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ブラック企業撲滅アプリ『ブラゼロ』 「声を上げる勇気を与えたい」と社長が語ってくれた

2017年05月26日 01時33分 JST
ナックルボール株式会社

ブラック企業の可視化と抑止を目指すアプリ「ブラゼロ」のiPhone版が、5月19日登場した。先行して公開されていたAndroid版と併せて、両OSで利用できるようになった。

「ブラゼロ」は、働く人が勤怠状況や職場の悩みを記録できるアプリだ。GPS情報と連動したタイムカードで正確な出退勤時間の記録ができる。また、パワハラ、セクハラなど会社で受けたストレスやその状況を日記形式で記録することができる。

タイムカードと日記は、一度記録したものを後から書き換えることが一切できない仕様になっている。運営会社によると、これらが裁判での証拠としても有利に働く可能性があるということだ。

月額240円で有料会員になると、労働条件や環境の改善を求める要求書を匿名で会社に送ることができる。ブラゼロが、ユーザーの身元を一切明かすことなく、勤務先へファックスがメールで要求書を送るという流れだ。

burazero

企業に届く改善要求書(イメージ)

■どういった思いで「ブラゼロ」は作られたのか

ハフポスト日本版では、「ブラゼロ」を運営するナックルボール株式会社の代表取締役社長・日野雄介さんに取材した。

——「ブラゼロ」の理念を聞かせてください。

ブラゼロは、ブラック企業でひどい目にあっている人たちに、通報できる勇気を与えたいという思いで作りました。

匿名であることで、これまで声をあげられなかった人が、声をあげられるようになって欲しいし、それによって文字通り、ブラック企業がゼロになって欲しいと思っています。

——Android版が先に公開されていましたが、今のところの手応えはいかがでしょうか。

挑戦的なアプリであることは自覚していますので、正直リリース前は賛否両論かなと思っていました。でも今のところTwitterでも概ね良好な反応をもらっていて、アプリレビューも比較的高い評価が付いています。「弱い人の味方」という気持ちで、思い切ってこのアプリをリリースしたのですが、その覚悟を世間から評価してもらえたということなんだろうと思っています。

——ユーザーが「ブラゼロ」経由で、匿名で業務改善要求を送る機能がありますが、送った後はどうなるんでしょうか…?

現在は、企業に業務改善要求を送ってから2〜3ヶ月後に、ブラゼロ側からユーザーに改善状況をヒアリングする、という人力作業を行なっています。

ヒアリングの結果、改善されていれば引き続き経過を見ますし、改善しないということであれば、ユーザーの名前を匿名にして都道府県の労働基準監督署に通告します。

——コピーライターやCMプランナーとして広告の仕事をしてこられたましたが、ブラック企業を撲滅したいという理念は、昨今「働き方改革」が特に取り沙汰されている広告業界に身を置かれている日野さんご自身の経験が背景にあるのでしょうか?

広告業界がブラックだからこのアプリを作ろうと思った、ということでは正直ありません。

昨年の電通の過労死事件は本当に痛ましい出来事でしたが、業界のせいというよりももっと個別の部門や部署に不幸の原因があるのかなぁと思います。

——改めての質問になりますが、ブラック企業をなくすアプリを作ろう、と思った動機はどういったものだったのでしょうか?

まず第一に、今このサービスが世の中にない、と思ったのがあります。だからやってみようと。

僕は東京の広告会社で15年働いた後、故郷の北海道に戻って地元の広告会社に勤務し、去年独立しました。

東京から北海道に戻って、ブラック企業への危機感が大きく増したんです。地方都市のオーナー企業などを見ると、東京の大企業からすると信じられないくらいブラックな企業がたくさんあります。危機感は増すばかりでした。

——日野さんにとって「ブラック企業」の定義は何でしょうか?

社員を大事にしていない会社です。

僕は、ブラック企業の本質は、「量」より「質」だと思っています。「ブラック企業リスト」の公表などもあって、多くの企業が"お上"からの摘発を恐れています。残業の禁止などの改革を、確かに進めようとしているんだろうと思います。

ただ、誤解を恐れずに言うと、僕は「長時間労働=必ず悪」と思っているわけではありません。もっと恐ろしいのは、人を大事にしない姿勢です。裁判に持ち込みにくいパワハラ、セクハラなどの方が、目に見えにくい形で人を病ませ、会社を辞めさせる原因になっている。

そういった、数字で見えない部分で苦しむ人たちに対して、国や、会社の「外」の人がどう手を差し伸べられるか、が重要で、ブラゼロがその一つの手段になればいいと思っています。

——「人を大事にしない企業」というのは…?

社員を人とも思わないような、従業員に対する考えが歪んでいる会社です。そういう会社は、パワハラが横行し、社員はおかしいノルマを課せられます。

繰り返しになりますが、長時間労働だからブラック、ではないんです。

あえて引き合いに出しますが、僕は広告代理店に勤務していたとき、超長時間労働していました。それは、誰よりも経験を積みたい、いいものを作りたい、という思いからです。受験勉強してて過労死する人ってそうそういないですよね。やりたいことや目標のために頑張りたい、という気持ちまで否定しようという気持ちは僕にはありません。

ブラゼロは、あくまでも、不当に扱われている声なき人たちの救いになりたい、そして不当に扱っている会社の考え方を正していきたい、という思いで運営していきます。

——今後のブラゼロの展開など可能な限りで教えてください

アプリ内に読み物コンテンツを作ろうと思っています。

お話した通り、僕自身が笑っちゃうくらいのブラック企業に勤めていました。その経験を元に、時には面白おかしく、ときに真面目に、癒しになるような体験談を語れればと思います。

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ブラゼロ


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