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待機児童ゼロのはずの横浜市でも #保育園落ちた 悲痛な声「詐欺では?」そのカラクリは

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HOIKUEN
イメージ写真 | AFP時事
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#保育園落ちた日本死ね のブログで待機児童問題がクローズアップされてから約1年。2017年4月の入園時期を控えて、今年もTwitter上には、保育園の「落選」通知を受け取った親たちの悲痛な声が溢れている。

Twitter上で「保育園落ちた」ことを表明していた横浜市在住の2人の母親が、ハフィントンポストの取材に応じた。

と書くと、「2013年に『待機児童ゼロ』で話題になった横浜市なのに、なぜ?」と思う方も多いのではないだろうか。

過去のハフィントンポストの記事に対しても、「横浜市には待機児童はいないはずでは?」というコメントが寄せられたことがあった。しかし実は、横浜市でも保育園に「落ちた」家庭は依然多いのだ。

取材に答えた2人の話をまずは聞いてほしい。


■シングルマザーなのに「#保育園落ちた」

横浜市に住む、34歳の女性「にのない」さんは、シングルマザー。正社員でフルタイム勤務をしている。にもかかわらず、1歳過ぎの長女を預けようと申し込んだ7つの園は、どれも一次申請では入れず、1月28日、「保留」の通知が届いたという。

今後は、申し込みの保育園数を増やして二次申請に申し込むと同時に、横浜保育室や認可外保育所など、とにかくどこか入園可能な保育園を探すという。

にのないさんは出産を機に一度退職し、横浜市の実家に戻った。出産直後から就職活動を始めたが、すぐには内定が得られなかった。そのため、就労状況などから保育所入所の優先順位をつけるために市が設定した「基準日」の昨年末時点では、仕事はまだ見つかっていなかったという。

比較的優先順位が高くなるはずのシングルマザーでも入れなかったのは「求職中」とみなされているからではないか、とにのないさんは推測している。

現在は両親と同居しているが、両親もそれぞれに仕事を持っている。現在は仕事に出る際には仕方なく、母親に仕事を休んでもらい、長女の面倒を見てもらっているという。

「彼女の仕事は経験がものを言いますので、休めば休むほど仕事が来なくなります。これ以上休むわけにはいきません。(子どもにとっての)祖父・祖母ともに60歳を超えていますが、自宅のローン返済のために働かなくてはいけないので、子どもが保育園に入れないということは祖父・祖母の将来設計にも影響を及ぼします」

■育休延長、勤務先に伝えられず心苦しい...

一方、別の女性、「みらい」さんは同じく横浜市在住の36歳で、長男は4月で1歳になる。夫も共にフルタイム勤務で、双方の両親は遠くに住んでいるなどの事情で、保育で頼ることはできない。

同じく1月末に届いた通知では、「第8希望までの保育園全てダメだった」。「夫婦でフルタイム勤務なのでどこかには決まるだろうと思っていたので、目の前が真っ暗になった」と話す。二次申請にはもちろん応募するつもりだ。

「保育園には普通に入れるようにしてほしい。保育園に入れるか入れないかで神経を消耗するなんてばかげていると思う。今回、初めて保育園に入れたい当事者になってみて、日本の保育制度がとても遅れているのだなということを思い知りました。また、二次申請などの結果が出るまで、私が育休を延長するのかどうか、勤務先にハッキリと伝えられないことにも心苦しさを感じています」

■横浜市では約4600人が「保育園落ちた」

横浜市によると、2017年4月の新規入所には1万7908人の申し込みがあり、1月末に通知された一次調整で認可保育所への入所が内定したのは、1万3331人。

つまり現時点で「保育園落ちた」子どもは4577人だという。今後、二次調整を経て、最終的に入所できる子、できない子が確定される。

こうした保育所に入れなかった児童を横浜市では、「保留児童」という名称で呼んでいる。

横浜市は、「落選」通知に同封して、保護者からの「待機児童との違いがわかりにくい」という問い合わせが多いとし、言葉の定義を説明する文書も両親に郵送している。

ネット上では、保育園に入れなかったという声に、この通知や「保留児童」という言葉についての不信感も加わり、「横浜市がごまかしているのではないのか?」と疑念を抱く声が溢れた。

■「保留児童」とは何なのか?

保留児童とは何なのか。横浜市によると「保留児童」とは、認可保育所に申請した児童のうち、入れなかった児童を指している。

「保育所に入れず育休をやむをえず延長した場合」や、「自宅で求職中の場合」は「待機児童」に含めず、「保留児童」という名前で呼ばれている。

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つまり、横浜市では「待機児童」ではなく、「保留児童」が「(認可)保育所に入れなかった」人の実態を表す数字と言える。

「待機児童ゼロ」と発表し、脚光を浴びた2013年にも、横浜市には「保留児童」が1746人いた

そしてその後、横浜市の「待機児童」と「保留児童」は共に、増加傾向にある。2016年10月時点の保留児童は5969人(加えて待機児童が391人)となっている。

取材に応じた2人も、この言葉の使い分けに対する不信感を吐露した。

まず、「保留児童」という言葉を作って世間の目をくらませるのはやめてもらいたいです。待機児童ゼロと言っても保育園に入れなくて困っている人はたくさんいます。全く何もしていないわけではないでしょうが、子どもの成長は早いもので、大人が「ああでもない、こうでもない」とやっている間に保育園を必要とする時期は過ぎてしまいます。そうなってからでは意味がないのです。少子高齢化を憂うのであれば、やるべきことは明確ではないかと言いたいです。(にのないさん)
横浜市は市で独自の規準を作って保留児童と呼び、待機児童いないよ!と言ってるあたりにもう詐欺くささしか感じません…。今の時点で、息子は保留児童です。もし4月からの保育園に入れず、私が育休延長で家でみることになったら「家でみれるんじゃん、じゃあ大丈夫だね!」ってことで待機児童の名称はつかない。おかしな話ですよね。(みらいさん)

何故横浜市は、独自の名称を使用しているのか?

ハフィントンポストの取材に対して、横浜市保育対策課の担当者は「市では利用申請数から利用している子の数を差し引くというシンプルな方法でまず『保留児童』の数を出して、その後、厚生労働省の定義に沿って『待機児童』数を改めて計算しています。それ以上でも以下でもありません。市では待機児童だけではなく、保留児童の数も明らかにしています。ですから、隠しているということはありません」と説明する。

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確かに「保留児童」数は公表されているが、取り組みをアピールするグラフには「待機児童数」が採用されている。(横浜市資料より、平成26年7月 こども青少年局)

横浜市は2017年4月に向けて認可保育所を34新設、保育の枠を約3000人拡大する予定という。今年の「保留児童」の数はまだ確定していないが、それでも大幅な減少とはならない見込みだ。市の担当者は「働きたいという女性が増えており、申し込む人の数が追いつかないほど増えている」という。

■曖昧な「待機児童」定義で混乱

国が集計している「待機児童」という名称は一応定義されているものの、それぞれの自治体によってその子が「待機児童」であるか否かを認定する方法が違う

例えば、保育園に落ちて育休を延長したケースについては、待機児童数に「含めないことができる」と通知し、それぞれの自治体が判断して集計。横浜市以外でも、同様に「待機児童」に含めていない自治体がある。

これが、保育園問題でのさらなる混乱や不信感を招いている。

世田谷区の保坂展人区長は、「『見栄え』ではなく実態を正確に把握して情報提供する必要がある」と、「待機児童の定義の統一」を訴えている

こうした声を受けて、厚生労働省では、統一した集計方法について検討を始めた。2017年3月末までに公表予定としている。

しかし、塩崎恭久・厚生労働大臣は、2月17日の衆議院予算委員会で、検討会について、自治体ごとにバラつきがあると指摘された待機児童数の定義を全国で統一するものではないと答弁した。

名称の統一によって、即「保育園落ちた」問題が解決されるわけではない。しかしその実態把握さえできていない現状は、保育園問題の解決までの道のりが、まだ相当遠いことを感じさせる。

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安倍首相が保育園を視察(2013年5月)
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