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オバマ大統領は広島で、こうスピーチすべきだ

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OBAMA
Toshiyuki Aizawa / Reuters
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ホワイトハウスは、オバマ大統領が5月末の日本訪問に合わせて広島を訪れる予定だと発表した。これは歴代の大統領で初めてだ。

広島の平和記念公園ではスピーチが予定されており、1945年8月6日のアメリカによる原子爆弾の投下を追悼するものとなる。

ベン・ローズ大統領副補佐官は、オバマ大統領のスピーチする内容について以下のように話している。

「大統領の広島訪問は、核なき世界の平和と安全を追求するアメリカの長期的な取り組み、そして大統領自身の約束を再確認するものでもある。

大統領が述べたように、アメリカは唯一の核兵器使用国としてその約束を果たすために、世界を主導していく特別な責任がある」

オバマ大統領が最初に核に関わる外交方針の演説をしたのは、2009年4月だった。核兵器による脅威は終わりにしなければならないと、プラハで情熱的に語った。アメリカは安全保障政策の中で核兵器の果たす役割を縮小し、冷戦時代の思考に別れを告げる、と公言したのだ。

広島でのスピーチは、このプラハ演説を完璧な締めくくるものになるかもしれない。ただしそのためには、大統領はこの機会に、退任までにやっておくべき具体的なステップを発表するしかないだろう。核兵器の廃絶に向けて情熱的なスピーチを繰り返すだけでは足りない。今、世界に必要で、世界が待ち望んでいるのは、実際の行動なのだ。

オバマ大統領が広島で語るべきなのは、次のような言葉だ。

******************

皆さん、温かい歓迎を、ありがとうございます。

私が広島に来た理由はいくつかあります。まず一つ目は、ここに眠る人々が第二次世界大戦時に太平洋地域で起こったまさに非人道的な惨禍に遭われたことを認識することです。

二つ目は、広島と長崎に原子爆弾が落とされた後を生き延びて来られた、いわゆる被爆者の方々が、この2発が実際に使用される最初で最後の核兵器となるように、たゆまず訴え続けて来られたことを、はっきりと認識することです。

そして三つ目は、私がアメリカ軍の最高司令官として、核兵器が再び使用されることが無いようにする具体的なステップを発表することです。このステップは、2009年に私がプラハで敷いた道筋に沿ったものです。

まず第一に、アメリカは、長距離ミサイルに搭載される核弾頭の数を、新戦略兵器削減条約で定められた1550発から1000発へと削減します。この数字は、国防総省の分析に基づき、他の諸国がどのように振る舞おうとアメリカの安全保障が脅かされない妥当な数量として、私が決断しました。

第二に、私は、新世代の核弾頭をはじめミサイルや爆撃機、潜水艦などを建造するために私の政権が立てている3兆ドルの計画をさらに削減します。この手始めとして、新たな長距離核巡航ミサイルの計画を撤回します。これは不必要であり、かえって世界を不安定にさせるものだと考えるからです。

第三に、この世界に残る極めてばかげた状況の一つを無くすための施策を取ります。それは、核兵器が再び使用されるような事態が、十中八九、単なる手違いが引き金となって起こる、という状況です。

どうしてそうなるのでしょうか。説明させてください。

今日、アメリカとロシアの両国は、それぞれ、核兵器を積んだ何百ものミサイルを、いつでも発射できる状態で待機させています。いわゆる「即時迎撃態勢」です。核兵器による攻撃が差し迫っているという警告が起こると、ものの数分でこれらを発射することができるのです。この警告は、軍事衛星と地上に置かれたレーダーからのデータを集め、コンピューターの処理により発せられることになっています。

このような仕組みでは、何かの事故によりまた誰の承認も受けない発射や、間違った警告に従って正式な手続きを経た発射が起こる可能性が高まります。アメリカの大統領も、ロシアの大統領も、わずか10分のうちに、攻撃を受けつつあるという警告が事実か誤報かを判断し、迎撃のため核武装したミサイルを発射させるという命令を出さなければなりません。そして、ひとたび発射されたなら、これを止めることはもうできないのです。

しかしながら、こうした警報システムが誤動作を起こしやすいものだということは、歴史が繰り返し示しています。人による手違いと技術的な誤動作とが、世界を核戦争の一歩手前まで追いやったことが何回もあるのです。こんな状況は、決して受け入れることなどできません。事故は起こるものですが、そのために核戦争が引き起こされることなど、あってはならないのです。

私は大統領に立候補した時、そして大統領に就任した時から既に、こうした危険でばかげた状況に気が付いていました。そしてこう言ったのです。「私たちの核兵器を即時迎撃態勢に置いておくのは間違いだ」なぜなら「核兵器をいつでも即座に発射できる状態に置いておくなど、冷戦時代の遺物にすぎない危険なことだ。そうした政策こそ、ちょっとした事故や判断ミスによって破滅的な事態を招くリスクを増大させるのだ」

歴代の国防長官やアメリカの核兵器貯蔵庫を担当する軍の高官たちも、私の意見に同意してくれました。また科学者や宗教界の指導者たちもです。ウィリアム・ペリー前国防長官は最近の著書「核なき世界を求めて―私の履歴書」にこう書いています。「こうした誤警報の数々によって、わが国のリーダーたちがものの数分のうちにこの地球全体の殺生与奪を決断しなければならないという途方もない危機が、私たちの脳裏にはっきりと焼き付けられました」

アメリカ核戦力司令官を務めたジェームズ・カートライト元海兵隊大将は、冷戦時代には存在しなかったサイバー攻撃の脅威により新たなシステムの脆弱性がもたらされるだろうと論じています。昨年、彼が取りまとめたレポートによれば、「いくつかの観点からすると、冷戦時代の方が今日よりも状況は良かった。サイバー攻撃に対する脆弱性が...新たな不安定要因として浮上してきた」

そして、このばかげた状況は一層深刻になるかも知れません。中国では軍部が初めて、中国が保有するミサイルを厳戒態勢に置くように政府に迫っています。こうして中国は、ミサイル警報システムの構築を進めるかもしれませんが、それは、アメリカやロシアと同じように誤動作を引き起こしやすいものでしょう。アメリカは中国の指導者たちに働きかけて、そのような行動がいかに愚かで危険かを理解させなければなりません。

ですから、今日、私はこうして、私の公約を果たすべく皆さんにお話をしています。私は、アメリカが、地上ミサイルのすべてを即時迎撃体制から外し、わが国の戦争計画から警戒即時発射のオプションを取り除いていくことを発表します。

こうしたステップこそ、アメリカならびに全世界をより安全に保つのです。

締めくくりに、私が7年前にプラハで語った言葉をお話しします。

「より良い未来に至ることで、私たちの過去に敬意を表しましょう。分断された世界に橋をかけ、希望を私たちの足場とし、この世界をこれまでより一層平和と繁栄に導くための責任を、皆で分かち合おうではありませんか」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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原爆投下直後の広島
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