隠れ待機児童とは? 定義は決まったが、問題は解消せず「虐待の疑惑で入れたくない保育園もある」の声も

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民進党の待機児童対策プロジェクトチームで当事者の話を聞く山尾志桜里衆院議員ら | Yuriko Izutani/Huffington Post
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待機児童の定義が全国で統一されていないことや、カウント方法で実態よりも少なく報告されている問題で、厚生労働省は3月30日、カウント方法を全国で統一する、新たな定義を決めた。新しい定義では、保育園に預けられずに親が育休を延長したケースでは、復職の意思を確認する条件で、すべて待機児童として数えることになった。

厚労省の有識者検討会で取りまとめられたもの。4月から新しい定義に基づいて、全国の自治体で調査を行う。準備が間に合わない自治体については翌2018年4月からとなる。

一方で、実態は待機児童にもかかわらず、カウントされない「隠れ待機児童」の一部はそのまま残ることになった。

■「隠れ待機児童」とは?

「隠れ待機児童」とは、希望した認可保育所などに入れないにもかかわらず、国や自治体での待機児童のカウントに入っていない児童のこと。「潜在的な待機児童」とも呼ばれている。

厚労省の発表によると、2016年4月1日時点で、全国の待機児童は2万3553人だった。一方で、親が育休中などのケースを含んだ「隠れ待機児童」はその3倍の6万7354人にものぼっていた。

待機児童の本当の実態が見えにくいことなどから、「意図的に少なく見せるためなのでは」などと批判されてきた。

隠れ待機児童の内訳と、「隠れ」と称される理由は以下の通り。

1.保護者が育児休業中(7229人)
⇒保育園に預けられずに親が育休を延長したケースが待機児童にカウントされない場合がある

2.特定の保育所を希望している(3万5985人)
⇒兄弟同じ園に入りたい、家の近くの園に入りたいなどの希望がある場合もカウントされない場合がある

3.求職活動を休止している(7177人)
⇒子どもを預けられず、求職活動ができないという場合がカウントされない場合がある

4.自治体が補助する保育サービス(東京都認証保育所や保育ママなど)を利用している(1万6963人)
⇒認可保育所より預けられる時間が短い、などの不利益もある。落ちたので仕方なく利用している場合もカウントされない

■新しい定義でこうなる

今回の新定義では「親が育児休業中」で復職の意思がある場合は、待機児童数に新たに含まれることになった。

一方で、育休中よりも数が多い、特定の保育所を希望している場合や、保護者が求職活動を休止している場合については、地域性の違いなどもあることなどを理由に、それぞれの自治体が聞き取り調査などを元にして判断することとなった。

また、自治体が補助する保育サービスを利用している場合は、引き続き待機児童には含めないことになった。自治体の判断次第で変化はする部分はあるが、新しい定義でも、「隠れ待機児童」は引き続き6万人程度残ることになってしまい、実態が見えづらいという問題の解消にはいまだ遠い。

検討会では他に、保育所に入れなかった保護者について、自治体が他の手段の情報を提供するなどきめ細かな対応をすることなどを定めている。

■「当事者不在」に疑問の声も

民進党の待機児童対策プロジェクトチーム(座長・阿部知子衆院議員)は3月31日、この春に保活を経験した母親ら、当事者たちから意見を聞いた。

新しい定義について、3人の子がいる東京都港区の女性は、この春、「3人同じ園を希望」として認可保育所に申し込んだという。この場合、自治体の判断になるが、待機児童にはカウントされない可能性もある。「『同じ所に入れたい』というのはわがままなんですかね?ということをすごく思います」と話した。

また、同じく3人の子がいて、検討会を傍聴したという東京都武蔵野市の天野妙さんは「厚労省の検討会には当事者が一人も入っていなかったのがすごく残念。有識者と役所の方で、当事者抜きでの提案では抜けてしまう部分があるのでは」と指摘。

また、「虐待の疑惑などが取り沙汰されて『ここの園は避けたい』という場合もある。そういう場合でも、自宅から近いのに選んでいないなどと自治体がみなして、『特定の園を希望』として待機児童にカウントされないのは、おかしい」と訴えた。

プロジェクトチームでは、厚労省や当事者からのヒアリングを定期的に開催し、提言をまとめるという。

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