ああ、こんなの意味がないよ。これはただの大きなパーティー、大きなショーじゃないか』と言っているのを聞きました。しかし、このデモは前へ進もうとする勢いを作り出しますし、人々は抵抗し続けると思います。大きなパーティーだとは思いません」と、ワシントンに住むサリー・マドセンさん(65)は語った。彼女の姉妹もミネソタ州からデモ行進に参加していた。「私たちがまだここにいることを示さなければいけません。そして、私たちは黙っていませんし、強行採決されることもありません」


ピンクのプッシーハットは、この抗議運動の象徴となった。MIKE COPPOLA/GETTY IMAGES


抗議をする人たちは、ワシントンD.C.の北西にあるコンスティテューション通りからワシントン記念塔まで行進した。AMANDA TERKEL/HUFFPOST

この抗議デモは選挙の翌日から準備されており、就任式に続いて女性のためのデモ行進が行われるとSNSを通じて広がった。

「このデモ行進を知らないわけないでしょう?」と、友人とデモに参加するためにバルティモアからやってきたロブ・ネフさん(46)は語った。

21日朝からはじまった女性たちのデモ行進は、トランプ大統領の就任式よりも多くの人が集まったとみられる。SNSで拡散されたアカウントには、地下鉄がすし詰めになり、列車に乗れなかったり、デモ行進仲間といっしょに押しつぶされながら運よく乗り込むことができた様子がわかる。

ワシントンメトロによると、午前11時の公共交通機関利用者数は27万5000人を記録した。これは通常の土曜日の利用者数の8倍にのぼり、通常の平日よりも混雑していた。ワシントン交通局によると、就任式の利用者数は、過去数年で最も少なく、通常の金曜日と同じだった。就任式の午前11時までの利用者数は19万3000人だった。

シャディーグローブ地下鉄駅の現在の写真。地下鉄に乗るのに1時間待ちとのこと。 #ウィメンズ・マーチ

D.C.の地下鉄を占拠する #ウィメンズ・マーチ!

1時間たっても出発しない。#ウィメンズ・マーチ

トランプ大統領就任式では、多くのアーティストが参加を拒否したが、ウィメンズ・マーチには、多くのスターが参加した。

実際に就任式でパフォーマンスしたラジオシティ・ロケッツやモルモン・タバナクル合唱団などは、トランプ氏のために出演したことを快く思っていないのではないか、という論争が起こっている。

ウィメンズ・マーチには、フェミニズム運動家グロリア・スタイネム、女優のスカーレット・ヨハンソン、エマ・ワトソン、歌手のジャネール・モネイ、マドンナ、そして映画監督のマイケル・ムーアなどが名を連ねていた。

「これは不幸中の幸いです。今までの長い人生で見たことのないようなエネルギーと真の民主主義が溢れかえっています」と、歓喜する群衆に向かってスタイネムは語った。「様々な年齢の人がいて、ダイバーシティがあふれている。覚えておいてください。憲法は『私、大統領は』でなく、『われら人民は』で始まるのです。私たちを対立させようとしないでください」

トランプ氏によって個人的に傷つけられた女性たちも街にやってきた。

トランプ氏を婦女暴行で訴えた4人の女性と、グロリア・アルレッド弁護士もデモ行進に参加した。

トランプ氏を性的嫌がらせや婦女暴行で訴えた十数人の女性の1人キャシー・ヘラーさんも、彼の就任式に抗議するために、多くの支持者と共にアムトラックでやってきて、デモ行進に参加した

21日のデモ行進には、トランプ支持者の姿はそれほど見られなかった。しかし、デモに参加した全ての人が新大統領の抗議のために参加したわけではなかった。

ミシガン州のフリント市からやって来たヘレン・ブロックさんは、トランプ大統領にフリントの水が汚染されている問題を訴えるためにバスに乗ってやってきた。

彼女は、汚染された水の影響で髪の毛が抜け始めたため、フリント市から15マイル離れた場所へ引っ越すことを余儀なくされた。

フリント市は水道水が高濃度の鉛汚染に見舞われ、健康被害が出ている。フリント市は、ヒューロン湖を水道水の水源とするデトロイト市から供給を受けていたが、2014年、深刻な財政危機に陥っていたフリント市は、ミシガン州知事から任命された管財人が経費削減の一環として水源をフリント川に変更した。しかし、フリント川の水質は塩素などが多く水道管が腐食し、鉛が水に溶け出す事態となった。2015年には体調の異変を訴える住民が続出したが州当局は無視していた。オバマ大統領はミシガン州に非常事態宣言を発令し、公的資金で水質が汚染された地域を支援した。

彼女はトランプ氏の支持者ではないが、「トランプのことは『疑わしきは罰せず』でいこうと思います。そうするほかないのです」と答えた。


ブロックさんの団体は、ドナルド・トランプ大統領に市の水道水汚染問題について助けを求めるために、ミシガン州のフリント市からやってきた。DANA LIEBELSON/THE HUFFINGTON POST

アメリカ先住民・ナバホ族のネリス・ケネディー=ホワードさんは、彼女の妻と彼女の職場「シエラクラブ」の同僚と共にデモに参加した。

ホワードさんは「3人に1人のネイティブアメリカンがレイプされている」と書かれたプラカードを指さしながら、「私たちはこれ以上レイプカルチャーを広めたくありません。トランプ大統領は、この種の行為のお手本になるようなことをしていません」


ネリス・ケネディー=ホワードさんはレイプ文化を非難するために女性の行進に参加した。DANA LIEBELSON/HUFFPOST

21日にワシントンD.C.の街を歩いている数人のトランプ氏の支持者もいた。ある男性は家族といっしょにオハイオ州から就任式のためにやってきていた。「アメリカを再び偉大な国に」と書かれた帽子をかぶった彼はこう語った。「デモがあるとは知っていました。ただ、ホワイトハウスを見たかったんです」

「彼らには彼らの1日があり、私たちには私たちの1日があります。...それでも私たちは一つのアメリカなんです」と、彼は語った。

トランプグッズを売る2人は、「金曜日は儲かったが、土曜日はそうでもなかったね」と語った。


何十万もの抗議をする人々が、女性の行進のためにワシントンD.C.に繰り出した。AMANDA TERKEL/HUFFPOST

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。


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