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「幸せは自分たちで選べる」男性カップル、葉山でボーダレスな結婚式(画像)

2017年02月19日 22時55分 JST | 更新 2017年02月19日 23時18分 JST

一緒によくデートした思い出の地、鎌倉から近い神奈川県葉山町で、佐藤潤さん(34歳)と内田直紀さん(27歳)は2月18日に結婚式を挙げた。

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ケーキ入刀する佐藤潤さん(左)と内田直紀さん(右)

潤さんと直紀さんは男性同士。性格はまるで反対だ。潤さんはよく話すムードメーカーで、直紀さんはのんびりした物静かな性格。結婚式でも、会場を盛り上げる潤さんの横で直紀さんがにこにこと笑っていた。

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潤さんと直紀さんは、SNSを通して2010年に出会った。連絡してきたのは直紀さん。「男性が好き」「自分はダメな人間だ」と伝えてきたという。メッセージをもらった潤さんは、直紀さんのことを「変わったやつだなあ」と思ったそうだ。

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スタッフが準備してくれた会場の装飾の中には、2人の写真が隠されていた

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SNSだけでつながっていたふたりが初めて直接会ったのは、2012年夏。潤さんから「東京で遊ぼう」と誘われ、地方に住んでいた直紀さんと埼玉県に住んでいた潤さんは、都内で会った。

直紀さんのことを「変わったやつ」と思っていた潤さんは、会って一目惚れしたという。出会った翌日、「よかったら付き合って欲しい」と交際を申し込んだ。

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結婚誓約書にサインするふたり

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指輪交換

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約4年間の遠距離交際を経て、潤さんと直紀さんは2016年3月から、埼玉県川口市で一緒に暮らし始めた。その時から、結婚したいと思い始めたという。

「結婚するなら、国の制度ではなく周りの人たちに認めてもらう結婚式を挙げたい」と思ったふたりは、参列者に結婚の証人になってもらう人前式を選んだ。

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フラワーシャワーで祝福されるふたり

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潤さんは、自分がゲイであることを周りにオープンにしている。ただ、自分の母には14年前にカミングアウトしたきり、その後2人の間でその話題が上ることは一切なかった。「知らないふりをしているのだろうか」そう思った潤さんは、結婚式に母を呼ぶかどうか迷った。

そんな潤さんの力になってくれたのが9歳離れた姉だ。姉から母に、結婚式を挙げることを話してもらい、その上で自分でも母宛に手紙を書き、結婚式に招待した。

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結婚式の話を聞いた時、母はどう思ったのだろう。14年前にカミングアウトされた時、母に驚きやショックはなかったそうだ。「あの子はこういう子だから」とあるがままの息子を受け入れた。

ただ、結婚式を挙げると聞いて、初めは複雑な気持ちだったという。しかし、息子の笑顔を見て心は変化した。「親としては息子の幸せが一番です。一人で生きていくのはかわいそうだと思っていました。だから、一緒に生きていく人がいて良かった。それがとても嬉しい」と目を潤ませながら語った。

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一方の直紀さんは、ゲイであることを周りに一切伝えていなかった。親友と数人の仲のいい友人に話したのは、結婚式の約1カ月前だ。打ち明けられた親友の豊永亮太さんは、その時の気持ちを「素直に嬉しかった」と話す。

豊永さんは、直紀さんと高校時代からの大親友だが、どこか自分には見えていない部分が、直紀さんにあると感じていたそうだ。カミングアウトされた時、「ああそうなんだ」と直紀さんの全てがようやく理解できたような気分だったという。

「直紀は口数が少ないから、打ち明けるのに勇気が必要だったと思う。話してくれて嬉しい、そして結婚おめでとうと心から祝福したいです」と語った。

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直紀さんの親友、豊永さんと自撮り

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祝福の言葉を贈る、大学時代の友人たち

潤さんと直紀さんは、自分たちの結婚を「リレー」だと考えている。僕らの結婚式を見て誰かが続いてくれたら嬉しい、「結婚」というバトンを次の人たちに渡したい、と願っている。

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海外では同性婚を認める国が増えてきた。潤さんたちも、ゆくゆくは日本でも同性婚が認められるようになると思っている。

しかし今、自分たちと同じ立場にいる人たちに「結婚制度が整っていないからといって諦めないで」「幸せになる方法は、自分たちで決められる」と伝えたかったというのも、ふたりが結婚式を挙げた理由のひとつだ。

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出席者からキスコールに、照れながら応じるふたり

心からふたりの結婚を祝福する家族や友人を前にして、潤さんは最後にこう語った。

「目の前にあるものが全てだと思うんです。それ以上でもそれ以下でもない。この目の前にある景色が答えかなと思う」

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直紀さんは潤さんの母に「これから、家族としてお願いします」と花束を手渡した。新しい家族の誕生を、結婚式場にいた全ての人が温かい拍手で祝福した。

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潤さんの母に、花束を渡す直紀さん

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将来は、同性を好きになって結婚するのが特別なことではなくなり、LGBTという言葉もない、ボーダレスな世の中になって欲しい、とふたりは願っている。

実際ふたりの結婚式では、出席者とスタッフが友人のように話したり、カメラマンと自撮りしたり、取材した私自身も巻き込まれて写真にうつったりと、立場や既存の形にとらわれないボーダレスな心と心の交流があった。

「性別などの垣根にとらわれず、結婚は好きな人とするもの」そんなメッセージを伝えてくれる結婚式だった。

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