洗って繰り返し使えるストロー、小学生のアイデアを商品化。娘の自由研究を父が引き継いだ。

ライスペーパーやマカロニ、野菜の葉っぱ……と様々な素材を試し、辿り着いたという。

小学生の自由研究をきっかけに、繰り返し使えるストローが誕生した。

山口県防府市の光浦醸造工業は、洗って繰り返し使えるシート製のストローを開発し、7月から一般販売を始める。そのアイデアは、光浦健太郎代表の小学生の娘の自由研究から生まれた。

■ライスペーパーやマカロニ、空芯菜の葉でも挑戦

洗って繰り返し使えるストロー
洗って繰り返し使えるストロー
光浦醸造工業

ストローのブランドの名前は「STROLL」(ストロール)。プラスチック製の1枚のシートを、好みの太さの円筒状に巻き、ベルトで固定して使う。飲み終わったら、シートは広げて簡単に洗うことができる。

光浦さんによると、開発のきっかけは2019年夏、当時小学3年生だった長女が自由研究でストローを研究したことだった。

家族で自由研究のテーマを話していた際、プラスチックごみが問題になっていることから、ストローを研究してみることに。まずは世の中にはどんなストローがあるのかを調べ、「自然にかえる素材」でストローが作れるかにも挑戦してみた。

ライスペーパーやマカロニ、葉っぱ……と様々な素材でストローが作れるか試してみたが、一度しか使えなかったり、腐ってしまったりすることが課題になった。

葉っぱで作ったストロー
葉っぱで作ったストロー
光浦醸造工業
マカロニで作ったストロー
マカロニで作ったストロー
光浦醸造工業
クリアファイルでも作ってみた
クリアファイルでも作ってみた
光浦醸造工業

葉っぱを巻いてストローを作ってみたことをヒントに、プラスチック製のクリアファイルを巻いたシート製のストローを考案した。

■慶応元年創業の醸造会社の挑戦

小学校で研究を発表したところ、教員から「これ、すごいですね」「特許が取れるのでは?」とアドバイスがあり、光浦さんが娘から研究を引き継いだ。

光浦醸造工業は1865年(慶応元年)創業で、光浦さんは8代目。同社では主に味噌やレモンティーの製造販売を手がけており、ストローを開発するのは初めてだ。先が尖らないようにしたり、シートを止める位置を調整したりすることに苦戦したという。

3カ月ほどの試行錯誤を経て特許を出願。その後も改良を重ね、商品化することになった。

ただ、飲み物が漏れないように円筒状に上手に巻くには、「ちょっと難しく、コツが必要です」と光浦さん。慣れれば上手に巻けるようになると言い、今後は、わかりやすく巻くコツを動画などで発信していきたいという。

現在はオンラインショップで先行販売中で、7月1日から一般販売を開始予定だという。

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