ウィンブルドンでリタイア続出 「新たな賞金ルールの採用を」フェデラーが要求

テニスの4大大会ウィンブルドンの男子シングルス1回戦で、途中棄権が相次ぎ、対戦相手やファンからルール改正を求める声が上がっている。
Tennis - Wimbledon - London, Britain - July 4, 2017 Switzerlandâs Roger Federer in action during his first round match against Ukraineâs Alexandr Dolgopolov REUTERS/Matthew Childs
Tennis - Wimbledon - London, Britain - July 4, 2017 Switzerlandâs Roger Federer in action during his first round match against Ukraineâs Alexandr Dolgopolov REUTERS/Matthew Childs
Matthew Childs / Reuters

テニスの4大大会ウィンブルドンの男子シングルス1回戦で、途中棄権が相次ぎ、対戦相手やファンからルール改正を求める声が上がっている。BBCなどが報じた。

ウィンブルドンは7月3日に始まり、本選に128人が出場。4日までに行われた1回戦64試合のうち、7人が途中棄権で姿を消した。

特に、4日のセンターコートのチケットを購入した客は、がっかりしたに違いない。2試合目に世界ランク4位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)選手がコートに立ったが、1セット目を6-3で先取し、2-0とリードした2セット目の途中で対戦相手がリタイア。

続く3試合目も、同5位のロジャー・フェデラー(スイス)選手が登場したと思ったら、6-3、3−0となったところで対戦相手が試合をあきらめ、同じ展開をたどった。

2試合ともわずか40分で試合が終わってしまい、試合を期待した観客には不満が残った。途中棄権となった7試合の中には、1セット目の途中で選手がリタイアし、たった15分で終わった試合もあった。

ガーディアンによると、両選手ともけがを理由に棄権。フェデラーの対戦相手が、拾えそうなボールを追いかけなかった場面が数回あり、フェデラーに心配する一幕があった。途中棄権が宣言されると、センターコートの観客は戸惑いが広がった。

ジョコビッチの対戦相手も、試合開始時は問題がなさそうな様子だったが、40分後には太ももをかばって足を引きずり、棄権した。

この選手は、太もものけがで先週にトルコで開かれたツアーを棄権しており、ジョコビッチはコートサイドで「彼はコートに入る前から体に不安を抱えていたと聞いた。このような形で試合が終わるのはみんな不本意だと思うが、彼の万全を祈るよ」とガーディアンの取材に答えた。

スポニチよると、ウィンブルドンでは1回戦に出場すると、3万5000ポンド(約510万円)もの高額な賞金を得ることができる。途中棄権しても支給されるため、故障を抱えたまま出場し、フェデラーやジョコビッチのような強豪相手に劣勢になった選手が、早々に諦めてしまう可能性があると指摘している。

■途中棄権を減らす新ルール、ウィンブルドンは採用せず

男子プロテニス協会(ATP)は2017年、ルールを改正。選手が大会が始まる直前に出場辞退した場合、賞金はそのまま支給され、出場権は予選で敗退した選手に渡る。試合中の棄権を減らそうとするこの仕組みにより、2017年は今のところ、試合前の棄権が増え、試合中は減った。

ところがこのルールは、ウィンブルドンを含む4大大会では採用されていない。

フェデラーは、相次ぐ途中棄権で観客の期待を裏切ったとして、ウィンブルドンにルール改正の検討を求めた。試合後の会見で、「グランドスラムは協会の新ルールを採用するべきだ」と強調。さらに、「素晴らしいテニスを期待して見に来た観客に申し訳なく思う。選手は最後まで試合を続けることができないと思ったら、初めからコートに立つべきではない」とテレグラブの取材に対して答えた。

テレグラフによると、ウィンブルドンの賞金は優勝が220万ポンド(約3億2350万円)、準優勝は115万ポンド(約1億6900万円)。他の4大大会でも、1回戦に出場した選手には、全豪は3万ポンド(約440万円)、全仏は2万9600万ポンド(約435万円)、全米は3万2500万ポンド(約480万円)がそれぞれ与えられる。

■関連画像集「ウィンブルドン2016 男子シングルス決勝」

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