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カンボジアの宝ものを世界に広めたい 「ここにあるもの」を自然な方法で育てる意味

2017年01月18日 17時13分 JST

カンボジア産のハーブ製品の製造販売を手がける会社、Roselle Stones Khmerの西口です。これまで、どのような経緯でハーブ事業を始めることになったのか。この分野では未経験だった私がどうやって事業を展開してきたかについて書かせていただきました。

 

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▶自然と調和した製品づくりを

「自然に任せる」栽培の意味

ワイルドクラフトという考え方で、なるべく自然に近い環境で育ったハーブを利用していることをお話しすると、多くの方から「難しくないですか?」「害虫がついたらどうやって駆除するんですか?」といった質問をいただきます。

 

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▶生産されたハーブについて、生産者と話し合う筆者(左)

 

結論から言うなら、今現在扱っているハーブの栽培は難しくないですし、害虫がつくこともそんなにありません。

その理由は、もともとカンボジアのこの地域に自生していたハーブや、環境に適応しているハーブだけを使っていること。

また、大規模なハーブ農園を作るのではなく、農地の空き地で、もしくは学校や施設の庭で、多種多様な植物と一緒に小規模に栽培されていること。

そして何より大きな理由は、自然のままの収穫時期にしか収穫しないことが挙げられます。

農業の専門家でもない私が言うのは面映ゆいですが、人が栽培や収穫量をコントロールをしようとし始めると、どうしても様々な問題が起こり、それに対応することが必要になるのだと思います。

栽培パートナーの教え

わが社で扱っているハーブは、どれも外から新たに種を持ち込んだものではなく、もともとその土地で生えていた植物を使っています。収穫時期を無理に長くするような手は加えません。

一種類の植物を大規模に植えると、その植物が好物の虫が寄ってくる危険性がありますが、多種多様な植物を一緒に植えていると、生息する虫も多様になり、特定の虫が大量発生する危険性も減ります。

 

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▶カンボジアの農作業の様子

 

この秘訣を、私は栽培を請け負ってくれているパートナーのひとりから教えてもらいました。

この事業を始めた当初、それぞれのハーブの生育の様子を知りたくて、プノンペンの事務所で一本だけハイビスカスの株を育てていました。うまく成長していたのに、花が咲く時期になったら突然寄生虫が大量発生し、花はことごとく落ち、最後は木が腐ってしまいました。

きっと害虫がつきやすいハーブなのだと思い、「栽培地でも害虫駆除が大変なのかな?」と思いながら地方を訪問すると、健康そのもののハイビスカスの栽培風景がありました。

「プノンペンの事務所ではうまく育たなかったのに、どうして?」と私が尋ねたらこう言われました。

「プノンペンには、蜂などの益虫も少ない。中途半端な環境で、たった一本だけハイビスカスを植えたから、周囲の害虫が全部寄ってきたんじゃないかな? ここには害虫を食べる益虫もたくさんいるから」。

自然の恩恵に敬意を

もちろん、これから生産規模を大きくしようと思った時、今のやり方では課題にぶつかる日が来ることも理解しています。

ただ、「カンボジアの宝ものを世界に」という想いで始めたハーブ事業では、自然に逆らわず、自然の恩恵を大切に、適量だけ使わせていただくという姿勢こそが一番守らなければならないことだと思っています。

 

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▶カンボジアの農村部

 

「より多く作り、売る」ではなく、「大切に、想いを込めて作ったものを、想いを共有してくださる方々に買っていただく」という気持ちを忘れずに、カンボジアのパートナーたちと一緒に続けていきたいです。

 

 

 

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ライター

西口 三千恵/Michie Nishiguchi

2008年カンボジアに渡る。地方部の診療所の運営支援を通じ、運営資金創出のため、地元のリソースを活かしたハーブ製品製造を開始。その後小学校や診療所などの公共施設や若手農家との連携のもと、ハーブ製品製造販売に従事。2015年よりRoselle Stones Khmer Co., Ltd.を設立。代表取締役。

 

 

 

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