これからの経済
2017年08月09日 19時04分 JST | 更新 2017年08月09日 19時18分 JST

たった2カ月で1億円集めた案件も クラウドファンディングのMakuakeが出来て4年で起こったこと

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こんな商品があったら良いなと思うけど、作るお金がない。困った人を助けたいけど資金がない——。そんな夢や悩みを、インターネット上で打ち明け、みんなからお金を集めて新しい商品を開発したりサービスを提供したり、社会課題の解決をめざしたりする「クラウドファンディング」。国内大手のMakuake(マクアケ)が8月、サービスを開始してから4周年を迎えた。

これまで約3000件のプロジェクトを実施し、中には1億円以上を調達したプロジェクトもでてきた。提携した地方の金融機関は約60行にのぼり、立ち上げたばかりの企業やプロジェクトを、資金面で支える「金融インフラ」になりつつある。

「クラウドファンディング」は、英語の群衆(クラウド)と資金調達(ファンディング)を合わせた造語。

ネット上で共感した誰かのプロジェクトに対して、お金を出して手助けすることで、完成したばかりの新商品がいち早く手に入ったり、企画をした企業や団体からプレゼントをもらえたりする。出身地域のプロジェクトにお金を出せば、気軽な地域貢献に参加できるのが特徴だ。

Makuake運営会社の中山亮太郎社長は、ハフポスト日本版の取材に対して「特にこの1年は、Makuakeが経済を支えるインフラになっていくために、ひとつの壁を突破したという手ごたえを感じることのできた1年でした」と語った。

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代表取締役社長の中山亮太郎氏

日本でクラウドファンディングが広がり始めたのは、2011年の東日本大震災がきっかけとされる。困った人がいたら、たとえ見知らぬ同士でも、寄付で支え合う風潮が広まったためだ。

MakuakeはIT大手のサイバーエージェント子会社で、競合他社の「Readyfor」と並んで日本のクラウドファンディング業界を引っ張ってきた。

8月7日に開かれた、4周年を記念したパーティでは、2016年8月から1年間、Makuakeで資金調達を実施した約1000件のプロジェクトを対象に、調達金額、サポーター数、話題性などをもとに15プロジェクトを表彰した。

■2カ月足らずで1億円調達

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ゴールド賞を受賞して登壇したglafit代表 鳴海禎造さん

ゴールド賞として表彰されたのは、自転車と電動バイクを組み合わせた「glafitバイク」のプロジェクト。和歌山の企業が、環境に優しく利便性も高い新しい形態のバイクを開発した。プロジェクト開始時の目標金額であった300万円を開始から3時間で達成し、2カ月未満で1億円調達を成し遂げた。8月9日時点で、目標額に対して4111%の資金を集めている。

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glafitプロジェクトの「ハイブリッドバイク」

ブロンズ賞に選ばれた「雪どけ酒 冬単衣(ふゆひとえ)」プロジェクトは、シャープ株式会社と石井酒造の共同プロジェクトだ。

日本酒をマイナス2度で楽しむという新しい体験を提供する商品には、シャープの「蓄熱技術」が活用されている。

シャープから何年も活用しきれていない蓄熱技術を活かす方法についてMakuake担当者が相談を受けたことがきっかけで、この新しい日本酒の商品開発がスタートしたという。

資金調達に苦しむベンチャー企業や小さな団体だけでなく、シャープのような大企業が実験的な商品を試しに開発する用途も、今後は広がりそうだ。

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ブロンズ賞を発表するMakuake社長の中山亮太郎氏

調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、2015 年度の国内クラウドファンディングの市場規模は新規プロジェクト支援額ベースで、前年度比68.1%増の363億3,400万円と拡大した

2017年内には、アメリカのクラウドファンディング大手キックスターターが日本に参入する予定で、競争がますます激しくなりそうだ。

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