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2018年02月02日 17時41分 JST | 更新 2018年02月03日 12時47分 JST

「SS-520」5号機とは? 「悔しさをバネに」世界最小の衛星ロケット打ち上げへ(写真・動画)

打ち上げ費用は5億円程度 イプシロンロケットの9分の1

Kenji Ando
「SS-520」5号機(2月2日撮影)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げる世界最小クラスの人工衛星ロケット「SS-520」5号機が2月2日、報道陣向けに公開された。

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鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で、2月3日の午後2時3分に打ち上げられる予定だ。

狙いは、超小型ロケットで超小型衛星を打ち上げる先例にすること。姉妹機「SS-520」4号機の打ち上げ失敗から、約1年ぶりのリベンジとなるかが注目されている。

現在の宇宙開発では、重さが数トンの人工衛星を打ち上げる大型ロケットが主流となっている。一方で、重さ数キロの「超小型衛星」を打ち上げるための「超小型ロケット」も、世界的に望まれるようになってきた。

その超小型ロケットである「SS-520」5号機は、2段式の観測用ロケット「SS-520」を改造して3段式にしたもの。全長9.54メートル、直径は52センチ、重量は2.6トンと電柱のようなサイズだ。

ロケットに搭載するのは、超小型衛星「TRICOM-1R」。重さ3キロで東京大学が開発した。地球を周回しながら地上端末から送られるデータを収集し、搭載したカメラを用いて地球を撮影する予定だ。

Kenji Ando
2月2日、報道陣に公開された「SS-520」5号機
 

■打ち上げ費用はイプシロンの9分の1

JAXAが運用している衛星打ち上げロケットとして最も小型な「イプシロンロケット」と比べて、「SS-520」5号機は全長が半分、重さが30分の1程度となっている。

製造・打ち上げのコストも、大型ロケットに比べて、大幅に安い。JAXAによると、機体の製造と打ち上げ費用は合わせて5億円程度だ。これは、イプシロンロケット3号機の約45億円と比べて、9分の1程度となる。

超小型ロケットの開発は国内でも盛んで、堀江貴文さんがスポンサーとなっているインターステラテクノロジズ社が、人工衛星打ち上げを視野に入れて、超小型ロケット「MOMO」の開発を進めている。

■リベンジなるか?

失敗した「4号機」は、打ち上げから約20秒で機体の状態を示すデータが受信できなくなり、2段目への点火を中止した。ロケット内部の電線が損傷したのが原因と見られている。

今回の5号機では設計を見直して、ケーブルが損傷しにくくしたという。

JAXAの羽生宏人(はぶ・ひろと)准教授は2月2日、昨年の打ち上げ失敗を振り返って「非常に悔しい思いでした」として以下のように語った。

実験に失敗するとつらいんですけど、その悔しさをバネに、今回改めて実験をさせていただくことになりました。今日リハーサルを終えて、明日の14時3分に打ち上げる準備を進めているところです。絶対に成功させたいと思うんですけど、実験ですので、どんな結果になっても、見守ってください。

Kenji Ando
記者団の前でコメントするJAXAの羽生宏人准教授(中央)