スコットランド独立を問う住民投票、自治政府のスタージョン首相が2度目の実施を要求へ

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NICOLA STURGEON
(Photo by Jeff Spicer/Getty Images) | Jeff Spicer via Getty Images
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イギリス・スコットランド自治政府の二コラ・スタージョン首相は3月13日、イギリスからの独立を問う2度目の住民投票の実施を目指す方針を示し、「今回は勝つことを期待している」と述べた。

スタージョン氏は13日朝、エディンバラで演説し、住民投票の実施時期は2018年秋から19年春の間との見通しを示した。

スコットランド政府は、新たな住民投票を行うために、イギリスの下院と上院の承認、およびスコットランド議会の承認を得なければならない。スタージョン氏は来週にも、スコットランド議会に承認を求め、1998年スコットランド法第30条に則ってイギリス議会に住民投票実施を求める。

スタージョン氏は会見で、2016年6月23日にEU離脱(ブレグジット)を問う国民投票の結果、離脱が決定したことによって、2014年にスコットランドで住民投票を間もないにもかかわらず2度目の投票を行うことが正当化されるだけの「重大な変化や状況」があったと語った。

スコットランド国民党(SNP)党首を務めるスタージョン氏はまた、、イギリスのテリーザ・メイ首相が、EU離脱の戦略をめぐり「妥協」することはなかったと述べた

メイ氏は、2度目の住民投票によって、スコットランドは「不確実性と分裂」の道をたどるだろうと批判した。

メイ氏の報道官は13日、EU離脱に向けた正式な手続きの開始を3月末と定めたと述べた。メイ氏は正式な離脱交渉を開始するため、離脱を規定したEU基本条約(リスボン条約)第50条を14日中に発動させる可能性がある。イギリス議会ではメイ氏に離脱通告の権限を与える法案が審議されており、上院が既に可決している法案の修正案が下院で否決され、原案に戻された形で上院で13日中に再可決される。そうしたイギリス議会の動きの最中、スタージョン氏の会見が急遽設定された。

スコットランドは、62%対38%でEU残留支持に投票したが、イギリス全体は離脱に投票した。

スタージョン首相は、「スコットランドの有権者にとっての選択肢は今や、いわゆる「ハードブレグジット(強硬的なEU離脱)か独立だ」と述べた。

「スコットランドが選択肢を持つのは正しいことです。スコットランドが支配権を持たない道を受け入れさせるのは間違っています」と、スタージョン氏は語った。

スタージョン氏は、イギリス議会が2度目の住民投票を阻止すれば、スコットランドには「怒りに満ちた反応」が起こるだろうと述べた。

スタージョン氏は、2014年とは異なり、スコットランドの有権者は独立支持に投票すると思うかと問われ、「はい、そう信じます」と答えた。

メイ氏は声明で、政治は、「ゲームではない」と言い、スタージョン氏を「私たちの国の将来を使って政治を弄んでいる」と批判した。

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EU離脱の交渉を進める中で、私は、スコットランドの人々も含め、イギリス全体の国益となる協定の締結に向けて交渉したい。だからこそ、私たちは権限を委譲された政権と密接に協力しており、提案に耳を傾け、労働者の権利や犯罪やテロ防止する治安対策を保証するなど、さまざまな面で意見の一致を見ました。

今日SNPが示した視野の極めて狭い考え方は、極めて遺憾です。その考え方により、スコットランドはさらなる不確実性と分裂の道を歩み、莫大な不確実性が生み出されます。そして今こそ、スコットランドの人々は、その大多数の人々は、2度目の住民投票を望んでいないということを証明する時です。

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イギリス労働党のジェレミー・コービン党首は、独立は、スコットランド経済にとって「破滅的状況になるだろう」と批判した。

一方でコービン氏は、イギリス議会の労働党は、住民投票の妨害はしないと述べた。

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スコットランドの独立を問う2014年の住民投票は、一世一代のイベントと言われました。投票結果は最終的なもので、新たな住民投票への意欲は見られませんでした。

労働党としては、前回の住民投票からそれほど時間が経っていないのに新たな住民投票を実施するのは間違った動きだと考えていますし、スコットランドの労働党も議会で反対するでしょう。それでも、もしスコットランド議会で新たな住民投票の実施が承認されるなら、労働党としては民主的な決断をウェストミンスター議会(イギリス議会)で拒むつもりはありません。労働党がスコットランドの独立に反対する理由は、イギリスを分断したところでどの地域の利益にもならないからです。

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スコットランド労働党のケジア・ダグデール議員は、ウェストミンスター議会の労働党が新たな住民投票の実施に反対しなくても、スコットランド議会では反対されるだろうと発言した。

「スコットランドの分離はもうすでに進んでいます。我々としてはスコットランドの分離を望んでいませんが、新たな住民投票を実施すればまったく同じことが起きるでしょう。2年前、スコットランドの独立を問う住民投票で有権者の85%が投票し、その結果イギリス残留という意思が明らかになりました」と、ダグデール氏は語った。

スコットランド保守党のルース・ダビッドソン党首は、保守党としては新たな住民投票を実施させないように働きかけると語った。

ニコラ・スタージョン首相は今日、さらなる分離をもたらす不安定な道を選んだ。来週、我々はスコットランド法第30章の要請に対して反対票を投じる。

スタージョン首相は13日の演説で、「スコットランド政府の権限でこの決断を提案するのは、何の疑いもないことだ
」と、次のように述べた。

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スコットランド法第30条についてイギリス政府と交渉を始めるにあたり、来週スコットランド議会からの承認を求めるつもりです。この手続きを受ければ、スコットランド議会は独立を問う住民投票を認める法律が制定できます。

2014年、イギリス政府はスコットランドの独立を問う住民投票についてはっきりとした見解を示し、「スコットランドの住民によって、スコットランドで実施される」べきだと述べた。これは、今も尊重されるべき指針です。

実施のタイミングも含めた住民投票の細かな取り決めについては、スコットランド議会が決定権を持つべきです。

今よりもはっきりとした選択肢が出てきた際に、スコットランド住民が自らの将来を決定する権利を行使できるのは重要ですが、手遅れになる前に我々の進むべき道を決めなくてはなりません。

決断が下される時までには、ブレグジットや我々が受ける影響についてはっきりとした情報が開示されるべきです。

スコットランドは極めて重要な岐路に立たされています。第30条の命令が実施される直前だというのに、イギリスにはこれから先の計画について全体的な合意がないだけでなく、イギリス政府側は妥協と合意を求める取り組みにまったくと言っていいほど着手していません。

妥協を探ろうとする我々のあらゆる取り組みは、強硬姿勢で閉ざされた大きな障壁にぶつかっています。

EU単一市場へのイギリスの参入資格は、スコットランド政府や権限を委譲されたその他の政府との事前協議なしに剥奪され、今や我々が直面しているのはただのブレグジットではなく、ハードブレグジット(強硬的な離脱)なのです。


■ スコットランド独立問題とは

スコットランドでは1989年、高度な自治を求めて市民団体や政党が結集しスコットランド憲政協議会(SCC)が結成された。SCCは95年に自治案を発表し、97年に誕生した労働党のトニー・ブレア政権が承認した。97年、住民投票でスコットランド議会の復活が決まり、99年の議会選挙で、労働党のドナルド・デュワー氏が初代自治政府首相に選出された。

2011年、独立推進派のスコットランド国民党(SNP)が議会の過半数を占めると、12年に自治政府のアレックス・サモンド首相がイギリスからの独立を問う住民投票を14年9月に実施すると発表し、イギリスのデービッド・キャメロン首相も同意した。

2014年9月18日に実施された住民投票は登録有権者数428万3392万人で、うち投票率は84.6%に達した。中央選管の発表で賛成161万7989票(44.65%)、反対200万1926票(55.25%)で、反対票が賛成票を約38万票上回った。

ハフィントンポストUK版より翻訳・加筆しました。

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