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今期最終赤字7100億円で、ついに配当原資枯渇。資本増強の必要性が高くなる東芝。

2016年02月04日 17時21分 JST | 更新 2016年02月04日 17時41分 JST

東芝の第三四半期が開示された。

東芝の2016年3月期の連結最終赤字は7100億円になる見込みである。少し心配になって、東芝の有価証券報告書を見てみた。

前期末の東芝の純資産(自己資本)は1兆839億円であり、国際会計基準(IFRS)であるため、非支配持分にどのくらい影響を受けるのかわからないが、仮に7100億円全額が株主資本にヒットするとなると、株主資本は約3800億円となり、自己資本比率が5%程度となる。そして、東芝の前期の利益剰余金は3830億円なので、この時点で既に配当原資は完全になくなる。

また今期は、懸案の米原子力事業子会社ウエスチングハウスは今回減損処理の必要なしと判断したらしいので、この7100億円にはウエスチングハウスの1600億円の減損は含まれていない。もし来期ウエスチングハウスが減損となると、株主資本は2200億円にまで下がり、自己資本が3%台までに減少し、危険水域となってしまう。

当然、資本増強の話が出てくるわけだが、東芝は一連の会計問題で昨年9月に東証より、特設注意市場銘柄の指定を受けており、現状市場からの公募増資などのファイナンスを行うことはほぼ不可能に近い。

※特設注意市場銘柄

となると第三者割当として外部投資家からの資本調達が、次のポイントになって来る可能性が高い。東芝なので、当然数千億円レベルの話となり、また東芝の第二ステージが始まることになる。

その可能性も見込んでのことか、現在、東芝は子会社の東芝メディカルの売却を行っている最中であり、売却額は4000億円から5000億円と言われている。

それが決まれば、自己資本ベースでもキャッシュベースでも一息つくことになるが、東芝メディカルは画像診断機器を手がけ、東芝メディカルがあるおかげで、東芝のヘルスケア部門は平成28年3月期連結決算で主要部門の中で唯一の営業黒字を確保する見通しである。

その虎の子の東芝メディカルを売却して引き続き、原発、半導体に注力していく東芝の事業ポートフォリオは極めてリスクの大きな状態が続くことになり、今後の業績は極めて不透明感が高い。

ようやくシャープが鴻海主導で再建する方向になる中、今後は東芝である。

不正会計が発端となり、そのまま本来の業績までなし崩し的に悪化してきた東芝の課題はあまりにも重く、原発など、エネルギー政策に大きく関わる東芝であることを勘案すると、シャープ再建とは全く次元の違う話である。

新たな再建スキームをどう作り上げていくか、注目したい。

(2016年2月4日「田中博文 Official Site」より転載)