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マクロン氏、気候変動問題で「性急な決定」しないようトランプ氏に要求 米仏首脳会談

2017年05月26日 17時08分 JST | 更新 2017年05月26日 21時08分 JST
POOL NEW / REUTERS

「彼が私のことをまだツイートしていないといいのですが」ドナルド・トランプ米大統領との会談のあとで、欧州委員会委員長のジャン=クロード・ユンケル氏はこう冗談めかした。一方のエマニュエル・マクロン仏大統領は、駆け引きに富んだ皮肉を飛ばすことには慎重だったようだ。マクロン氏は、5月25日にブリュッセルで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に際して、初めてトランプ氏とのワークランチに臨んだ。その会談は「建設的」で「熱のこもった」ものだったと評されている

「トランプ氏に関して、心理的なコメントをするのは私の仕事ではありません」と、会談後の記者会見でマクロン氏は慎重な姿勢を崩さなかった。マスコミを賑わせている「トランプ式握手」へは一言も触れず、NATO加盟国間で一部の国が「多額の負債を負っている」と指摘したトランプ氏の発言への言及もなかった。

マクロン大統領は、とりわけテロ対策に関するアメリカとの一致点を強調した一方で、気候変動問題にも立ち返り、多大な努力の末に2015年12月12日に採択された温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」について、あらゆる「性急な決定」を避けるようトランプ大統領へ注意を促すことをためらわなかった。

「我々は「きわめて率直な」やりとりのなかで、すべての関連事項について話し合いました」とマクロン氏は述べた。また「トランプ氏がパリ協定について検討を行おうとしていることに敬意を表します」としながらも、「私の希望は、この問題に関してアメリカ側がいかなる性急な決定も下さないということです」と付け加えた。

「私はトランプ氏に、我々にとってこの協定がいかに重要であるかを改めて述べました。この協定の国際社会にとっての重要性をです。我々の共通責任は、パリ協定の当初の国際的性格を保つことなのです」とマクロン氏は力説した。

▪️二転三転するトランプ氏の立場

気候変動に関する問題は、フランスとアメリカのとりわけ大きな争点だ。トランプ氏は大統領選挙のあいだパリ協定から抜け出したいとの発言を繰り返していたが、大統領就任後はこの件で躊躇している。いずれにせよ判断は、イタリア・シチリア島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に持ち越された。

フランス側としては、エネルギーの移行が持続的な成長とより良い国際協力の源泉となりうることをアメリカ側に説得したい考えだ。トランプ氏は長らく、大統領選ではマクロン氏に敗れたマリーヌ・ルペン氏と、政治的により近い立場なのではないかと思われていただけに、今回の米仏首脳初会談はまさに試金石だった。

3月17日にトランプ大統領とアンゲラ・メルケル独首相のあいだで行われた会談の冷ややかな印象とは対照的に、今回の米仏首脳会談には真心のこもった雰囲気があった。「フランスの新大統領とご一緒できることは、私にとってこの上ない名誉です。マクロン氏は信じられないようなキャンペーンを実行し、とてもつもない勝利を得ました」とトランプ大統領は声高に述べた。「世界中の人たちがマクロン氏のことを話題にしています。ブラボー。よくやった!」とトランプ大統領はいつもの型破りぶりを発揮した。

▪️ヨーロッパの「再建」を強調するマクロン氏

アメリカ大統領との待ち望まれた会談という意味合い以外にも、マクロン氏はこのNATO首脳会議の機会を、自身のヨーロッパ「再建」――より万人にとって理解しやすく、社会的な諸権利を保護するようなヨーロッパの再建――への希望を表明する場としても用いたようだ。「フランスが改革を行うにあたっては、ヨーロッパの保護が必要です」とマクロン氏は述べ、とりわけ「社会的なダンピングの終焉」「税制問題の収束」「アジール権の改革」を引き合いに出した。マクロン氏はフランスで厳しく批判されている外国人労働者の綱領改革についても、ジャン=クロード・ユンケル委員長と話し合ったとのこと。

「ユーロベア(ヨーロッパの安定を信じる楽天主義者)」を自任することを拒否しながら、マクロン大統領はあくまで「ヨーロッパのより大きな野心」のために従事することを申し出た。「我々はともすると、ヨーロッパを舵取りしていくことに慣れてしまっています。しかし舵取りしているだけでは、それは解体してしまうでしょう」とフランス新大統領は警告した。

ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。