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認知症をあきらめないで、地域の総合力で解決しよう

2015年06月13日 00時14分 JST | 更新 2016年06月09日 18時12分 JST

■家庭の中にとどまらない認知症をめぐる問題、地域の総合力で

電車の線路沿いをお年寄りが歩き、電車が止まった。お年寄りは認知症の患者で、この時の莫大な費用補償を家族が求められた。

よく起きる認知症の患者をめぐる問題だ。

「こうした課題は、ケアマネージャーや医師、家族だけでなく、行政職員や弁護士など多くの機関が関わって解決するべきだ」。

群馬県桐生市の神経内科の開業医、平林久幸医師(45)は、認知症には地域の総合力で臨まなければならないと思っている。

ご近所づきあいが減っているため、それを補うために、職種を越えて地域が協力しあう必要があるという。地方では一人暮らしの高齢者が増えており、都市部では同居していても日中は見守る人がいないことも多いのでなおさらだ。

■無料医療アプリを開発

平林医師は、約20年間、認知症関連の治療に携わってきた。昨年は、パーキンソン病の診療を助ける携帯電話アプリ「PDmove」を発表した。専門医でなくても、このアプリを利用することでパーキンソン病を簡単に診断できるようになった。iOSで無料配信している。

患者の操作は簡単だ。指を開いたり閉じたりしたり、うちわをあおぐように腕全体を動かしたり、真っすぐな線を描く運動などをスマートフォンでする。副次的には患者のリハビリにもなる。自動的に患者のデータが収集できるので、医師が薬の効果などを検証することも可能だという。

作成費用は約200万円。現在、ダウンロード数は400程度だが、うち10%は海外によるものだ。

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■総合力で認知症問題取り組む仕組み

そんなアイデアマンの平林医師は、2年前から医師やケアマネージャー、行政職員、市民後見人、弁護士ら専門職種の人が集まって、認知症をめぐる問題を話し合う定例会議を計25回開いている。

その中で、認知症について問題解決を話しあう時に使うために、別の医師が開発した「見える事例検討会」という手法を使っている。

具体的な状況をつまびらかにし、どこに問題があるかを見極める。食事は一人でとれるのか▽買い物には行けるのか▽隣の人が見守りに来れる環境か▽高級住宅地に住んでいるのか▽きちんとゴミ出ししているのか▽お風呂に一人で入れるのか▽娘、息子は近くに住んでいるのか

困った家族はどこから手をつけていったらいいのか分からないことが多いという。その際に、生活上の細かい事例を積み上げる手法は、有益だという。

百人百通り、抱える問題は異なる。それを、専門家がそれぞれの領域の知識を生かして解きほぐしていく。総合力で問題解決を図る場が今回の会議だ。

一般市民の意識醸造こそが、医療機関にかかる前の認知症のお年寄りをめぐる問題の解決には必要だ。

そのため、参加費用は500円におさえ、広く全国からインターネットのライブ中継で参加してもらえる場も用意した。

今回、その開催費をクラウドファンディングA-portで集めている。平林医師は「医療や介護業界とは直接関係のない一般の方でも、少しでも興味をお持ちの方々に関わっていただきたい」と話している。

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A-port: 「将来、介護を受ける?」認知症の高齢者を抱える地域課題について公開討論を開きたい