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金融リテラシーマップと金融教育公開授業の実践校

2017年06月19日 14時05分 JST

市議会で取り上げた内容をまとめた「広がるか、小・中学校のファイナンシャル教育」で、金融庁の年代別の金融リテラシーマップに興味を持って頂いた方がいらっしゃったので補足で説明します。

これは金融庁の金融広報中央委員会が事務局となって金融経済推進委員会が公表した各年齢層が最低限身に着けるべき金融リテラシーを具体的に表にしたものです。

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小学生、中学生、高校生、大学生、若年社会人、一般社会人、高齢者の年代別に分けて、家計管理、生活設計、金融取引の基本としての素養、保険商品、ローン・クレジット、資産形成商品、外部の知見の適切な活用を各年代が学ぶべき分類とされています。

【小学生】

  • 社会の中で生きていく力の素地を形成する時期
  • 家計管理→必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別し、計画を立てて買物ができる
  • 生活設計→働くことを通してお金を得ることおよび将来を考え金銭を計画的に使うことの大切さを理解し、貯蓄する態度を身に付ける。
  • 金融取引の基本としての素養→小学生が巻き込まれる金融トラブルの実態について知り、消費生活に関する情報を活用して比較・選択する力を身に付ける
  • 保険商品→事故や疾病等が生活に大きな影響を与えることを理解し、自らも安全に行動する不測の事態に備える方法として貯蓄以外に保険があることを理解する。
  • ローン・クレジット→子ども同士でお金の貸し借りはしないようにする。
  • 資産形成商品→金利計算(単利)などを通じて、主な預金商品とその利息の違いについて理解する。

【中学生】

  • 将来の自立に向けた基本的な力を養う時期
  • 家計管理→家計の収入・支出について理解を深め、学校活動等を通じて収支管理を実践する
  • 生活設計→勤労に関する理解を深めるとともに、生活設計の必要性を理解し、自分の価値観に基づいて生活設計を立ててみる
  • 金融取引の基本としての素養→契約の基本を理解し、悪質商法等を見分け、被害に遭わないようにする
  • 保険商品→リスクを予測して行動するとともに、人を負傷させたり、人の物を壊した場合には弁償しなければならないことを理解する事故や病気のリスクや負担を軽減させる手段のひとつに保険があることを理解する。
  • ローン・クレジット→ローン等の仕組みや留意点について理解する
  • 資産形成商品→リスクとリターンの関係について理解する金利計算(複利)を理解し、継続して貯蓄・運用に取り組む態度を身に付ける。

金融広報中央委員会、都道県金融広報委員会が無料で小中学校や高校に講師を派遣する「金融教育公開授業」の実践校は毎年十数校以上にのぼっています。

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例えば、香川県の綾川町立陶小学校の実施報告によると、「目指そう買い物名人」というテーマで行われました。以下はその報告の引用です。

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買い物をするときに大切なことは何かについて考えました。買い物に出かけ、予定外のものが欲しくなった場面を設定し、自分だったら「買う」か「買わない」かを考えてみました。これにより適切な買い物の仕方についての意識が高まりました。その後、「買う」か「買わない」かの判断基準についてグループで話し合い、買い物の際の5つの判断基準をまとめました。

この基準をもとに再度一人ひとりが検討し、判断結果と理由をワークシートに記入しました。全体で交流する場では、一人ひとり立場や状況によって判断基準に違いはあっても、「欲しい」から買うのではなく、「本当に必要なものかどうか」を検討することが、買い物名人の第一歩であることに気付くことができました。

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島根県の津和野町立津和野中学校でも、「家計シミュレーションを通して収支について考えよう」というテーマで行われました。以下、報告の引用です。

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生徒は5年後に一人暮らしをしている自分の生活をイメージし、1カ月にどのくらいのお金がかかりそうか、シミュレーションを行いました。

まず、支出にはどのような項目があるのか、全員で考えてみました。衣食住のほかにも、携帯電話代、医療費、社会保険料、税金、奨学金の返済などの項目もあがりました。一人暮らしには意外とお金がかかると気づいた生徒が多かったようです。

次に、一人ひとりが自分の生活にかかる金額をシミュレーションしたうえで、グループ内で説明し、互いにアドバイスを行いました。

最後に、数名の代表者が前に出て発表し、支出額やどの項目にどの程度お金をかけているのかなどを説明しました。発表を聴いて、生徒は自分の支出が人と比べてどうなのかを認識し合いました。また、支出と収入とのバランスの大切さについても学びました。

発表の中では、「将来に向けて貯蓄をすることも大切」との意見も出されました。一人ひとりが自立に向けて、支出に対する意識を高めることができました。生徒にとってイメージを膨らませやすい「一人暮らし」からお金について考えることで、興味を持って意欲的に学ぶことができました。

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市議会では我が市でもこの金融公開授業を活用したファイナンシャル教育の推進を求めました。ホリエモンさんが、newspicksで「既存の教師で教えられる人は数少ないだろうな」と感想をして頂けましたが、「先生のための金融教育セミナー」も金融広報委員会は実施していますので、ぜひ、先生も受講してはいかがでしょうか。

このファイナンシャル教育は、決まった回答を求める形式ではなく、皆で考えるアクティブラーニングとして活用していくのが望ましいと思います。

東猴史紘