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パズドラ 大ヒットの裏にあった神運営――大好きすぎてチーム全員が自腹で遊ぶ? 飽くなきゲーム作りへの思い

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2012年2月のリリースから約一年と半年で、国内累計ダウンロード数2000万件を超える快挙を遂げたスマートフォン向けゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)。韓国でもApp Storeで1位を獲得するなど、その勢いは海外にも及んでいる。

コアなファン層から、普段はあまりゲームをしないライト層まで、あらゆるユーザーを虜にし続ける秘訣とは。「ゲームは一人では絶対につくれない。大きな当たりではなく、アップデートの積み重ねでしかない」。そう話すのは、パズドラスタジオのプロデューサーである山本大介さんだ。「神運営」を掲げるパズドラチームを突き動かすものとは。

■ 幅広いユーザーのレベルに応じて進化を続けるパズドラ

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リリース当初、パズドラがターゲットに見据えていたのは、昔はゲームを遊んでいたが離れてしまったスマホを持つサラリーマン層やOL、主婦だった。パズルは性別に関係なく受け入れられ、今最も多く遊んでいるのは中高生だという。

「コアユーザーは、リリース当初とはだいぶ変わりました。スマホを持っている中高生は、男の子なら8割が遊んでくれています。次に多いのが大学生で、次いで20代、30代のサラリーマン層。ここまでユーザー層が広がると、、ユーザーのレベルに応じてゲームを進化させています」(山本さん)

ゲームには新しいダンジョン、ステージ、モンスターなどが適宜追加されていくが、なかには大型アップデートもある。2012年秋頃に追加されたのが、半年練って誕生した新要素、テクニカルダンジョンだ。

今までは攻撃しかしてこない敵モンスターがスキルを使うようになり、ゲームの難易度がだいぶ上がった。初級者ユーザーがついてこられるかが懸念されたが、パズドラを継続して遊んでいるうちに慣れ、結果的にこのアップデートは大成功を収めた。ユーザーのプレイスタイルに応じて攻略できる形をとることで、あらゆるユーザーを飽きさせない工夫がされている。

■ 40人のチームが志すお客様視点の「神運営」

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山本大介さん。ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 執行役員 第3企画開発本部長 パズドラスタジオ プロデューサー

スマホ版のパズドラをつくるのは、アプリプログラマー、サーバーエンジニア、デザイナー、プランナー、ディレクターなどからなる約40名のチームだ。その他にカスタマーサポートや外部の作曲家やイラストレーターなどがおり、国内2,000万ダウンロードを少数精鋭のプロフェッショナル集団が支えている。

プロデューサーやディレクターが決める大きな方針を基に、あとは各々がその専門分野で自発的に動く。一人一人に任される範囲が広いため、責任感やモチベーションにつながる。

「パズドラをリリースした当初からのコンセプトとして"神運営"があります。常にお客様視点であること。開発者視点で傲慢になることなく、お客様の意見を取り入れながら運営していくというのが、チームの大きな方針です。逆に言うと、大きく決まっているのはそれくらいです」(山本さん)

お客様視点を徹底し、ユーザーの問い合わせや要望を見て、それに基づいて次のアップデートやイベントの内容を決めていく。ユーザーがゲームに飽きることがないよう、基本は2週間の短いスパンで企画が進むのだという。

■ 自分たちが飽きないゲームをつくること

ゲームに飽きられる前にアップデートをかけ、その内容がすべてウケないとお客様はすぐに冷めて引いていってしまう。そのため、「究極進化」や「覚醒」といった大きな仕組みは、リリース前にその内容を相当練る。今までユーザーが大事に育ててきたキャラクターを無駄にせず、強くなり過ぎてゲームバランスを壊さない程度に進化させる。

現状と進化の絶妙なバランスを保ち、ユーザーを飽きさせないアップデートを繰り返すこと。この難題を、パズドラチームはいかにして成し遂げているのか。

「それはシンプルで、チームメンバーみんながパズドラを大好きだからだと思います。全員が、個人の端末でも課金して遊ぶユーザーです。だから、常にユーザー目線で次のアップデートを考えられる。自分たちが飽きないゲームをつくっているんです。大きなアップデートは練る期間も長くなりますが、最終的には全員で"次はこれだ!"と合意できた時に動くことが多いですね」(山本さん)

パズドラが好き、という確固たる思いが根底にあるからこそ、常にチームは同じ方向を向いて前進することができている。

■ いいものをつくりたい、コミュ力が高いプロ集団

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現在のパズドラスタジオのチームは、もともとガンホーにいたオールドスタッフと、中途で採用したメンバーによってバランスよく構成されている。現場では、カスタマーサポートからサーバエンジニアまで幅広い職種や部署の連携が求められる。

そこで発揮されるのが、チームメンバーに共通してみられる高いコミュニケーション能力だ。指揮をとるディレクターなどがコミュニケーションを率先することで、話しやすい文化を育んでいるという。

コミュニケーションは、パズドラスタジオ、またガンホー全体としても重要視している企業文化の1つ。四半期ごとに飲み会を開催したり、年一度のサンバカーニバルには2年連続で出場し、300人ほどの社員が集まる。そこには、古い日本企業に見られるノミニケーションの文化がある。

追い込み前などは、ピリピリして空気が悪くなる前に飲みに行くようにしていますね。うちはIT企業だと思われることが多いのですが、実際はゲームメーカーなんですよ。オリジナルゲームをつくりたい、いいものがつくりたい。そんな思いでゲーム業界に入ってきたメンバーばかりです。それができていれば満足というか。だから、ダウンロード数や売上などの数字に左右されることなく、みんなが同じ方向を向いて一致団結しています」(山本さん)

■ 世界へ、そして一日でも長くパズドラで遊んでもらう

パズドラは、2013年3月には韓国のApp Storeで1位を獲得。他にも、米国やイギリスでも展開している。日本版からの変更はほとんどなく、面白いコンテンツはグローバルに受け入れられることを実感しているという。韓国では、現地のグループ会社と組むことで効果的なプロモーションが実施できた。今後も適切なパートナーを見つけることで、現地に合った売り方を模索していく予定だ。

日本に旋風を巻き起こし、海外にも展開するパズドラチームが今目指すことを聞いてみた。

「考えてみると、チームの目標ってあまり決めたことがありません。単純に、一日でも長くパズドラを遊んでほしいというだけです。最近"オワコン"なんて言葉が使われますが、ユーザーのアクティブ率を見るとまだまだこれから。自分たち自身がゲームの熱烈なファンなので、これからも自分たちが飽きないゲームをつくり続けて、お客様に一日でも長くパズドラで遊んでほしいです」(山本さん)

パズドラの神運営はまだまだ続きそうだ。

執筆・構成:三橋ゆか里 /撮影:橋本直己/編集:藤村能光

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