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私はこのようにしてエドワード・スノーデンに出会った

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私は政府のもっとも暗部の隅にいました。そして、彼らが恐れるのは光なのです。

本ブログはグレン・グリーンウォルドの新著『No Place to Hide: Edward Snowden, the NSA, and the U.S. Surveillance State』の第1章の翻案、短縮されたバージョンである。Metropolitan Booksの許可により、TomDispatch.com に掲載された。

日本語版は新潮社より『暴露:スノーデンが私に託したファイル』が発売されている。



2012年12月1日、私はエドワード・スノーデンからの最初の連絡を受けた。当時はそれが彼からの連絡だとはわからなかったが。

コンタクトはキンキナトゥス(Cincinnatus)と名乗る人物からの電子メールの形でなされた。キンキナトゥスとは、紀元前5世紀に攻撃からローマを守るためにローマの独裁官に任命された農夫である、ルキウス・クィンクティウス・キンキナトゥスを指している。キンキナトゥスが記憶されるような人物となったのは、ローマの敵を打ち破った後の行動からだ。彼は速やかにかつ自発的に政治権力を放棄し、農夫の生活に戻った。キンキナトゥスは「公民道徳のモデル」として喝采を受け、政治権力を公共の利益のために行使すること、そして、より大きな善のために個人の権力を制限する、あるいは、放棄すらすることの価値の象徴となっている。

電子メールはこう始まっていた。「人々の通信のセキュリティは、私にとってきわめて重要な問題です」。「キンキナトゥス」は、彼が間違いなく私が関心をもつようなことを通信できるようにするためには、私にPGPでメールを暗号化して使うように勧めていた。PGPは「プリティ・グッド・プライバシー」の頭字語で、1991年に発明されている。PGPは電子メールやその他の形態のオンライン通信を監視やハッキングから遮断するための、洗練されたツールへと発展した。

その電子メールで「キンキナトゥス」は、私のPGPの「公開鍵」、すなわち、暗号化された電子メールを受信できるようにするための各人個別のコードセットを見つけ出そうとあらゆるところを探したが、見つけることができなかった、と書いていた。そのことから彼は、私が同プログラムを使用していないと結論づけ、次のように語ってきた。「この状況では、あなたと通信を行うあらゆる人を危険に晒すことになります。あなたが行うすべての通信が暗号化されるべきである、と言っているわけではありません。しかし、その選択肢を有する通信を提供することを最低限行うべきだ、と言っているのです」

次に「キンキナトゥス」はデヴィッド・ペトレイアス大将のセックススキャンダルについて述べた。ペトレイアスのキャリアを終わらせた、ジャーナリストであるポーラ・ブロードウェルとの不倫は、捜査官が2人の間で交わされたGmailを発見したときに明らかになった。ペトレイアスが、Gmailで送信したり下書き状態で保存する前に、自分が書いたメッセージを暗号化していたなら、捜査官はそのメッセージを読むことができなかっただろう。「暗号化は重要です。これはスパイや女たらしにとってだけの話ではありません」

「あなたが話を聞きたくなる情報を持っている人はたくさんいます」と彼は付け加えた。「しかし、彼らは、自分のメッセージが外部から傍受されないとはっきりとわかった前提でなければ、けっしてあなたとコンタクトをとろうとしないでしょう」そして、彼は私がプログラムを導入する手助けを申し出てくれた。彼は文面の最後を次の言葉で締めくくった。「敬具 C.」

暗号化ソフトウェアの使用は、長いこと私が考えていたものだった。私はここ何年か、ウィキリークス、内部告発者、集合的にアノニマスとして知られるハクティビストのことを書いてきた。また、アメリカの国家安全保障組織の内部にいる人々とも通信を行ってきた。彼らの大部分は通信のセキュリティを懸念しており、いつも望ましくない監視を防止していた。しかし、とりわけ私のようにプログラミングやコンピューターのスキルがほとんどない者にとっては、暗号化のプログラムは複雑なものである。そのため、そういったプログラムの導入をためらっていた。

C.の電子メールでも、私はアクションを起こすことはなかった。メディアがたいてい無視するニュースをカバーする人間として知られるようになっていた私は、あらゆるタイプの人々から頻繁に「とてつもないニュース」の提供を申し出られるが、ほとんどは何の価値もないニュースであることが判明する。また、いつの時点でも、私は自分が処理できる以上の記事に取り組んでいるのが普通である。そのため、私の場合、今とりかかっている案件から離脱して、新たなネタを追求するためには、何かしら具体的な情報が必要なのである。

3日後に再びC.から電子メールが届いた。最初の電子メールを受信したことの確認だった。今度は私もすぐに返信した。「そのメールは受け取っています。これから取りかかるつもりでいます。PGPコードは持っていません。どのようにして導入したらよいのかはわかりませんが、手伝ってくれる人を誰か見つけることにします」

その日のうちにC.は返信を寄こした。そこには、PGPを導入するための手順が丁寧に書いてあるガイドが添付されていた。いわば、「ダミーのための暗号化の核心部分」だ。そのガイドの最後に彼は、これらは「もっとも基本的なもの」にすぎない、と書いていた。また、こう付け加えられていた。「システムを導入するお手伝いができる人を見つけられない場合には、ご連絡ください。世界のほとんどどこでも、暗号化に詳しい人と簡単に接触できるようにして差し上げます」

この電子メールは、以前のメールよりも凝った署名がなされていた。「暗号化された敬具 キンキナトゥス」

私にはそうしようという意図はあったのだが、当時は他のニュースに追われてくたびれていたし、また、C.が価値のある情報をもっているのかどうかも依然として確信がつかなかったため、実際には何も行動をとらなかった。

私が行動しないのを見て、C.は自分の熱意を一段階上げた。「ジャーナリストのためのPGP」というタイトルの10分間の動画を作成してきたのだ。

C.が後に私に語ったところでは、彼がフラストレーションを募らせたのはこの時点でのことだった。「私は自分の自由を、おそらくは自分の生命すら危険にさらす用意ができている。それはこの男に、国家のもっとも秘密度の高い組織の何千という最高機密文書を手渡すことだ。このリークは何百ではないとしても、何十もの特大スクープを産み出すことだろう。それなのに、こいつは暗号化プログラムのインストールすらしない」

このとき、アメリカ史上最大かつ最重要になりうる国家安全保障関連のリークを吹き飛ばしてしまいかねなかったのだ。

■ 「彼は本物だ」

この案件に関わるものごとを次に聞くことになったのは、10週間後のことだった。4月18日に私はリオデジャネイロの自宅からニューヨークに飛び、JFK空港に着陸した。そのとき、ドキュメンタリー映画制作者のローラ・ポイトラスから電子メールが届いた。「来週、アメリカに来る機会はありますか?」そう書かれていた。「ある件について話をしたいのです。直接会うのがベストなのですが」

ローラ・ポイトラスからのメッセージであれば、私はすべて真剣にとっていた。私はすぐに返事した。「実は今朝アメリカに着いたところです...。あなたは今どこですか?」翌日、私が宿泊しているホテルのロビーで会う手はずを整え、当日、レストランの席に着いた。ローラが強く言い張って、確実に話を誰にも聞かれないようにする目的で、会話を開始する前に2度テーブルを替えた。そのようにした後、ローラは本題に切り込んだ。彼女が言うには、「きわめて重要で、センシティブな問題」とのことだった。セキュリティが重要なのだと。

そして、ローラは私に、携帯電話からバッテリーを取り外すか、あるいは、携帯電話をホテルの部屋に置いてくるようにと語ってきた。「神経質なように思えるかもしれないけれど」そう彼女は言った。政府には遠隔操作で携帯電話やノートパソコンを盗聴器にする能力があるという。私はかつて情報の透明性を主張する活動家やハッカーからそのことを聞いたことがあったが、行き過ぎた警告と見なして無視するのがほとんどだった。携帯電話のバッテリーは取り外せないことがわかり、私は携帯電話をホテルの部屋に置きに戻り、そしてレストランに戻ってきた。

ローラは話を始めた。彼女は一連の匿名の電子メールを受信しており、発信者は誠実であり、しかも深刻であると理解できた。その人物は、アメリカ政府が自国民と世界の他の国々に対しスパイ行為を行っているという最高機密の証拠となる文書へのアクセス権をもっている、と主張していた。彼はローラにその文書をリークすることを決意した。また、文書の発表とリポートに関し私と協力することを明確に要請した。

ローラは匿名のリーク元が送信してきた2通の電子メールのうちの数ページをバックパックから取り出した。私はテーブルで、その文書を最初から最後まで読んでみた。2つ目の電子メールで、リーク元は自らの使命と考える問題の確信に踏み込んでいた。

[最初に暴露されたあとの] 衝撃によって、より平等なインターネットを構築するために必要な支持を得られることになるでしょう。しかし、科学が法律を乗り越えない限り、それが一般人にとって有利に作用することはないでしょう。私たちのプライバシーが侵害されているメカニズムを理解することにより、私たちは勝利することができます。不当な調査からすべての人々が平等に保護されることをあまねく保証することは可能です。しかし、それは、技術者のコミュニティが、脅威に直面しながらも、限界を超えたソリューションを導入することに、積極的にコミットする場合に限られます。最終的には、権力者がプライバシーを得られるのは、一般の人も同じようにプライバシーを尊重されるときのみである、という原則を打ち立てる必要があります。これは人間の政策によって打ち立てられる原則ではなく、自然の摂理により打ち立てられる原則です。

「彼は本物だ」読み終えたときに私はそう語った。「なぜそうであるかを正確には説明できないが、これが深刻な問題であり、彼がまさに彼が言うとおりの人物であるということが、直感的に判断できる」

「私もそう思う」ローラが答えた。「私はほとんど疑っていない」

私は文面作成者の政治的情熱を本能的に嗅ぎ取った。私はこの情報提供者に、彼の世界観に、そして、明らかに彼を疲弊させている切迫感に、親密な思いを抱いた。

「私たちに文書を提供ために必要な最終手順を終えようとしている」ローラとコンタクトをとっている人間は最後の数節の一部にそう書いていた。彼はあと4週間ないし6週間を必要としていた。私たちは彼から連絡が来るのを待つべきだと考えた。

3日後、私は再びローラと会った。彼女は匿名のリーク元からの別の電子メールをもってきていた。そのなかで彼は、なぜ文書の開示のために、自らの自由を危険にさらそうとするのか、きわめて長期の懲役刑になる可能性が高い状況に身をさらすのか、を説明していた。今や私はいっそう確信することになった。情報源は本物である、と。しかし、ブラジルに戻る航空機内で、私はパートナーであるデビッド・ミランダにこう語った。すべてのことを忘れることにした。「これは起こらないかもしれない。彼は心変わりするかもしれないし、あるいは、見つかってしまうかもしれない」デビッドは鋭い直観の持ち主である。その彼は変に確信していた。「これは本物だ。彼は本物だ。きっと起こるだろう」と言い放った。「しかも、きわめて巨大な事件になるだろう」

■「恐れていることが1つだけある」

ローラから、緊急に話し合いたいというメッセージが届いた。ただし、そのための方法は、オンラインで安全に会話するための暗号化された機器である、OTR (オフレコ) チャットを介してでなければならなかった。

彼女がもたらしたニュースは驚きだった。私たちは情報源と会うためにすぐさま香港に出かけなければならないという。匿名の情報源はNSAがあるメリーランド州かCIAがあるバージニア州北部に住んでいると私は考えていた。アメリカ政府の最高機密文書へのアクセス権をもつ人物が香港で何をしているのか?  この事案で香港は何の役割を果たしているのか?

答えは情報源本人からしか得られない。彼はこれまでの事態の進展に苛立っており、彼の疑念を払うためには、また、増大する彼の懸念をなだめるためには、私が直接彼と話をすることがきわめて重要だった。1時間もしないうちに、私は Verax@****** を発信人とする電子メールを受け取った。Veraxはラテン語で「真実を告げる者」を意味する。メールのタイトルは「話をする必要があります」だった。

「私は、私たちの共通の友人と大きなプロジェクトに取り組んできました」電子メールはそのように始まっていた。「あなたは最近、私に会うための短期間の旅行を拒否するしかなかったようですが、あなたにはこのニュースに関与してもらわなければいけません」「通知を直前に行う方式で、2人の間で話ができる方法はありますか? あなたが安全な通信環境をそれほどもっていないことはわかっています。しかし、私の方で、あなたがもっている方法に対応しようと思います」彼はOTRで話をすることを提案した。そして、自分のユーザーネームを私に提供した。

私のコンピューターでベルのようなチャイムが鳴った。情報源がサインインした印である。少々緊張しながら、彼の名前をクリックし、「こんにちは」と打ち込んだ。彼は返事を寄こした。その時点ですでにアメリカ政府の監視プログラムに関する数多くの機密文書を明らかにし、これからさらに明らかにしようとしている、と私が仮定していた人物と、私は直接会話をしていたわけだ。

「これをリポートするために必要なことは何でもやるつもりです」私はそう語った。情報源 ― 彼の名前、勤務地、年齢、その他のすべての属性は、依然として私には不明だった ― は、彼に会うために香港までやって来ることができるかどうか尋ねてきた。なぜ彼がそこにいるのかについては聞かなかった。探っているように見える事態は回避したかったし、彼が置かれた状況はデリケートであると想定してもいた。それ以外のことは何が真実だったとしても、私はこの人物が、アメリカ政府がきわめて重大な犯罪と見なすことを実行しようと決心していることを知っていた。

「もちろん、私は香港に行きます」そう答えた。

その日私たちは2時間オンラインで会話し、彼の目標について長々と話し合った。私はローラが示してくれた電子メールから、彼がアメリカ政府が密かに構築している大規模な監視網のことを世界に伝えなければならないという思いに駆られていることは知っていた。しかし、彼は何を達成したいのか?

「私はプライバシー、インターネットの自由、国家による監視の危険性についての世界的な議論を引き起こしたいのです」そう彼は語った。「自分がどうなるかは恐れていません。今回の計画を遂行することで、私の人生が終わってしまう可能性が高いことは、もう受け入れています。そのことについては心は落ち着いています。これを行うのは正しいことだと知っています」その後、彼は驚くべきことを語った。「私は自分がこの暴露の背後にいる人物であると明らかにしたいと望んでいます。私には、なぜ私がこのことを行うのか、そして、何を成し遂げたいのか、を説明する義務があると考えています」彼は、自分が情報源であることを明かしたときにインターネット上に投稿したいと考えている文書をすでに書いている、と私に語った。それは、プライバシーに賛成し、監視に反対するマニフェストに世界中の人が署名し、プライバシー保護に対する世界的な支持があることを示したいという。

「今回のことすべてを行ううえで、恐れていることが1つだけあります」彼は語った。それは「人々がそれらの文書を見て、肩をすくめて、こう言う。『これは実際に起こっていることだと思う。しかし、気にはしない』私が心配している唯一のことは、私はこのことすべてを私の人生をかけて行うわけですが、それによって何も起こらないことなのです」

「そのようなことは間違いなく起こらないと思います」そのように私は請け合いはしたが、自分が本当にそのようになるのかは確信がもてなかった。私は長年NSAの権力濫用について書いてきたことから、秘密の国家監視に対する深刻な懸念を生じさせるのは難しい可能性があることを知っていた。

別の話になるが、私は香港に向けて出発する前に、文書の一部を読んで、情報源が行おうとしている暴露のタイプを理解したいと考えた。

それから2,3日の間、私が文書を見るために必要となるプログラムをインストールし、使用するための手順書を、情報源がオンラインで行ってくれた。

私がなかなか習熟せず、安全な通信のためのもっとも基本的な側面を教えるために彼の時間を何時間もとってしまうことについて、謝り続けることになった。「心配は要りません」彼は言ってくれた。「やってきたことの大部分は、ほとんど問題になりません。それに、今の私は自由な時間がたくさんあります」

プログラムがすべて設定されたところで、ざっと25点の文書を含むファイルを受け取った。「ほんの少し味見してもらいましょう。これは氷山の一角です」彼は興味をそそるように語った。

私はファイルを解凍し、文書のリストを確認し、そのうちの1つをランダムにクリックした。ページの上部には赤文字で、コードが記載されていた。

「TOP SECRET//COMINT/NO FORN/」

この記載は、この文書が法的に最高機密に指定され、コミュニケーション・インテリジェンス (COMINT) に関わっており、国際機関や連合パートナーを含む外国人への配布が禁止されている (NO FORN) ことを意味している。論争の余地のない明確さがあった。世界最強の政府のもっとも秘密度の高い機関であるNSAの高度の機密の通信である。このクラスの重要性の機密がこれまでNSAからリークされたことはなかった。同機関の60年にわたる歴史のなかで、明るみになることのないものだった。それを今わたしは数十点も所有している。そして、この2日間に私と何時間もチャットを行った人物は、それよりもはるかにはるかに多くの文書を所有していて、私にくれるのだという。

キャセイパシフィックの香港行きのフライトに搭乗するためにローラと私がJFK空港に到着したときに、ローラはバックパックからサムドライブを取り出した。「何だと思う?」非常に真剣な面持ちで尋ねてきた。

「何?」

「文書よ。これで全部」

■「README_FIRST」

その後の16時間、私は極度の疲労にもかかわらず、メモをとりながら、興奮のなかでただ次々と文書を読み続けた。私が最初に読んだのは、秘密の外国情報活動監視法 (FISA) 裁判所の命令だった。同裁判所は、チャーチ委員会が何十年にもわたる政府の権力濫用による盗聴を発見した後の1978年に議会によって設立された。設立の背後にある考え方は、政府は電子的な監視を引き続き行うことができるが、同じような権力濫用を防ぐために、監視を行う前にはFISA裁判所の許可を得なければならない、というものだった。私はそれまでFISA裁判所の命令は見たことがなかった。というより、ほとんど誰も見たことがないはずだ。同裁判所は政府内でもっとも秘密度の高い機関の1つである。そこでの判決はすべて自動的に最高機密に指定され、その判決へのアクセスを認められるのはほんの一握りの者だけである。

香港への航空機内で読んだ判決はいくつかの理由で驚くべきものだった。判決は通信大手のベライゾンビジネス社に、「(i) アメリカ合衆国と外国との間の通信、および、(ii) 市内通話を含む、完全にアメリカ合衆国内の通信」の「すべての通話の詳細記録」をNSAに引き渡すことを命じていた。このことは、少なくとも、何千万人ものアメリカ国民の電話記録をNSAが秘密裡に、また、無差別に、収集していることを意味している。実際、誰もオバマ政権がそのようなことを行っているとは知らなかった。今や、この判決により、私はその事実を知っただけでなく、証拠である秘密裁判所の命令書も手にしたことになる。

ここに至って初めて、私は本当に巨大なリークに取り組み始めていることを感じることができた。これまで何年間も私は制約を受けない国内監視がもたらす脅威について書いてきた。私の最初の著書は、2006年に発行されたものだが、NSAの無法状態と過激さを警告していた。しかし、私は政府のスパイ活動を覆い隠す巨大な秘密の壁に苦労していた。どのようにしたら莫大な公的秘密の層にきわめて完璧に覆われた機関の行動をリポートできるのだろうか? しかし、この瞬間、その壁は打ち破られていた。政府が必死になって隠そうとしていた文書を私が所有している。私は政府がアメリカ国民と世界中の人々のプライバシーを破壊するために行っていたことのすべてを争う余地なく証明する証拠を手にしていた。

16時間私はほとんど中断することなく読み続けたが、アーカイブのごく一部しか読み進められなかった。しかし、航空機が香港に着陸した時点で、私には2つのことがらが明確に理解できた。1点目は、情報源は、大部分の文書の重要性を認識していたことに明らかなように、高度に洗練された人物であり、政治的にも目先の利く人物であるということである。彼はきわめて合理的な人物でもあった。現在は私の所有になっている数千点の文書を選択、分析、記述した彼のやり方を見ればわかる。2点目は、典型的な内部告発者としての彼の存在を否定できないということだ。国家安全保障部門のトップクラスの高官が国内のスパイプログラムに関して議会に公然と嘘を吐いていたことの証拠を明らかにすることが、議論の余地なくその人物を内部告発者ではないというのなら、いったいその行為はなんと言えばいいのだろうか?

着陸の少し前、私は最後にあるファイルを読んだ。そのファイルは「README_FIRST」というファイル名だったが、フライトのまさに最後に初めて見つけることができた。このメッセージは、彼がなぜこの行為を行うことを選択したのか、その結果として何が起こることを期待しているのか、についての情報源による説明である。また、そのファイルには他の者が知らなかったある事実が含まれていた。それは情報源の名前である。

「私は、自分が自らの行動のために処罰されること、そして、この情報を一般市民に還元することが私の人生の終わりになることを理解しています。私の愛する世界を支配する、秘密法、不平等な見過ごし、抵抗不可能な行政権が、たとえ一瞬であれ明らかになるのであれば、それで私は満足です。もしあなたが助けを差し伸べたいと考えるのなら、オープンソースコミュニティに参加して、報道機関の精神を生かし続けるために、そして、インターネットの自由を保つために、戦ってください。私は政府のもっとも暗部の隅にいました。そして、彼らが恐れるのは光なのです。



エドワード・ジョセフ・スノーデン、SSN: *****

CIAコードネーム「*****」

機関識別番号: *****

元上級顧問 | アメリカ国家安全保障局、会社員に

元現場作業員 | アメリカ中央情報局、外交官に偽装

元講師 | アメリカ国防情報局、会社員に偽装」

本ブログは、グリーンウォルドの新著『No Place to Hide: Edward Snowden, the NSA, and the U.S. Surveillance State 』(Metropolitan Books) を翻案したものである。

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